北村紗衣
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人物情報 | |
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生誕 |
1983年(40 - 41歳)[1] 北海道[1] |
出身校 |
東京大学教養学部 東京大学大学院総合文化研究科 キングス・カレッジ・ロンドン |
学問 | |
研究分野 | シェイクスピア・舞台芸術史 |
研究機関 | 武蔵大学 |
博士課程指導教員 | A. Thompson, H. Crawforth[2][3] |
指導教員 | 河合祥一郎、高田康成[2] |
学位 | Ph.D |
主な業績 | 英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクト[4][5][6] |
学会 | 日本英文学会、日本シェイクスピア協会、表象文化論学会、日本科学史学会など[7][8] |
公式サイト | |
Commentarius Saevus |
北村 紗衣(きたむら さえ、1983年(昭和58年)[1] - )は、シェイクスピアや舞台芸術史を専門とする日本の文学者、教育者[1]。キングス・カレッジ・ロンドンPh.D[3]。武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授[9]。「英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクト」でも知られる[4][5][6]。共感覚やフェミニスト批評でも著作がある[10][11]。
来歴・人物
生い立ち
1983年、北海道にて生まれる[1]。中学生の頃からシェイクスピア作品に興味を持つ[9]。2001年、北海道新聞社の第38回有島青少年文芸賞作品集に、「Drive my car crazy」が掲載される[12]。
東京大学に進学し、2006年3月、東京大学教養学部超域文化科学科表象文化論卒業。2008年3月、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論修士課程修了。この間、河合祥一郎、高田康成の指導を受け[2]、大学院時代の友人に森山至貴がいる[13]。同年4月、日本学術振興会特別研究員(DC1)として同博士課程に進学[14]。
2009年10月より特別研究員を辞退し、東京大学大学院を休学、渡英。キングズ・カレッジ・ロンドン英文学科博士課程に入学。2012年9月、東京大学大学院を退学。2013年4月、同カレッジに博士論文を提出、帰国。同年10月にはキングズ・カレッジ・ロンドンでPh.D(博士号)を取得した[14]。
大学教員として
日本に帰国後は雄松堂書店古書事業部契約社員を務めつつ[14]、慶應義塾大学文学部[注釈 1]や東京大学教養学部[注釈 2]で非常勤講師を担当。2014年には武蔵大学人文学部英語英米文化学科の専任講師に就任した。同年、SNSを活用してシェイクスピア作品の受容調査を実施[15]。また、2015年からは『wezzy』というWebマガジンで連載を持つようになり[11][16]、2016年には北村が編集を務めた共感覚に関する書籍が出版された[10]。
なお北村は2010年からウィキペディアを編集するようになり[6]、自身の授業で「英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクト」を毎年手掛けている[4][5]。また授業のみならず、日本科学史学会大会でウィキペディア編集に関するパネルディスカッションを企画したり[17]、アート+フェミニズムでも講師を務めるなど[18]、エディタソン活動も展開している。
2017年、武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授に就任。2018年には早稲田大学エクステンションセンターで講座「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア」の講師を務め[19]、朝日新聞のシェイクスピアに関する連載にも協力[20][21]。さらに同年3月には、単著『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち ―近世の観劇と読書―』も刊行されている[22]。
著書
単著
- 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち ―近世の観劇と読書―』白水社、2018年3月、ISBN 978-4-560-09600-0。
共編著
(編著)
- 『共感覚から見えるもの ―アートと科学を彩る五感の世界―』勉誠出版、2016年5月、ISBN 978-4-585-21033-7。
(分担執筆)[23]
- 「悲劇」、「問題劇」、『シェイクスピア・ハンドブック』三省堂、2010年、74-106頁、138-145頁、ISBN 978-4385410647。
- "Queens, Girls and Freaks: Men in Women’s Clothes and Female Audiences in Japanese Cross-Dressing Productions of As You Like It and Hedwig and the Angry Inch". Queer Crossings, Theories, Bodies, Texts, Mimesis International (2012), pp.161-178, ISBN 978-8857509396。
- 「キャトリン・モラン『女になる方法』書評」、『いま、世界で読まれている105冊』テン・ブックス、2013年、108-109頁、ISBN 978-4886960306。
- 「音楽の錬金術師、氷の国のうたびとビョーク」、『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』明石書店、2016年、259-263頁、ISBN 978-4750343082。
- "The Good, the Bad and the Beautiful: Women Writers’ Difficult Relationships with the ‘Bad Woman’ Character in Antony and Cleopatra". Lilith Rising: Perspectives on Evil and the Feminine, Inter-Disciplinary Press (2016), ISBN 978-1848883864。
(翻訳)[23]
- 「科学、技術と文学」、『科学・技術・倫理百科事典』丸善出版、2012年、285-294頁、ISBN 978-4-621-08387-1。
- 「第1章」、「第6章」、『オックスフォードブリテン諸島の歴史 第7巻 ―17世紀 1603年-1688年―』慶應義塾大学出版会、2015年、ISBN 978-4766416473。
個人出版
北村は個人出版社としてISBNを取得しており[24]、以下のように表象文化論学会や日本歴史学協会の取り組みを出版している[25][26]。
- 北村紗衣 編著『共感覚の地平 ――共感覚は共有できるか? 表象文化論学会第4回大会パネル記録集』北村紗衣 発行、2012年4月、ISBN 978-4-9906091-0-8。[27]
- 西洋史若手研究者問題検討ワーキング 編著『西洋史若手研究者問題アンケート調査最終報告書』北村紗衣 発行、2015年1月、ISBN 978-4-9906091-2-2。[28]
主な著作
学位論文
- The Role of Women in the Canonisation of Shakespeare : From Elizabethan Theatre to the Shakespeare Jubilee. Doctoral thesis. King's College London. (October 2013)[3]
学会誌
- 「J・M・クッツェー作『夷狄を待ちながら』における月経の表現」、『英文学研究 支部統合号』第3巻、2011年、149-167頁。
- 「トーク&トーク 情報社会から融合社会へ ―仮想と現実が融合する社会での情報のガバナンスと信頼性を考える―」、『情報の科学と技術』第67巻第5号、2017年、241-250頁。
紀要
- 「歪んだ王冠と道化 ―クレオパトラの死と女王の二つの身体―」、『比較文学・文化論集』第24巻、2007年、1-17頁。
- 「雅にして強かなる罠 ―『アントニーとクレオパトラ』における紳士の形成の危機―」、『比較文学・文化論集』第25巻、2008年、1-16頁。
- 「イギリス・ルネサンスにおける「クレオパトラ文学」--シェイクスピアのクレオパトラとその姉妹たち」、『超域文化科学紀要』第14号、2009年、69-87頁。
- 「おネエと女とフリークス ―『お気に召すまま』と『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』―」、『比較文学・文化論集』第26巻、2009年、26-44頁。
- 「孤独とミソジニー ―岡田利規演出『友達』―」、『比較文学・文化論集』第27巻、2010年、9-12頁。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e “北村紗衣「今一番新しい劇作家、何でもありのウィリアム・シェイクスピア」”. 連載・エッセイ. 白水社 2018年4月14日閲覧。
- ^ a b c Kitamura 2013, Acknowledgements.
- ^ a b c “Serch for Research ( Kitamura Sae )”. RESEARCH PORTAL. King's College LONDON. 2018年4月17日閲覧。
- ^ a b c 亀田幸成「トーク&トーク「情報社会から融合社会へ-仮想と現実が融合する社会での情報のガバナンスと信頼性を考える-」を聴講して」、『情報の科学と技術』第67巻第5号、2017年5月、251-252頁。
- ^ a b c 萬谷衣加「ポスター発表を見て」、『情報の科学と技術』第67巻第5号、2017年、255-256頁。
- ^ a b c WIKIPEDIA15 2018.
- ^ a b c researchmap 2018.
- ^ 武蔵大学 2018, 所属学会.
- ^ a b 夢ナビ! 2018.
- ^ a b “共感覚からみえるもの”. 勉誠出版. 2018年4月14日閲覧。
- ^ a b “北村紗衣 の記事一覧” wezzy. 2018年4月16日閲覧。
- ^ “有島青少年文芸賞作品集 第39回 北海道新聞社 2001年12月”. 国立国会図書館サーチ 2018年4月18日閲覧。
- ^ 北村紗衣、森山至貴 (2017年7月11日). “知識を手にすれば、他者を傷つけずにすむ。『LGBTを読みとく』著者・森山至貴氏インタビュー”. wezzy. 2018年4月18日閲覧。
- ^ a b c “橋から飛び降りる前後に考えたこと”. 公益財団法人吉田育英会 (2014年10月8日) 2018年4月14日閲覧。(アーカイブ)
- ^ “ソーシャルメディアを用いたシェイクスピア受容状況調査”科学研究費助成事業データベース(2017年5月10日) 2018年4月8日閲覧。
- ^ “キレイが人生の邪魔をする?~ニューオーリンズの無名の聖女の物語『愛する勇気』” (2015年10月10日). wezzy. 2018年4月16日閲覧。
- ^ 北村紗衣、日下九八、さかおり、のりまき、吉本秀之、藤本大士「ラウンドテーブル ウィキペディアと科学史 ―知識とコミュニケーションを考える」、『科学史研究』第279号、2016年、21-25頁。
- ^ “武蔵大学人文学部お知らせ 3/8(木) 英語英米文化学科 北村紗衣 准教授が「2018アート+フェミニズムエディタソン@東京」に講師として参加します”. 武蔵大学 (2018年3月3日) 2018年4月18日閲覧。
- ^ “ジャンル(文学の心)あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア”. 早稲田大学エクステンションセンター. 2018年4月14日閲覧。
- ^ “(シェークスピアをたどって 3)青年期「失われた年月」”. 朝日新聞 (2018年1月9日) 2018年4月14日閲覧。
- ^ “(シェークスピアをたどって 4)18世紀コスプレ大会”. 朝日新聞 (2018年1月10日) 2018年4月14日閲覧。
- ^ “シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち ―近世の観劇と読書―”. 白水社. 2018年4月14日閲覧。
- ^ a b 武蔵大学 2018, 著書.
- ^ “電子書肆 さえ房”. 北村紗衣. 2018年4月18日閲覧。
- ^ “共感覚の地平 北村紗衣 編集”Googleブックス. 2018年4月8日閲覧。
- ^ “西洋史若手研究者問題アンケート調査最終報告書 - 西洋史若手研究者問題検討ワーキンググループ”. Googleブックス 2018年4月18日閲覧。
- ^ “北村紗衣 - 資料公開”. Researchmap. 2018年4月8日閲覧。
- ^ “西洋史若手研究者問題アンケート調査最終報告書”. 国立国会図書館サーチ 2018年4月18日閲覧。
参考文献
- “講義No.08420 シェイクスピア作品は、なぜ時代や国境を超えて人々を魅了するのか?”. 夢ナビ!. 2018年4月14日閲覧。
- “Kitamura Sae”. WIKIPEIDA15. ウィキメディア財団. 2018年4月14日閲覧。
- “北村紗衣 - 研究者 - researchmap”. researchmap. 科学技術振興機構 (2018年4月5日). 2018年4月14日閲覧。
- “北村 紗衣(キタムラ サエ)”. 研究者プロフィール. 武蔵大学. 2018年4月18日閲覧。
外部リンク
- Lupa Saeva - 公式ウェブサイト
- 電子書肆 さえ房 - 北村が運営する電子書肆さえ房の公式ウェブサイト
- Commentarius Saevus - 公式ブログ
- saebou (@Cristoforou) - X(旧Twitter)
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