地形としての風穴とは、洞窟の内外で生じる気温差や気圧差により風の流れが生じ、洞口を通じて体感的に速い大気循環がある洞窟の一形態である。風穴は「ふうけつ」や「かざあな」と読んだりするが、どちらでも間違いではない。近世頃までは一般的に「かざあな」と呼ばれていたが、明治時代に入ると蚕種貯蔵風穴が全国各地に多数造られ、「ふうけつ」の語が広く定着した。ただ、地域によっては明治時代以降も「かざあな」を使っている地名もある。……
本項では、エジプトの歴史を解説する。エジプトという歴史地理的空間を定義するのはほとんど降水がない砂漠地帯を貫流するナイル川である。元々は草原が広がっていたナイル川周辺の地域が気候変動によって乾燥するに従い、人々はナイル川流域に集まっていった。ナイル川流域は川が分岐して扇状に広がるナイルデルタ地帯である北部の下エジプトと、川の両岸数キロ程度の範囲の可住地が線状に続く上エジプトに分けられる。……