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内閣広報官

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内閣広報官(ないかくこうほうかん、: Cabinet Public Relations Secretary)は、内閣法に基づき、内閣官房に置かれる官職のひとつ。

概要

2001年(平成13年)1月6日中央省庁再編の際に、内閣官房に新設。 内閣法に基づく国家公務員法の適用を受けない特別職国家公務員であり、事務次官級の政治任用職として設置された。

所掌する内閣官房内閣広報室は一部を除き、内閣府大臣官房政府広報室とは別組織であり(「内閣」と「内閣府」とが同時存在する別機関)、従来の総理府と内閣官房の兼職関係ではなく、連携関係にある。但し、事実上、内閣府の政府広報室も掌握できる役職である。

2012年(平成24年)12月の第2次安倍内閣成立以降、内閣広報室の外部民間職員採用で博報堂が外された代わりに9年連続で事実上1~2人の電通職員枠が設けられていた。2019年新型コロナウイルス感染症の流行での持続化給付金事業を巡る委託事業同様(電通#事件・不祥事・疑惑)、政府と電通との蜜月関係ないし関係の近さが指摘されている [1][2]

任務

内閣法第18条第2項において「内閣の重要政策の企画立案や総合調整に必要な広報に関するものを掌理する」ことを任務として定められている。

内閣副広報官

内閣広報官の下に内閣副広報官(定数1人)が置かれており、外国語での広報を担当しているため外務省出身者が就任する。但し、内閣副広報官は一般職の国家公務員。

内閣広報官(中央省庁再編前)

行政の情報発信能力を強化する趣旨で内閣官房に設置された広報担当職。 1986年(昭和61年)7月1日に設置された内閣広報官室の長であり、正式名称は内閣官房内閣広報室内閣広報官。 前身は内閣官房内閣広報室長(1973年(昭和48年)5月1日設置された内閣広報室の長)。 行政改革の一環である内閣官房再編により新設された。 これらの役職は内閣官房組織令で定められた一般職の国家公務員である。

いずれも内閣総理大臣官房広報室長(総理府)と兼務であり、基本的に内閣広報室(内閣広報官室)の職員もまた総理府広報室との兼務であった。 内閣広報官室は2001年(平成13年)1月6日の中央省庁改革に伴い廃止された。

歴代広報官等

代数 氏名 在任期間 前職 後職
内閣総理大臣官房広報室長【総理府事務官】
1 三枝三郎 1960.7.1 - 1964.4.17 内閣官房内閣審議室内閣審議官
兼内閣総理大臣官房参事官
総理府特別地域連絡局
2 山野幸吉 1964.4.17 - 1964.10.14 内閣総理大臣官房参事官
兼内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長
総理府特別地域連絡局長
3 三井芳文 1964.10.14 - 1968.2.7 総理府恩給局次長 退職
→1968.4.1公立学校共済組合理事(常勤)
4 松本芳晴 1968.2.7 - (1973.5.1) 総理府統計局総務課長 (内閣官房兼任)
内閣総理大臣官房広報室長【総理府事務官】
内閣官房内閣広報室長【内閣審議官】兼任
総5/官1 松本芳晴 1973.5.1 - 1973.6.1 (総理府専任) 内閣総理大臣官房付
→1973.7.31退職
→1974.2.1日本専売公社監事
総6/官2 齋藤一郎 1973.6.1 - 1974.6.7 警察庁刑事局保安部長・警視監 防衛庁長官官房
総7/官3 渡部正郎 1974.6.7 - 1974.11.29 警察庁交通局長・警視監 内閣官房内閣調査室
総8/官4 関忠雄 1974.11.29 - 1976.12.10 九州管区警察局長・警視監
→警察庁警務局付・警視監
警察庁警務局付
→1977.2.18近畿管区警察局
総9/官5 島村史郎 1976.12.10 - 1978.9.4 内閣総理大臣官房総務審議官 総理府統計局長兼統計研修所長
総10/官6 小玉正任 1978.9.4 - 1979.11.13 沖縄開発庁沖縄総合事務局 総理府賞勲局
総11/官7 小野佐千夫 1979.11.13 - 1983.11.4 内閣総理大臣官房管理室長 退職
総12/官8 金子仁洋 1983.11.4 - 1986.7.1 科学警察研究所総務部長・警視監
→1983.8.26警察庁警務局付・警視監
警察大学校長・警視監
内閣官房内閣広報官室内閣広報官【内閣審議官】
内閣総理大臣官房広報室長【総理府事務官】併任
1/総13 宮脇磊介 1986.7.1 - 1988.7.15 皇宮警察本部長・皇宮警視監 退職
2/総14 高田朗雄 1988.7.15 - 1989.7.15 関東管区警察局長・監視監(1988.1.29退職) 退職
3/総15 岡村健 1989.7.15 - 1991.4.1 警視庁副総監・警視監
→警察庁警務局付・警視監
警察庁警務局付・警視監(同日退職)
4/総16 樋口武文 1991.4.1 - 1993.4.30 九州管区警察局長・警視監
→1991.4.1警察庁警務局付・警視監
警察庁警務局付・警視監(同日退職)
5/総17 半田嘉弘 1993.4.30 - 1996.7.30 埼玉県警察本部長・警視監
→警察庁警務局付・警視監
警察庁
6/総18 上村知昭 1996.7.30 - 1999.7.13 総務庁青少年対策本部次長 退職
→1999.10.1平和祈念事業特別基金理事長
7/総19 近藤茂夫 1999.7.13 - 2001.1.5 国土事務次官 内閣広報官
内閣広報官
1 近藤茂夫 2001.1.6 - 2001.4.26 内閣官房内閣広報官室内閣広報官
兼内閣総理大臣官房広報室長
退職
→2003.9.29特命全権大使
2 2001.4.26 - 2003.7.30
3 内田俊一 2003.7.30 - 2003.11.19 内閣官房内閣総務官室内閣総務官 内閣府事務次官
4 2003.11.19 - 2005.9.21
5 2005.9.21 - 2006.7.28
- (欠員) 2006.7.28 - 2006.9.26
6 長谷川榮一 2006.9.26 - 2007.9.26 防衛庁防衛参事官 退職
→2008.7.11中小企業庁長官
7 2007.9.26 - 2007.11.6
8 小川洋 2007.11.6 - 2008.9.24 特許庁長官(2005.9.6退職) 退職
→2011.4.25福岡県知事
9 2008.9.25 - 2009.9.16
10 2009.9.16 - 2010.6.8
11 2010.6.8 - 2010.8.24
12 千代幹也 2010.8.24 - 2011.9.2 内閣総務官室内閣総務官 退職
13 2011.9.2 - 2012.12.26
14 2012.12.26 - 2013.7.23
15 長谷川榮一 2013.7.23 - 内閣総理大臣補佐官(兼任)

脚注

注釈

出典

  1. ^ 大場伸也 (2020年7月24日). “安倍政権と電通の「深い関係」 内閣広報室、9年連続採用はなぜ?”. 毎日新聞. 毎日新聞社. 2020年8月8日閲覧。
  2. ^ 内閣広報室に「電通職員枠」? 9年連続採用”. 毎日新聞. 毎日新聞社 (2020年7月27日). 2020年8月8日閲覧。