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犬塚 信太郎|encyclopedia=20世紀日本人名事典（2004年刊）|access-date=2024-05-03}}</ref>。
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2024年6月11日 (火) 01:35時点における版

犬塚信太郎（中）と、夏目漱石（右）、中村是公（左）

犬塚 信太郎（いぬづか のぶたろう、1874年（明治7年）3月14日 - 1919年（大正8年）12月10日）は、日本の実業家。孫文の支援者で、南満州鉄道理事などを務めた。立山水力電気設立者。

来歴・人物

原籍は佐賀県だが[1]、東京で有馬小学校を卒業後[1][2]、中学校には進まず[1]、1890年に高等商業学校（現・一橋大学）本科卒業後[3][4]、17歳で三井物産に入社した[1][3]。

三井物産では門司支店から始め、ロンドン等で勤務し[1][5]、シンガポール支店長代理や[6]、香港支店長等を経て[7]、門司支店長を務めた[1][5]。ロンドンや東京では悪友各務鎌吉らと女遊びに興じたという[8]。

1906年に南満洲鉄道が設立されると、同社理事に就任[9]。三井物産門司支店次席を務めていた部下の相生由太郎も同社に招聘した[10]。

やがて南満洲鉄道内の勢力が長州閥から立憲政友会系に移ると、最古参の理事としてこれと対立し[5]、1914年には伊藤大八副総裁の合議制を廃して部局制に改める改正案に反対し、伊藤や野村龍太郎総裁とともに罷免された[11][12]。

秋山真之、芳川寛治らと親しく[13]、秋山らとともに孫文の革命派を支援し[14]、1915年に日本亡命中の孫文、陳其美との間で、山田純三郎とともに日中盟約を締結[15][16]。

1917年には孫文、張人傑、蒋介石等との間で、秋山や芳川、塚原嘉一郎、菊池良一とともに日支組合規約を締結[17]。

また、同年に岸一太とともに立山水力電気を設立し[18]、同社取締役を務めたほか、義父が設立した大湊興業の取締役、ジョホール護謨栽培取締役なども歴任したが[3][9]、1919年に46歳で早世した[9]。

親族

父の犬塚駒吉は伊万里の陶器商丸駒屋5代当主の弟で、江戸深川佐賀藩陶磁器販売所責任者を務めた資産家であった[19][20]。

妻のしのぶは大湊興業などの設立者である鈴木誠作法学博士の長女[21][22]。

妹のきぬは逗子なぎさホテルなどの設立者で貴族院議員を務めた岩下家一子爵の妻[23][21]。

栄典

伝記

  • 『父と娘の満州―満鉄理事犬塚信太郎の生涯』新風舎 2006年

脚注

  1. ^ a b c d e f 雪斎遺稿 再版
  2. ^ 有馬十思校友会二十六年度報告誌
  3. ^ a b c 「犬塚 信太郎」『20世紀日本人名事典（2004年刊）』。https://kotobank.jp/word/%E7%8A%AC%E5%A1%9A%20%E4%BF%A1%E5%A4%AA%E9%83%8E。コトバンクより2024年5月3日閲覧。 
  4. ^ 高等商業学校第二回卒業証書授与式顛末
  5. ^ a b c 時勢と人物
  6. ^ 南洋の五十年 : シンガポールを中心に同胞活躍
  7. ^ 銀行会社要録 : 附・役員録 第七版
  8. ^ 財界人物我観
  9. ^ a b c 「犬塚信太郎」『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』。https://kotobank.jp/word/%E7%8A%AC%E5%A1%9A%E4%BF%A1%E5%A4%AA%E9%83%8E。コトバンクより2024年5月10日閲覧。 
  10. ^ 海の聖者楢崎猪太郎伝
  11. ^ 後藤新平論
  12. ^ 南満洲鉄道(株)『満鉄四十年史』(2007.11)渋沢社史データベース
  13. ^ 提督秋山真之
  14. ^ 平間洋一「秋山真之(あきやまさねゆき) : 南洋群島占領の推進者(一八六八-一九一八)」太平洋学会学会誌. (50)(太平洋学会, 1991-04-00)
  15. ^ 横山宏章「中国の伝統的「以夷制夷」戦略－清末から現代まで－」県立長崎シーボルト大学国際情報学部紀要
  16. ^ 学位論文要旨東京大学
  17. ^ 特別展示「秋山好古・真之の手紙」佐賀県立博物館・佐賀県立美術館
  18. ^ 『北陸地方電気事業百年史』99-100頁
  19. ^ 西肥前陶磁器と商人活動 －伊万里津における商業活動を中心として 石川和男、専修大学社会科学研究所 月報 No.686・687 2020年8月・9月合併
  20. ^ 社会科学研究所 2019年度春季実態調査 北九州・佐賀の急加速と蝸牛の如き産業変化 ―北九州～久留米～武雄～伊万里～有田― 行程記録 樋口博美、専修大学社会科学研究所 月報 No.686・687 2020年8月・9月合併
  21. ^ a b 人事興信録 5版
  22. ^ 「鈴木 誠作」『20世紀日本人名事典（2004年刊）』。https://kotobank.jp/word/%E9%88%B4%E6%9C%A8%20%E8%AA%A0%E4%BD%9C。コトバンクより2024年5月3日閲覧。 
  23. ^ 岩下家一日本研究のための歴史情報『人事興信録』データベース
  24. ^ 叙勲裁可書・明治四十二年・叙勲巻七・外国勲章受領及佩用三
  25. ^ 官報 1910年11月28日
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