ナイツ&マジック
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ナイツ&マジック | |
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ジャンル | ファンタジー、ロボット |
小説 | |
著者 | 天酒之瓢 |
イラスト | 黒銀 |
出版社 | 主婦の友社 |
レーベル | ヒーロー文庫 |
刊行期間 | 2013年2月28日 - |
巻数 | 既刊7巻(2017年5月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 天酒之瓢(原作) |
作画 | 加藤拓弐 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ヤングガンガン |
レーベル | ヤングガンガンコミックス |
発表号 | 2016年9号 - |
発表期間 | 2016年4月15日 - |
巻数 | 既刊3巻(2017年6月現在) |
アニメ | |
原作 | 天酒之瓢 |
監督 | 山本裕介 |
シリーズ構成 | 横手美智子 |
キャラクターデザイン | 桂憲一郎 |
メカニックデザイン | 黒銀(シルエットナイト) 天神英貴 |
音楽 | 甲田雅人 |
アニメーション制作 | エイトビット |
製作 | ナイツ&マジック製作委員会 |
放送局 | AT-X・TOKYO MX・BS11ほか |
放送期間 | 2017年7月 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『ナイツ&マジック』(Knight's & Magic)は、天酒之瓢によるライトノベル、オンライン小説。小説投稿サイト『小説家になろう』に掲載され(以下、これを「Web版」と呼ぶ)、ヒーロー文庫より刊行(以下、これを「文庫版」と呼ぶ)された。文庫版のイラストは黒銀。なお、Web版のタイトルは『Knight's & Magic』と英語表記である。
概要
異世界転生、魔法、巨大ロボットを主軸としたファンタジー作品。2010年に『小説家になろう』にて掲載を開始し、2017年8月現在も連載が続いている。
2013年からヒーロー文庫より順次刊行されている。売上は2016年5月時点で計40万4000部[1]、2017年7月時点で漫画版も含めたシリーズ総計で公称120万部[2]。なお、文庫版では主人公の設定やストーリーにWeb版から変更されている部分がある。
2016年に『ヤングガンガン』にて漫画化され、2016年11月現在も連載が続いている。この漫画版は主婦の友社のWebコミックサイト『COMICAWA』でも一部が閲覧可能となっている。
2016年9月にテレビアニメ化がアナウンスされ[3]、2017年7月より放送中(後述)。なお、テレビアニメ化に伴い、公式略称が『ナイツマ』と定められた[4]。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
交通事故で命を落としたロボットオタクの倉田翼は、どういうわけか異世界でエルネスティ・エチェバルリアに転生する。その世界は「幻晶騎士(シルエットナイト)」と呼ばれる巨大ロボットが、主戦力として存在する世界だった。
前世のロボットオタクの血が抑えきれないエルネスティは、その世界で自らが理想とするロボットを一から作り上げる目的ために奮闘、その才能と実績で国王から幻晶騎士開発を主目的とした騎士団を任されて団長となり、諸外国との戦乱に派遣されるなど、波乱万丈な運命に巻き込まれていく。
登場人物
主要人物
- エルネスティ・エチェバルリア
- 声 - 高橋李依[5]
- 本作の主人公。通称は「エル」。作中で「狂人」と書かれるほど周囲を顧みず目的へと一直線に邁進する性質を持ち、その行動の数々には暴走という表記が多くなされる。
- 前世は日本人の天才プログラマーで、重度のロボットオタク「倉田翼(声 - 阪口大助)」。交通事故で死亡したが、前世の記憶と知識を持ったまま異世界に転生し、フレメヴィーラ王国のとある一家の子供に生まれ変わる。
- 前世の記憶があるため知識や理解力・思考力こそ大人並だが、基本はこの世界に生きる年齢相応の子供であり、倉田翼であると同時にエルネスティであるという状態。そのため精神年齢や反応の仕方などは年相応のもの。男性だが、小柄な体格で紫銀のセミロング、美形な顔立ちなどから美少女と誤解されることが多く、幼少時には「図書館の姫君」なる異名を付けられたことがある。
- 前世で身につけたプログラム言語の論理法則がこの世界の「魔法術式」にも応用できること、この世界の生物なら生まれつき持っている「魔法演算領域」を仮想のコンピュータとして扱えるのに気づいた事で、それを活かして既存の魔法を組み替えて改良し効率的な運用を行ったり、新しい術式を生み出す事に長けるようになった。5歳時から騎操士を目指して体力向上と魔力向上のための独自トレーニングを積み重ねていたため、体力と魔力が大人と比較してもずば抜けている。
- 「ライヒアラ騎操士学園」に入学後、遠征訓練において自身の魔法演算だけで幻晶騎士を動かす「直接制御」を行い、魔獣「陸皇亀」との初陣で勝利。この事でアンブロシウスにその存在を知られ、謁見の間での約束を果たすため、前世のロボットオタク知識を活かしたそれまでの常識に捕らわれない新しい発想でテレスターレを作り上げる。これに纏わる一連の騒動を経て、国王直属の「銀鳳騎士団」が設立され団長に就任。次々と新しい幻晶騎士を開発する傍ら、隣国で勃発した戦争への介入やボキューズ大森海探索などの国家の一大事にも深く関わるようになる。その結果打ち立てた数多の功績により、幻晶騎士や魔獣に関わる案件において国王並の権力を有した破格の存在と化している。
- Web版では「前世は関西出身」という設定のため、心の声では関西弁を使う。また倉田翼としての意識が強く残っているため、二重人格的な思考描写がなされていた。書籍版ではその設定が削除されたため心の声は標準語となり、思考もエルネスティメインにされているため二重人格的な描写はされていない。Web版でもこういった思考描写は序盤のうちだけで、途中から描写されなくなっている。
- アーキッド・オルター
- 声 - 菅原慎介[5]、東内マリ子(幼少期)
- エルと同年代の双子で、アデルトルートの兄。通称は「キッド」。8歳の時に独自トレーニングに励んでいるエルと屋根の上で出会い運命が変わる。魔法に長けたエルに師事して彼のトレーニングを共にこなして来たことでずば抜けた魔力・体力・魔法演算能力を獲得するに至り、エルに次ぐレベルの魔法の使い手となっている。三人のなかで一番剣の才能がある。威力を重視する傾向が強く、力任せな魔法を扱う。
- 父親はセラーティ侯爵家当主ヨアキム・セラーティだが、母親は庶民出の妾。そのため、嫉妬深い正妻に対する母親の配慮で母子共に別の家に住んでいる。異母姉で双子を嫌っていないステファニアとの仲は良いが、嫉妬深い正妻の性質を強く受け継いだ異母兄バルトサールからは目の敵にされている。
- 銀鳳騎士団結成後も団長補佐という立場で常に傍らにあったが、大西域戦争で出会った王女エレオノーラの騎士となる事を誓い、彼女を支えて戦う内に想いを寄せるようになる。他国の騎士ということで戦争終結とともに帰還せざるをえなくなったが、エムリスの計らいで新生したクシェペルカ王国に出向することになり、現在は別行動をとっている。
- アデルトルート・オルター
- 声 - 大橋彩香[5]
- 本作のヒロイン。通称は「アディ」。勝気な性格でキッドの双子の妹。
- 可愛いものが大好きで、可愛いものが無ければ不機嫌になるが、それさえ愛でていれば機嫌が良くなるという部分がある。可愛さ基準は彼女独自の感性に基づくもので、幻晶騎士のデザインでも可愛いの範疇に入る事がある。
- キッドと同じくエルに惹かれて共にトレーニングを重ね、学園に入学した。出会ったときからエルのことを好きで、エルに近付くステファニアやノーラに嫉妬し、ずっと抱っこしていたいと考えている。そのためエルに頻繁に抱き着いたり膝枕を要求したり、特にオルター家エチェバルリア家外で睡眠を取るときは同衾を度々する。エルへの想いは年々強まっており、暴走気味な妄想をしたり行動をとる事も増えてきている。
- エルの直弟子としてキッドと同様に魔法に長けるが、兄と違い緻密な制御が得意。兄妹揃って直接制御のレクチャーを受けている。
- 父親の事はあまり好きではなく、父親に会いたくないという理由でキッドと家出をしようとした時、トレーニングに励むエルと出会った。
- 銀鳳騎士団結成後はキッドと共に団長補佐をしているが、大西域戦争の最中にキッドの想いに気づき、戦争終結後に彼をクシェペルカ王国に置いていけないかと無茶を言い出したりした。
- 騎士団でも有数の騎操士と認識されているが、飛翔騎士に関しては騎士団でも最上位クラスで、彼女より上はエルくらいしか存在しない。モートルビートを自在に乗りこなし、ツェンドルグ(馬体側)・シルフィアーネ(一・二世)の試運転を行い、Web版巨人戦争編ではぶっつけ本番でカササギの一部機能操縦やかなり危なっかしいが一時操縦を行い、操縦訓練を経て普及品級魔力転換炉双発仕様で飛行可能にしたイカルガで飛行・戦闘し、ぶっつけ本番でマガツイカルガの一部機能操縦をこなしている。ただし理論より感覚に頼る面が強く、他人に物を教えるのが恐ろしく下手。擬音混じりの彼女の説明を理解するのは困難を極める。
フレメヴィーラ王国
銀鳳騎士団
- エドガー・C・ブランシュ
- 声 - 内匠靖明
- 騎躁士学科の先輩の1人。純白の幻晶騎士・アールカンバーの搭乗者。基本的に真面目かつ質実剛健な性格で、実力は正騎士に匹敵する。
- ベヘモス戦では規格外の動きをするエルのグゥエールを目撃しており、以降も彼の規格外の才能に驚かされている。
- 銅牙騎士団団長ケルヒルトにへルヴィのトランドオーケス(テレスターレ1号機)を奪われたばかりか、無残に敗北してしまったことをずっと悔いていて、エレオノーラを奪い返そうと再びケルヒルトと対面、新型機アルディラッドカンバーを駆り、見事勝利する。
- 銀鳳騎士団設立後は第一中隊長となる。
- ディートリヒ・クーニッツ
- 声 - 興津和幸
- 騎躁士学科の先輩の1人。通称は「ディー」。赤色の幻晶騎士・グゥエールの搭乗者。
- 実力はそれなりにあるがエドガーと比べて軽薄な性格で、ベヘモスと戦った際にはゲパードの惨死を目の当たりにしたことから恐怖心に煽られ、戦場を放棄して1人逃げ出した。その際、エルにグゥエールを奪われたうえ、ベヘモス戦に巻き込まれる形で参戦し、彼の規格外の知識と力を目の当たりにしている。それ以降、改心して真面目になりつつあり、銀鳳騎士団設立後には第二中隊長となる。
- ヘルヴィ・オーバーリ
- 声 - 伊藤静
- 騎躁士学科の先輩の1人。エドガーやディーと共に幻晶騎士で戦う紅一点。桃色の幻晶騎士・トランドオーケスの搭乗者。
- 女性ながら騎士として優れた腕を持ち、勝気な性格も相まって戦闘では先陣を切ることが多い。
- 銀鳳騎士団がオルヴェシウス砦に活動拠点を移した後は第三中隊長となる。
- バトソン・テルモネン
- 声 - 藤原夏海
- 鍛冶屋の息子。ドワーフ。いじめられていたところをエルたちに助けられて以降、親友関係を結ぶ。
- エル・キッド・アディと同期であり、ライヒアラ騎操士学園入学(鍛冶学科)、銀鳳騎士団編成入団一期(鍛冶師隊)、ライヒアラ騎操士学園卒業(中等部)、銀鳳騎士団のオルヴェシウス砦への移動、キッド銀鳳騎士団離脱直前まで、学科・地位・部署に違いはあっても、行動を共にしてきた。ウィンチェスター受注・木部加工、幻晶甲冑シリーズおよび幻晶甲冑用装備開発・試作、一部選択装備(オプションワークス)詳細設計・試作、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)試作、魔導噴流推進器実験用幻晶騎士改造、イカルガ建造現場作業、魔道飛鎗(ミッシレジャベリン)・垂直投射式連装投鎗器(バーティカルロンチドジャベリンスローワ)試作・初期生産、クシェペルカ王国製鹵獲品解体調査、飛翼母船(ウィングキャリアー)詳細設計・一番船イズモ建造指揮を行った。
- ダーヴィド・ヘプケン
- 声 - 伊丸岡篤
- 鍛冶学科に在学する先輩の1人。通称は「親方」。ドワーフ。
- 仕事への熱心さから目上の者にも臆せず立ち回る態度で一目置かれており、元々は学園所有の幻晶騎士のメンテナンスなどを担当していたが、エルと出会ったことで彼が考案した新たな幻晶騎士を実際に開発・製造する重責を担う。銀鳳騎士団の設立後は直属鍛冶師隊隊長となる。
- ノーラ・フリュクバリ
- 声 - 加隈亜衣
- 藍鷹騎士団所属の女性騎士。諜報防諜工作関連の要員。立場上、エルと2人きりの密談も行なうことから、アディに嫉妬されるほどの美女でもある。
- 銀鳳騎士団が設立されたライヒアラ騎操士学園の新入生として入学し、エルや藍鷹騎士団の指揮をアンブロシウスから一任されたクヌートへの連絡要員としての任務にあたる傍ら、学園・銀鳳騎士団内の防諜を担当する。銀鳳騎士団のオルヴェシウス砦への移動後も同任務を続け、銀鳳騎士団の(旧)クシェペルカ王国領派遣へも他の藍鷹騎士団員らと共に同行し、諜報防諜工作任務にあたった。藍鷹騎士団員として、潜入工作連絡用に優先して配備された空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)操縦訓練を受けており、空戦仕様機を操縦可能な藍鷹騎士団員の同僚と共に、第2次ボキューズ大森林派遣飛空船団に参加する。
- 後のシャドウラートにつながる隠密仕様幻晶甲冑開発装備を提案し、web版ではシャドウラートによる夜間城塞潜入実証試験を成功させている。
ライヒアラ騎操士学園
- ラウリ・エチェバルリア
- 声 - 池田勝
- エルの祖父。ライヒアラ騎操士学園の学長を務めている。アンブロシウスとも旧知の仲。
- マティアス・エチェバルリア
- 声 - 天神英貴
- エルの父。元々は騎操士として活躍していたが現在は一線を退き、ライヒアラ騎操士学園で教官を務めている。
- ステファニア・セラーティ
- 声 - 千本木彩花
- キッドとアディの異母姉。ライヒアラ騎操士学園では生徒会長を務める。
- 自ら「可愛くて賢い子が大好き」と言い切り、「図書館の姫君」と呼ばれていたころのエルに着目し、疲れている時など癒やしを求めてエルに抱きつくこともしばしば。弟のバルトサールとは違ってキッドとアディのことは本当の家族と見なし、優しく見守っている。
- バルトサール・セラーティ
- ステファニアの弟にして、キッドとアディの異母兄。ヨアキムの次男。アニメでは決闘シーンがカットされており、登場していない。
- 妾腹であるキッドとアディのことを目の敵にしており、学園内でアディを拉致してキッドを散々痛めつけるが、エルがアディを救ったことで形勢は逆転して惨敗する。
- 学園・実家から叱られた後、実家で謹慎し、緋犀騎士団で扱かれる。Web版では退学となり、侯爵領の守護騎士団へ叩き込まれ、性根を鍛えなおされる。
- ゲパード
- 声 - 西谷修一
- 騎躁士学科の先輩の1人。ベヘモス戦で最初にディーと共に突っ込んで手柄の取り合いをするが、ブレスで消し炭にされた。
- サロネン、デマイネ、ティポー
- 声 - 野瀬育二(サロネン)、柳田淳一(デマイネ)、相馬康一(ティポー)
- ライヒアラ騎操士学園の講師たち。
王族・貴族・軍人
- アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ
- 声 - 菅生隆之、竹内良太(青年期)
- フレメヴィーラ王国第10代国王。一般には「獅子王」の異名を取る名君だが、即位前はむしろ悪戯好きで暴走癖があり、作中では「エルに新機種の開発をけしかける」「銀鳳騎士団の設立を(事実上の独断で)決める」など、その性格が垣間見える動きも見せた。
- 若いころから騎操士として相当な腕前を誇り、数々の武勇伝を持つ。国内随一の槍の名手でもあり、老いてなおその腕前は健在である。
- 新鋭機カルディトーレの完成を迎え、新しい時代の幕開けを悟って王位を引退し、第一王子のリオタムスに後を譲る。その後は出番が減少する一方、生来の悪戯好きが再び表に出つつあるため、騒動を治めるどころか大きくする傾向がある。
- 退屈な余生を過ごさないために必要だとエルに自身の乗騎製作を依頼し、その場に居合わせたエムリスの意見も聞き届けて2機分を発注した。届いた金獅子と銀虎を巡ってエムリスと一騎打ちを演じたりもしたが、結果としてそれを彼の成長につなげたりと名君ぶりは変わっていない。一騎打ちで負けたために銀虎を乗騎としたが、エルから中身はまったく同じものと聞かされ、笑って受け入れていた。
- リオタムス・ハールス・フレメヴィーラ
- 声 - 相馬康一
- アンブロシウスの長男であり、彼の跡を継いでフレメヴィーラ王国第11代国王となる。
- 性格はアンブロシウスにはあまり似ず冷静沈着であり、自身もまた王として有能である。王位継承後、政治の描写場面ではほぼリオタムスがメインとなる。エルの暴走に振り回されるのが悩みの種ではあるが、手綱の取り方自体は上手く、いつも国益に叶ういい落としどころに落ち着かせる。
- エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ
- 声 - 小野大輔
- アンブロシウスの孫にしてリオタムスの次男。
- 王族とは思えない粗野な言動や振る舞いが目立ったため、友好国であるクシェペルカ王国に3年ほど留学に出ていた。王宮関係者からは「若いころのアンブロシウスに瓜二つ」、エル(テレビアニメ版ではアディ)に「脳筋」と評される。破天荒なエルのことを(ひいては銀鳳騎士団を)気に入り、行動を共にすることが多い。騎操士としての腕前は相当に高いが、アンブロシウスからすればまだまだ未熟らしい。それでも一騎打ちで良い勝負をしたうえ、一か八かで突貫して勝利をもぎ取り、エルが造った王族専用騎の金獅子を獲得した。
- クシェペルカ事変では、留学していた関係で先方の王族と面識があることから、銀鳳商会を率いる若旦那としてクシェペルカの救援に向かった。戦争終結後は救国の立役者としてクシェペルカ王国へ大きな影響力を持つようになり、大使として派遣される。その際に補佐役としてキッドを指名し、供に連れて旅立っている(これは、エレオノーラとキッドの関係を知ったうえでの配慮でもある)。
- クヌート・ディクスゴード
- 声 - 土師孝也、間島淳司(青年期)
- フレメヴィーラ王国の公爵にしてアンブロシウスの側近。若いころは暴走癖のあったアンブロシウスを諌める役割を担っていたため、王宮では陰で「猛獣使い」と呼ばれている。
- テレスターレ開発後にエルの政治的野心を疑い、自領に軟禁して詰問するが、その過程で彼とアンブロシウスが非常に似た者同士であることに気づく。これ以降はエルを認めて彼の最大の支援者となり、エルの方もディスクゴードのことを信頼している。
- アンブロシウスの国王譲位と同時に公爵位を息子に譲位しているが、それでもまだ大きな影響力を持っている模様。
- エルとアディがボキューズ大森海に消えた際にも、彼らを探しに行こうとする銀鳳騎士団のスポンサーとなった。
- ヨアキム・セラーティ
- 声 - 木下浩之
- フレメヴィーラ王国の侯爵にしてキッド、アディ、ステファニア、バルトサールの父。妾であるイルマタルのことは本来は側室に迎えるはずだったが、正室があまりに嫉妬深かったために愛妾という形にせざるをえなかった経緯がある。そのため、態度には出さないが妾腹であるキッドやアディのことも大切な我が子としているが、彼らには誤解されてかなり苦手に思われている。
- 当初はディスクゴード公爵と同様にエルの存在に危惧を抱いており、新型機を考案するエルのことを報告してほしいと、キッドとアディに頼み込んだ。テレスターレの一件が落ち着いてからはディスクゴードと同様にエルを認めたようで、探りを入れたりはしなくなった。
- エルとアディがボキューズ大森海に消えた際にも、ディスクゴードと共に彼らを探しに行こうとする銀鳳騎士団のスポンサーとなった。その際にアディのことを心配する様子を見せるが、キッドやアディとの関係は一部の要人を除き表沙汰になっていない案件であるため、銀鳳騎士団はその態度に疑問を抱いていた。
- セレスティナ・エチェバルリア
- 声 - 大原さやか
- エルの母。エルと同じ銀色の髪を持つ。
- おっとりとした性格で少々天然ボケ。エルが幻晶騎士に出会う前(転生してきた翼の意識が宿る前)まで、ずっと退屈そうで寂しそうな日々を送っていたのを心配していた。魔法に長けており、幼少期のエルにその手解きをしている。
- モルテン・フレドホルム
- 声 - 小柳良寛
- カザドシュ砦に駐留する朱兎騎士団団長。乗機は専用幻晶騎士・ハイマウォート。カザドシュ事変の際には、エルネスティと協力して賊に対処した。
- フィリップ・ハルハーゲン
- 声 - 間宮康弘
- ヤントゥネン守護騎士団団長。乗機は専用幻晶騎士・ソルドウォート。ステファンの報を受けて守護騎士団を率い、ベヘモス退治に出撃した。
- ゴトフリート・ヒュバリネン
- 声 - 林大地
- ヤントゥネン守護騎士団副団長。乗機はカルディアリア。
- カーン、キュッヒル、ステファン
- 声 - 松本忍(カーン)、笠間淳(キュッヒル)、熊谷健太郎(ステファン)
- バルゲリー砦の兵士たち。隊長のカーンはベヘモス襲撃の報を守護騎士団へ伝えさせるため、命を賭して若手のステファンを逃がした。
- アーニィス
- 声 - 深川和征
- 国立機操開発研究工房との模擬戦で銀鳳騎士団が戦ったアルヴァンズのリーダー。剣捌きは隊内でも1、2を争う。
- 第1小隊を率いる。カルダトア・ダーシュ6機で迎え撃ち、自身はエドガーと一騎打ちしてお互いの腕を認め合った。
- ツーヴァ、イドラ
- 声 - 岩澤俊樹(ツーヴァ)、佐原誠(イドラ)
- アルヴァンズ第1小隊の隊員たち。ディーやエドガーと対戦した。
- ゼルクス、ユンフ、フィリア
- 声 - 中村和正(ゼルクス)、猪股慧士(ユンフ)、櫻庭有紗(フィリア)
- アルヴァンズ第2小隊の隊員たち。フィリアは紅一点。トイボックスやツェンドルグとの戦闘で敗北する。
国立機操開発研究工房
- オルヴァー・ブロムダール
- 声 - 松岡禎丞
- 国立機操開発研究工房の所長。さわやかな青年という容姿に落ち着いた性格で、ナイトスミスたちをまとめ上げる。
- その素性は、森都より衛使として徒人(人類)との橋渡しの役目を負って派遣されているアルヴの民であり、年齢も80を超えている。
- ガイスカ・ヨーハンソン
- 声 - 麦人
- 国立機操開発研究工房第一開発工房の工房長。ナイトスミスたちを取りまとめ、新型機開発に情熱を燃やす。
- 当初は技術者としての功名心に駆られるあまり、オルヴァーのことも心よく思っていなかったが、銀鳳騎士団との模擬戦を機に考えを改め、エルたちと共にラボを上げて協力体制を敷く。
アルヴの民
web版では種族名のアルヴの代わりにエルフという用語が用いられている。耳が長く体内に触媒結晶を有し、素で大規模高精度な魔法を揮う。寿命は500年内外。100歳を超えると、眠りと思索の間に生きるようになる。
- キトリー・キルヤリンタ
- 声 - 潘恵子
- アルフヘイムに住む
大老 ()の女性。日頃は横たわっており、瞼を開けることすらほどんどない。 - テレビアニメ版第8話では、魔力転換炉の知識を短時間で習得したエルに「
童 ()よ。徒人でありながら徒人とは別なる理 ()を知る者よ。」と言葉をかけるなど、彼が転生者であることに気付いている節が描かれている。 - オルヴァー・ブロムダール
- #国立機操開発研究工房を参照。
ジャロウデク王国
銅牙騎士団
- ケルヒルト・ヒエタカンナス
- 声 - 井上喜久子
- 銅牙騎士団の団長を務める女性。本文中に記述は無いが隻眼。顔の皺が目立ち始めたとの記述があり、web版では30代の設定。
- フレメヴィーラの王都に潜伏してのスパイ活動中にテレスターレの情報を得て、本国の命令によりカザトシュ事変でテレスターレ(トランドオーケス)を強奪して逃走し、かなりの部下を失いながらも本国への搬入に成功した。web版では、過去の失態による左遷でフレメヴィーラに派遣され、新型幻晶騎士の鹵獲の功績で悲願の本国復帰を果たす。
- ロカール諸国連合征服戦、クシェペルカ王国侵攻およびその後の占領地防衛戦に銅牙騎士団を率いて動員された結果、部下の大半を喪失したうえ、四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦(web版ではデルヴァンクール防衛戦)でエドガーに討たれて死亡する。
- ベルナル、シェニエ、バッカス、グレコ
- 声 - 木内太郎(ベルナル)、岩澤俊樹(シェニエ)、斎藤寛仁(バッカス)、佐原誠(グレコ)
- 銅牙騎士団の団員たち。カザドシュ事変でベルナルとシェニエはケルヒルトと共に逃走し、バッカスとグレコはカザトシュ砦に残って戦った。
王族・その他
- バルドメロ・ビルト・ジャロウデク
- ジャロウデク王国国王。
- 西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)の準備を進めるも、大西域戦争開始時点で病魔に倒れており、代わってカルリトスが国王代理としてジャロウデク王国を指導する。少なくとも銀鳳(商)騎士団の西方撤収開始まで生存している。
- 文庫版ではその後の消息は不明だが、web版では銀鳳商会(騎士団)西方撤収した年(西方暦1290年)の年末迄に逝去する。
- Web版の、入手したテレスターレ視察時の会話より、相当専制的国王であることがわかる。
- カルリトス・エンデン・ジャロウデク
- 声 - 綿貫竜之介
- ジャロウデク王国第一王子。
- 病に倒れたバルドメロの国王代理として、昔の西域統一国家:世界の父(ファダーアバーデン)復活を名目に、西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)を開始する。
- 文庫版では銀鳳商会(騎士団)西方撤収開始後の消息は不明だが、web版では対クシェペルカ王国戦の敗北と、その後のジャロウデク王国国土の領土の六割までを失う失態により、逝去したバルドメロ王の跡を継ぐことなく、諸侯の手により放逐された。
- クリストバル・ハスロ・ジャロウデク
- 声 - 千葉進歩
- ジャロウデク王国第二王子。カタリーナの弟。略称クリス。ロカール諸国連合侵攻戦全期及び、クシェペルカ王国侵攻戦前期の現地指令。
- 旧クシェペルカ王国東方領最東方の町ミリシエ攻略戦時(web版では旧クシェペルカ王国旧王都デルヴァンクール防衛戦時)に、最後方の旗艦飛空船上で幻晶騎士に搭乗しての対イカルガ戦で全く刃が立たず、絶望して幻晶騎士に搭乗したまま地上に飛び降り戦死。
- カタリーナ・カミラ・ジャロウデク
- 声 - 櫻井浩美
- ジャロウデク王国第一王女。クリストバルの姉。web版には登場しない。
- クシェペルカ王国王都デルヴァンクール攻略後のクシェペルカ王国侵攻戦前期の占領地統治最高指揮者。クリス戦死後のクシェペルカ王国侵攻戦後期の現地指令。
- 旧クシェペルカ王国四方楯要塞(シルダ・ネリャック)及び旧王都デルヴァンクール防衛戦敗北時に、デルヴァンクール脱出を図らなかったため、生存はできたがクシェペルカ王国に囚われる。その後の消息は不明。
- ドロテオ・マルドネス
- 声 - 稲田徹
- クリスの参謀。クリスへの忠誠心は極めて篤い。昔は騎士として身を立て、高齢による引退後にクリスの指南役に命ぜられ、クリスが長ずるにつれ腹心の部下へとなってきた。旧騎士時代の部下や義息グスターボを部下に抱える。未だ全ジャロウデク王国で五指に入る実力者とされる。
- クシェペルカ王国征服後は、旧王都デルヴァンクールのラスペード城指揮官となる。ラスペード城内の尖塔に幽閉していたマルティナ、イサドラ、エレオノーラが拉致され、奪還すべく、飛空船で捜索し補足襲撃するも、イカルガの反撃に敗退し、クリスに復命謹慎する。この時オラシオに魔導噴流推進器を独自開発させるヒントとなった、イカルガ飛行の様子を伝えている。
- クリスの敗死後、現地総指揮となったカタリーナへのオラシオの要請により謹慎が解かれ、武装化される飛空船運用戦闘教義を敗残の鋼翼騎士団と共に研究することをカタリーナより命ぜられる。
- クリス戦死への報復を命を賭けて誓い、続いてお蔵入りから新技術の導入により実用状態に入った飛竜戦艦(ヴィーヴィル)の操縦者兼船長となり、各戦地にで惨禍を振り撒きイカルガとの死闘を繰り返す。新コンセプトと新技術が天こ盛りで当時としては複雑極まりなく気難しい巨大ウェポンシステム飛竜戦艦を、その墜落の時まで問題なく操縦指揮運用する能力は、単なる騎操士の範囲に収まらない。
- 四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦で、飛竜戦艦に新装備された竜血炉(ブラッドグレイル)稼動や、通常魔力転換炉への高濃度エーテル供給を、飛行戦闘可能時間の激減を覚悟の上で決行するものの、戦闘開始時に対空衝角艦(ジルバヴェール)に艤装された、内蔵式多連装投鎗器(ベスピアリ)から投ぜられた魔獣油焼夷弾頭魔導飛愴(ミッシレジャベリン)群の斉射で受けたダメージもありイカルガに遂に適わず、最期にイカルガと戦闘を続けつつ、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への特攻を行うも、対空衝角艦からの通常徹甲弾頭魔導飛愴群の斉射受け、最期にキッド操縦のツェンドリンブルによる騎鎗突撃で搭乗する竜騎士像ごと腹部を貫かれ戦死。
- 操縦を失った飛竜戦艦は、イカルガの力を得た対空衝角艦による横押しと、イカルガからの法撃ダメージによる浮力喪失で落下進路がズレ、四方楯要塞に落着要塞諸共粉砕、要塞内部に後詰めとして待機していた翠玉竜騎士団も巻き添えとなる。
- web版では、登場時名誉男爵で鋼翼騎士団の一翼を担っている。ラスペード城陥落時脱出し、銀鳳騎士団と合流したマルティナ、イサドラ、エレオノーラを飛空船で捜索補足し、部隊と共に地上に降下し襲撃するも、銀鳳騎士団の反撃に敗退し、ケルヒルトが指揮する飛空船に回収され、ケルヒルトからフレメヴィーラの介入を知らされ、クリスに復命、クシェペルカ王国南北領征服を命ぜられる。一定の戦果を挙げた後、ジャロウデク混成軍東方領制圧作戦総大将に任ぜられ、妨害を受けつつも前進するも、ジェデオン都市要塞攻略戦で敗退する。クシェペルカ王国北領の侵攻に従事し、デルヴァンクールでクリスに復命中に、クシェペルカ王国軍デルヴァンクール侵攻の報を知る。コデルリエ平原での野戦でストールセイガー他から部下を率いて降下、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への強襲を行うも、直衛の金獅子(ゴルドリーオ)に阻まれる。グスターボに担がれ戦場から脱出し、クリスの敗死を知らされ、復讐を誓う。
- 本国でカルリトスに復命し、オラシオの具申で一度は計画中に頓挫した飛竜戦艦の実用化と侵攻してくる諸外国からの本国防衛を命ぜられ、その任務を達成する。クシェペルカ王国領西部国境付近で、クシェペルカ王国軍+銀鳳騎士団と会戦に入り、イカルガとの空戦で最大化戦闘形態(マキシマイズ:源素供給機による魔力転換炉への高濃度エーテル供給で多量の魔力を生み出すモード。魔力転換炉が早期に劣化する)をも投入するも敗れ、エレオノーラが座するストールセイガーに特攻、最期はキッド操縦のツェンドリンブルによる騎鎗突撃で搭乗する竜騎士像ごと腹部を貫かれ戦死し、飛竜戦艦諸共地上に落下した。
- グスターボ・マルドネス
- 声 - 松風雅也
- ドロテオの義子。略称:グスコ。大西域戦争期のジャロウデク王国騎操士。剣は強いから剣を沢山付けた方が強くなる、との狂信じみた考えの元、幻晶騎士(シルエットナイト)や服装も沢山の剣を装備する奇行を、ただその戦闘力とその実績だけで周囲に認めさせている騎操士。他騎士団では受け入れられなかったのか、登場時はドロテオの部下であった。
- クリス発ドロテオ経由の命令で、蠢動する銀鳳騎士団討伐に参加し、銅牙騎士団からの情報で、他のドロテオの部下と共に飛空船で銀鳳騎士団第二中隊を、飛礫の雨(カタパルト)及び幻晶騎士の空挺展開で襲撃するも、討伐は不首尾でケルヒルトが指揮する飛空船に回収される。ラスペード城内からマルティナ、イサドラ、エレオノーラが拉致され、奪還失敗に終わったドロテオ共々、クリスの指示で謹慎する。
- クリスの敗死後、現地総指揮となったカタリーナにより謹慎が解かれ、ティラントー地上部隊を率いて、ドロテオが初めて実戦操縦指揮する飛竜戦艦(ヴィーヴィル)と共同の城塞都市に参加。以後、翠玉竜騎士団・飛竜戦艦と共同で城塞都市~砦群攻略戦群を転戦、一連の戦闘の最期で銀鳳騎士団と激突、グスコ騎乗のソードマンは、グゥエラリンデと刺し違える結果となるも、生還する。
- 四方楯要塞(シルダ・ネリャック)及びデルヴァンクール防衛戦に備えて、カタリーナより下賜されたアルケローリクスに沢山の剣を取り付け死者の剣(デッドマンズソード)と改装改称する。四方楯要塞防衛戦では、藍鷹騎士団による工作で降りた城門跳橋上で、単機無双防衛しアルディラッドカンバーと激突、代わりに入ったケルヒルト搭乗のヴェイロキノスに後を任せ、周囲の部隊と共にエレオノーラ騎乗のカルトガ・オル・クシェール二世を強襲、最終防衛の金獅子(ゴルドリーオ)を突破に掛かる。ヴェイロキノスを撃破したアルディラッドカンバーが支援に入り、装着した剣を立てる目覚めよ我が剣(ウエイクアップデッドマンズ)モード+源素供給器からの魔力転換炉への高濃度エーテル供給ブーストで突破を図るも、アルディラッドカンバーが身を挺して拘束し、最期は金獅子から不完全出力の獣王轟咆(ブラストハウリング)の直撃を受け擱座するも、ベースたる王族騎アルケローリクスの操縦席防御性能にも救われ生存する。その後捕虜となってから解放されたのか、自力脱出したのかは不明。
- グスターボは、大西域戦争の全期間に渡って前線で戦い生存した名前の知られた唯一の登場人物で、諸外国にリークされた飛空船技術の実用化に諸外国がリソースを振り向けたという奇貨はあるにせよ、ジャロウデク王国防衛戦に転じた大西域戦争の後半戦に於いて鉛骨騎士団内で一部隊を率いて戦い抜き、作者(地の文)を含め誰からも褒められた記述は無いものの、国土の相当量を失いながらも遂にジャロウデク王国を護りきった、救国の英雄である。
- web版では、ラスペード城陥落時脱出し、銀鳳騎士団と合流したマルティナ、イサドラ、エレオノーラを飛空船から義父の指揮の下、義父・部隊と共に地上に降下し襲撃するも、銀鳳騎士団の反撃に敗退し、ケルヒルトが指揮する飛空船に回収された。以後義父に従い転戦する。デルヴァンクール防衛戦のコデルリエ平原会戦でストールセイガー他から強襲降下、エレオノーラが搭乗するカルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)への強襲を行うドロテオの支援の為護衛のグゥエラリンデと戦い、敗北する。カルトガ・オル・クシェール二世直衛の金獅子に敗れた義父を担いで戦場から脱出、本国に帰還する。
- カルリトスの指示により、ズーティルゴを源素供給器を大量に搭載し、剣だらけに改装した死者の剣(デッドマンズソード)を受領、飛竜戦艦を操縦指揮する義父と共に、侵攻してくる諸外国からの本国防衛にあたる。クシェペルカ王国領西部国境付近で、クシェペルカ王国軍+銀鳳騎士団と会戦に入り、グゥエラリンデとアルディラッドカンバーとの戦闘に入り共倒れとなり、義父を失うも本国に生還する。以後も前線に立ち、文庫版と同じく国土を失いながらもジャロウデク王国存続に成功した。
- オラシオ・コジャーソ
- 声 - 中村悠一
- レビテートシップや飛竜戦艦を開発した技術者。中央開発工房の長を務める優男風のメガネを付けた男性で特徴的な喋りをする。彼もまたエルネスティ並みの天才であり、一族の秘術をもって現在の地位を築いているが、飛行する船の開発発展に執念を燃やしておりシルエットナイトでありながら飛行可能なイカルガの事を認めてはいない。
クシェペルカ王国
王族
- アウクスティ・ヴァリオ・クシェペルカ
- 声 - 堀秀行
- クシェペルカ王国国王。
- ジャロウデク王国による王都デルヴァンクール侵攻時に、マルティナ母娘とエレオノーラを逃がすため一人王城に残り、国王騎カルトガ・オル・クシェールを駆ってのクリストバルとの一騎打ちの果てに戦死した。
- フェルナンド・ネバレス・クシェペルカ
- アウクスティ王の弟であり大公。
- Web版と文庫版では立ち位置がガラリと変わっている。Web版では生き残ったクシェペルカ王弟として反ジャロウデクを主導し、女王となったエレオノーラを補佐した。文庫版では王都陥落後すぐに東都を攻められ戦死した。
- エレオノーラ・ミランダ・クシェペルカ
- 声 - 田村ゆかり
- アウクスティ国王の一人娘。王位継承権第一位。
- 国王アウクスティに甘やかされて育てられたため心が弱く、国が一度滅んだ際には自失して周囲に対してまともな反応をしなくなり、状況に流されるだけの日々を送っていた。銀鳳騎士団に救助されてからも中々立ち直れずにいたが、アーキッドの騎士の誓いを受けて女王として立つ事を決意し、女王らしさを身に着けていく。
- 自身の騎士となり国が再興するまで支えてくれたアーキッドに対して仄かな想いを抱いている節がある。
- マルティナ・オルト・クシェペルカ
- 声 - 田中敦子
- フェルナンドに嫁いだリオタムスの妹であり、大公妃。。前フレメヴィーラ国王アンブロシウスの娘。エムリスの叔母。
- Web版ではフェルナンド大公が生存しているため出番があまりないが、文庫版では戦死した夫に代わり反ジャロウデクを主導した。
- イサドラ・アダリナ・クシェペルカ
- 声 - 朝井彩加
- マルティナの娘で、勝気な性格の少女。従妹のエレオノーラの数少ない同年代の友人として、彼女から色々な相談を受ける立場にある。
- 女王になったエレオノーラが幻晶騎士を操縦出来ないため、複座仕様で再建された国王騎カルトガ・オル・クシェール二世の騎操士を務める。
登場メカニック
幻晶騎士
フレメヴィーラ王国製
従来型
サロドレア | |
---|---|
所属 | フレメヴィーラ王国 ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | 量産機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 各種魔導兵装 盾 |
搭乗者 | マティアス・エチェバルリア フレメヴィーラ王国軍兵士 ライヒアラ騎操士学園生徒 |
- サロドレア
- カルダトアの一世代前にあたる旧式機。作中より約300年前に設計・開発された歴史ある骨董品。カラーリングは茶褐色に黄色のアクセント(アニメ版)。
- 一部機構が複雑な部分があり、カルダトアに比べて整備性に劣るが、性能自体は大きな差がない。フレメヴィーラの優れた汎用性と操縦性はこの時点で完成されている。
- 現在一般的に稼働している機体はカルダトアから一部機構を流用し、整備性が改善されたアッパーバージョン。ただし、ライヒアラ騎操士学園の訓練機体や商人に払い下げられたものを含め、大体が原形を留めぬほどに改造されている。
アールカンバー EARLECUMBER | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.1m |
重量 | 18.4t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 魔導兵装「雷の杖(アークゥイバス)」 盾 |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ |
- アールカンバー
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はエドガー。長剣と盾、魔導兵装として「雷の杖(アークゥイバス)」を装備する。
- サロドレアがベースで、非常に良好な操作性をそのまま維持している。その代わりに型落ちの凡庸な機体止まりであったが、正規の騎操士にも劣らない際立った技量を持つエドガーが操ることにより学園内では最強の騎士であった。
- カザドシュ事変において、ケルヒルトの操るテレスターレと交戦。機体性能で勝る敵に対し善戦するも、力及ばず大破した。
- カラーリングは白。この白一色という塗装は御前試合で搭乗したテレスターレや後継機であるアルディラッドカンバーにも受け継がれており、これらエドガー機は「純白の騎士」と形容されることが多い。
グゥエール GUYALE | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣×2 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」(アニメ版) |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ エルネスティ・エチェバルリア |
グゥエール改 GUYALE(Repaired)[注釈 1] | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | ライヒアラ騎操士学園 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.4m |
重量 | 18.7t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣×4 補助腕及び背面武装「風の刃(カマサ)」 内蔵武装「ライトニングフレイル」 |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ |
- グゥエール
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はディートリヒ。武装は二振りの長剣だが、アニメ版では魔導兵装も使用している。
- サロドレアをベースに、二刀流で盾を持たない格闘特化型として大幅に改造されている。だが旧式故の出力不足で満足な性能を出せていない。
- 陸皇事変ではエルネスティによって半ば強奪される形で運用。エルの直接制御(フルコントロール)を用いた戦闘行動による過大な負荷で損傷し、最後は機体に残る全ての魔力を攻撃魔法に用いた結果、構造強化魔法を維持できなくなり自壊。魔力演算機と魔力転換炉を残してほぼ残骸と化した。
- グゥエール改(グゥエール・テレスターレ)
- あまりの損壊具合に修理を後回しにされていたグゥエールを、カザドシュ事変の直前にテレスターレ仕様で再建した機体。出力不足が改善され、背面武装として「風の刃(カマサ)」が追加された。なお主武装の長剣も予備を含めて4本に増加している。
- カザドシュ事変では強奪されたテレスターレと交戦。ディートリヒの腕もあってケルヒルトの部下が操るテレスターレをほとんど一方的に追い詰めた。
- その後は選択装備の試験運用機として「ライトニングフレイル」などを搭載。エルとエドガーの操るテレスターレ、双子のツェンドルグと共に御前試合に参加した。
- アニメ版ではこの際、後にグゥエラリンデにも搭載される簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)を両肩に搭載し、ライトニングフレイルは装備していない(代わりにエドガー機に装備されることになった)。
- 機体名称について、アニメ版では模擬戦前の名乗りの中で「グゥエール改」と発言している。しかし文庫版ではこの発言はなく、再建前から一貫して「グゥエール」と呼称されている[注釈 2]。
- 本項では混乱を避けるため、再建後の姿=グゥエール改であるとする。
- グゥエール、グゥエール改共にカラーリングは赤と金という非常に派手なものとなっている。これは後継機たるグゥエラリンデにも受け継がれ、「紅の騎士」等と形容されることが多い。
トランドオーケス | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | カスタム機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」 |
搭乗者 | ヘルヴィ・オーバーリ |
- トランドオーケス
- ライヒアラ騎操士学園が所有する訓練用の機体。搭乗者はヘルヴィ。アールカンバーやグゥエールと同じくサロドレアの改修機だが、アニメ版における外観はカラーリング以外サロドレアと同一である。
- カラーリングはサロドレアより赤みの増した茶褐色。アクセントの黄色は位置も含めて学園のサロドレアと同じ。
- 陸皇事変で大破しテレスターレ一号機として再建され、引き続きヘルヴィの乗機として各種試験に用いられたが、カザドシュ事変において他のテレスターレと共に銅牙騎士団に強奪される。奪われた機体のうち唯一取り逃がすこととなった一号機は、結果的に後の大西域戦争の引き金の一つとなった。
カルダトア KARRDATOR | |
---|---|
所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 10.0m |
重量 | 18.0t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 槍 魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」 盾 |
搭乗者 | フレメヴィーラ王国軍兵士 |
- カルダトア
- フレメヴィーラ王国の制式量産幻晶騎士。制式量産機として大量に生産・配備されているため、フレメヴィーラの幻晶騎士の代名詞となっている。ヤトゥンネン守護騎士団や朱兎騎士団など、フレメヴィーラ各地で運用されている。
- 主な武装は長剣や槍、盾に加えて魔導兵装「炎の槍(カルバリン)」等。
- 100年ほど前に設計され、サロドレアと比べて結晶筋肉の張り方が変更されたことで出力が向上し、構造の簡略化で整備性も良くなっている。
- 様々な種類の魔獣に柔軟に対応するため、意図的に平均的な性能となるよう調整がなされている。そのため特徴らしい特徴をもたないが、操作性が極めて良好なことが長所といえる。
- テレスターレ強奪事件で所有機を大きく減じたライヒアラ騎操士学園(銀鳳騎士団)に代替の機体として供与され、選択装備の試験や試作機のベースとして様々な実験に用いられた。
- その後、新たな制式量産機としてカルディトーレが開発され、主力機の座を退いていくことになる。
- カラーリングは茶褐色(文庫版)、ダークグリーン(アニメ版)。アニメ版では朱兎騎士団の機体のみ肩部装甲の色が異なり、騎士団名にちなんだ朱色となっている。
- カルディアリア
- カルダトアをベースとした指揮官向け強化機体。
- カルダトアと比べれば強力な機体だが、従来型としても飛び抜けて高性能という訳ではない。カラーリングは紺。
- ソルドウォート
- ヤントゥネン守護騎士団団長、フィリップ・ハルハーゲンの専用機。カラーリングは紺。
- ハイマウォート
- 朱兎騎士団団長モルテンの専用機。カラーリングは紺と朱(肩部・背面装甲)。
- カルディアリアベースの機体で、朱色を配した滑らかで精密な造形の外装を施され、豪華な外套型追加装甲を纏う。従来型としては特筆すべき重装甲と膂力を誇り、力ならばテレスターレにも対抗できる重量級の機体。武器は両手持ちの長柄のハンマーで盾は持たない。
- ラーパラドス
- Web版のみに登場する学園に予備として残されていた実習機。鎧のあちこちにトゲがあるのが特徴。魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の実験に使われた。
- 文庫版ではトイボックスが代わりに登場したためこの機体は存在しない。
- レーデス・オル・ヴィーラ
- フレメヴィーラ王国国王騎として国内最高の幻晶騎士に位置づけられる機体。サロドレアベースで、国王を守るため防御に特化した機体とのこと。
- 作中ではほとんど名前しか出てこず、最新鋭機であるカルディトーレ登場後に全面改修されたかどうかは不明。
銀鳳騎士団系統
テレスターレ TELLESTARLE | |
---|---|
所属 | ライヒアラ騎操士学園 |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 9.8m |
重量 | 18.9t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 斧槍 盾 補助腕及び背面武装「炎の槍(カルバリン)」 |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ ディートリヒ・クーニッツ ヘルヴィ・オーバーリ ケルヒルト・ヒエタカンナス シェニエ バッカス |
- テレスターレ
- エルが中心となって改良を行った新型機のプロトタイプ。素体としては陸皇事変で大破した実習機のサロドレアが使われているが、既存の機体とは基本構造からして異なっているため、パーツの共有率は二割にも満たない。一号機はトランドオーケスがベース。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)の採用で出力が従来機の1.5倍、筋肉の耐久性に至っては10倍に上昇し、背面武装(バックウエポン)と補助腕(サブアーム)の追加により攻撃力が強化されている。その一方で、向上した出力と魔力を食うデバイスが増えたことで連続稼働時間が半分ほどにまで低下。魔力貯蔵に特化した板状結晶筋肉の採用である程度は対応したものの、機体重量増等の問題もあり完全な解決には至っていない。
- 他にも、操作系の調整を後回しにしたため出力に振り回されて安定しない劣悪な操縦性と化しており、大きな課題として残されていた。最新鋭機開発のために国機研に開発が移譲された際に、これ幸いとこの課題は丸投げされた。
- カラーリングはカーキ。アニメ版ではヘルヴィ機(一号機)のみ腰背部の蓄魔力式装甲などが赤く塗られている。
- カルダトアベース・テレスターレ
- 国から新たに給与されたカルダトアをテレスターレ仕様に改修した機体。
- エドガー機とエル機が登場し、カルダトア・ダーシュとの御前試合でディートリヒのグゥエール改、双子のツェンドルグと共に模擬戦に臨んだ。
- エル機、エドガー機共にアニメ版では仕様が一部変更されている。
- エドガー機
- アールカンバーから白一色の塗装と防御重視の装備構成を受け継ぎ、可動式追加装甲(フレキシブルコート)を試験運用するテレスターレ。
- 文庫版では機体名称については言及されておらず、単にテレスターレ(相手方からは「白の騎士」など)と呼ばれていた。
- アニメ版では手持ちの盾を装備しておらず、グゥエール改に代わってライトニングフレイルを装備している。
- エル機
- 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の試験機も兼ねた機体で、肩部と腰部に魔導噴流推進器を内蔵した可動式の装甲を有する。アニメ版では脚部や背部にも推進器が搭載されている。
- この魔導噴流推進器は改良型であり、加速に際して機体が一歩踏み出すごとに小刻みに噴射することで消費魔力の軽減を実現している。可動式であることを活かし、噴射のベクトルを変更することで回避運動や制動にも利用可能だが、制動には長時間推進器を噴かさなければならず、結局のところ消費魔力の大きさは相変わらずである。
- カラーリングは地の金属そのままの鋼色(文庫版)、青(アニメ版)。
- 後述のトイボックスと同一の機体だが、文庫版での登場時点では魔導噴流推進器の実験台となったカルダトアとの関連や機体名称は明かされておらず、「鋼色のテレスターレ」と呼称されていた。
- アニメ版では御前試合の時点ですでにトイボックスと呼ばれている。また、魔導噴流推進器の仕様が大きく変更されている[注釈 3]。
トイボックス TOYBOX | |
---|---|
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 実験機 |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 補助腕 騎車3式装備 |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
- トイボックス
- 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)の実験機。
- 元は魔導噴流推進器の最初期の実験台となったカルダトアである。実験失敗により大破・修復されて以降も実験台として酷使され続け、一度はあまりにもガタが来たために、修理ついでに全面改修されてテレスターレタイプとなった。この状態が御前試合に参加した「鋼色のテレスターレ」である。
- その後も魔導噴流推進器に加えて、エルが思い付きで造った装備品の実験台にされており、それを見た団員達から「エルの玩具箱(トイボックス)」という名を贈られ、正式にエルの所有物として扱われることとなる。
- テレスターレタイプや魔導噴流推進器の燃費問題への対策として「炉(エーテルリアクタ)」を2つに増やす」という無茶な改造を行った結果、2つ目の炉を始めとする後付け部分が機体構造に余計な負荷を与えており、強化魔法に回す魔力が増大してしまっている。それでも魔力供給量は増加したため、燃費問題はある程度の解決を見たが、機体バランスの悪化などを考慮すると全体的な性能はテレスターレを下回っている。
- 立ち位置としてはイカルガが完成するまでの繋ぎの機体であり、戦場に出たのは女王殻獣との戦闘のみである。
イカルガ IKARUGA | |
---|---|
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 11.2m |
重量 | 21.6t |
装甲材質 | キャパシティブレーム |
フレーム | インナースケルトン |
動力源 | 女皇之冠(クイーンズコロネット) 皇之心臓(ベヘモス・ハート) |
推進機関 | 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 銃装剣(ソーデッドカノン) 斧槍(ハルバード) 執月之手(ラーフフィスト) |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
カササギ KASASAGI | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 急造機 |
全高 | 7.5m |
重量 | 13.4t |
装甲材質 | キャパシティブレーム |
フレーム | インナースケルトン |
動力源 | 女皇之冠(クイーンズコロネット) 皇之心臓(ベヘモス・ハート) |
推進機関 | 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ) 魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 連射式魔導兵装(スナイドル) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
搭乗者 | エルネスティ・エチェバルリア |
- イカルガ (斑鳩)
- 銀鳳騎士団団長となったエルネスティの専用機であり同騎士団の旗機。Web版と文庫版では魔力転換炉の仕様が若干異なるため、基本的には文庫版で記載する。
- 前世の記憶を保有する元日本人であるエルが設計したため、背中に四本の腕を持つ日本の鎧武者をかたどった外観をしている。顔には一般的な幻晶騎士と異なり怒りの形相を浮かべた人面をイメージした仮面が取付けられている。カラーリングは青と金。
- 二基の魔力転換炉を搭載できるよう金属内格からエルによって専用設計された完全なオーダーメイド品で、同じものはこの世に二つと存在しない。
- 腹部に主転換炉である旅団級魔獣『女王殻獣』から作られた中型炉『女皇之冠(クイーンズコロネット)』を、背部に戦闘時に使用する師団級魔獣『陸皇亀』から作られた大型炉『皇之心臓(ベヘモス・ハート)』を搭載した複数動力機[注釈 4]。
- 全身の装甲が蓄魔力式装甲であり、全方位に対応した可動式の『魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)』を各部に搭載。通常の双腕に加えて艤装された背中の四本の腕『執月之手(ラーフフィスト)』はワイヤーで射出可能であり、搭載された魔導噴流推進器により周囲を自在に旋回。その鋭い指先は強力な強化魔法により分厚い装甲すら容易に穿ち、敵内部に魔導噴流を解き放ち爆砕する。
- 通常の幻晶騎士の操縦桿だけでは機体各所の特殊な機器の全てを補えないため、前世より馴染み深いキーボードを模した操鍵盤も採用されている。その大出力を生かした異常な機動性と戦闘力を有する反面、機械的な制御が追い付かず操縦には直接制御が必須となっており、エルという生きた制御部が乗ることでしかまともに操れなくなっている[注釈 5]。
- 専用武装である『銃装剣(ソーデッドカノン)』は、銃床を模した持ち手がついた肉厚の大剣のような外見をしている。要は幻晶騎士サイズのガンライクロッドで、剣の内部には紋章術式を刻んだ銀板が内蔵されており、剣としての用法のほか魔導兵装としても使用することができる。持ち手にあるレバーにより機能を切り替える。構造的に脆く格闘武器には向かない魔導兵装機能を剣という形に盛り込むために、強力な強化魔法術式も内蔵されており、格闘・法撃どちらにおいても多くの魔力を消費する極めて燃費の悪い武装になっている。これらの弊害として重量も嵩んでおり、イカルガのような大出力機でなければまともに扱うことすらできない。
- 上記の仕様から「地上最強の戦闘能力を持つ、史上最高の欠陥機」とも呼ばれ、圧倒的な戦闘能力と外見から「鬼神」の異名で呼ばれる。
- Web版巨人戦争編では、大破回収されたシルフィアーネ(二世)から取り出した普及品級魔力転換炉双発仕様とし、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)と補助用の翼状装甲を増設して、魔力転換炉総主力が低下しても飛行能力を維持し続けた仕様で修復、アディの操縦で参戦した。
- カササギ
- ボキューズ大森海で遭遇した穢れの獣(クレトヴァスティア)との戦闘で、胴体部分を残してほぼ全壊したイカルガを、雲からの救出時に墜落して大破したシルフィアーネの残骸や、地元で入手可能な魔獣素材、魔力を通す銀線神経の代わりになる珍しい木材『ホワイトミストー』で急造した特殊機体。材料が足りないために上半身だけしかなく、魔獣素材の外装を纏った骸骨のような異様な見た目になっている。
- 急場でエルが思いついた、大気中に存在する薄いエーテルを一旦魔力転換炉に集めて纏まった魔力とし、更にそれを高濃度のエーテルに再変換して使用する開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)を使い浮遊ができる。一方で燃費がとてつもなく悪いために大出力が必要であり、皇之心臓無しでは稼働できない。
- 機体名はカラス科の留鳥、カササギに因んで命名された。
- マガツイカルガ
- 文庫版に先行するWeb版に登場。銀鳳騎士団が運んできた予備パーツ + シルフィアーネの魔力転換炉で再建されたイカルガとカササギがドッキングし、魔力転換炉の連結と魔力演算機を直結させた形態。
- 4基の転換炉による大出力に支えられて空を自在に舞い、大気系魔法の『嵐の衣』を纏って酸の雲を跳ね返すために穢れの獣をものともしない力を見せた。
ゴルドリーオ GORDESLEO | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.5m |
重量 | 19.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 大剣 魔導兵装「獣王轟咆(ブラストハウリング)」 |
搭乗者 | エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ |
- 金獅子(ゴルドリーオ)
- エルネスティに直接依頼して製作されたエムリス専用機。胸に獅子の貌の意匠を施された金色の鎧を纏う。カルディトーレをベースにしている。
- エムリスの要望で出力に特化した性能となっており、パワー特化型のジャロウデク王国機ティラントーともまともに組み合える程の膂力を誇りつつ機動性も維持している。王族用ということで装甲も厚め。
- 背面武装と両肩に装備された複数の魔導兵装を連動させて放つ「獣王轟咆(ブラストハウリング)」という必殺技が用意されており、多大な魔力消費と引き換えに幻晶騎士の体当たりにも耐える砦の門を一撃で吹き飛ばすほどの威力を発揮する。
- 銀虎(ジルバティーガ)
- 虎の意匠を施された銀色の鎧を纏うアンブロシウス専用機。金獅子と銀虎の違いは外見だけで中身は全くの同一である。
- アンブロシウスはエムリスの様に特段の要望をしたわけではなかったが、先王陛下と殿下に相応しい機体を用意するとのエルの宣言で出来上がった機体は全く同一の代物であった。しかし、そっくりと言われるだけあってアンブロシウスも当然この機体を気に入っている。
人馬幻晶騎士
ツェンドルグ TZENDORG | |
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所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 15.3m |
重量 | 45.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 斧槍 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
乗員人数 | 2人 |
搭乗者 | アデルトルート・オルター アーキッド・オルター |
ツェンドリンブル TZENDRINBLE | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 15.3m |
重量 | 45.5t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 斧槍 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
乗員人数 | 1人 |
搭乗者 | ヘルヴィ・オーバーリ アデルトルート・オルター アーキッド・オルター 銀鳳騎士団員 |
- ツェンドルグ
- 銀鳳騎士団が幻晶騎士の移動能力強化を目的に開発した、人馬騎士とも呼ばれるケンタウロス型の幻晶騎士。
- 並外れて大柄な体躯のために通常機の倍以上の重量をもつ。構造維持のための魔力転換炉2基、魔導演算機(マギウスエンジン)、操縦席といった部品は下半身に移設されている[注釈 6]。さらに動かすためには上半身と下半身をそれぞれ操る騎操士が2名必要であり、史上初となる2人乗りの操縦席が取り付けられた。
- 銀鳳騎士団のお披露目を兼ねた模擬戦では、アーキッドとアデルトルートの双子を騎操士に据えて使用され、戦闘力の高さから歩兵との比較に倣い戦力比を3対1とされた。模擬戦後はツェンドリンブルの量産が開始されたため登場しなくなる。
- ツェンドリンブル
- ツェンドルグを元に機構の見直しと最適化を行った量産向けの機体。ツェンドルグにて機体操作のための術式が完成したため、ツェンドリンブルでは1人乗りになっている。
- 1人乗りになった反面、操縦の負担は大きくなり、生身で馬に乗る感覚で操縦できる補助機構や一部動作の自動化を取り入れているものの、騎操士の育成が大きな課題として残っている。また、魔力転換炉を2基搭載するがゆえの高コストもあり、製造元の銀鳳騎士団で運用される機体だけで総数の大半を占め、ヘルヴィを中隊長とした第三中隊で運用されている。
- その移動能力に支えられた運搬力や機動力、突撃力は従来の常識を覆すものであり、専用に作られた荷馬車を牽いて人員や幻晶騎士を速やかに遠距離まで移送でき、自身もそのまま騎馬隊の如く戦闘に参加するなど大きな成果を出している。そのため配備計画を見直して量産化が進められている。
- 3式装備『戦馬車(チャリオット)』を用いた時には絶大な戦力を誇り、2体の人馬騎士が牽引しながら騎槍を構えて突撃することで正面の敵を蹴散らし、馬車から飛び出た斬獣剣が周囲の敵を餌食にし、搭乗した幻晶騎士が魔導兵装で攻撃するという3段編成で非常に高い戦闘能力を発揮する。
- オプション装備は運搬用の『荷馬車(キャリッジ)』や3式装備『戦馬車(チャリオット)』。『戦馬車(チャリオット)』は装甲で周囲を固め突撃用の分離可能な斬獣剣と搭載用大型魔導兵装『轟炎の槍(ファルコネット)』を展開した馬車で、移動をツェンドリンブルに任せる事で乗り手の幻晶騎士は魔力供給兼砲手に専念出来る。
- ツェンドリンブル・キール
- アデルトルート専用改修機。
- ツェンドリンブル・アーロ
- アーキッド専用改修機。
飛翔騎士
- シルフィアーネ(一世)
- 飛行型幻晶騎士試作第一号機。一応の開発名はシルフィアーネ一世。Web版では一世の代わりにテイク1となっている。
- カルディトーレをベースに飛翔騎士に必要と思われる機能をすべて盛り込み、それを上から保護のために装甲で包んだ結果、ボールのように肥大した胴体に手足が付いた不格好な機体となった。また、浮くことはできても操縦性や空中での機動に大問題があったため完全な失敗作となった。
- 銀鳳騎士団鍛冶師隊の中では無かったものとして黒歴史扱いされている。
シルフィアーネ SYRPHIRNE | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
全高 | 17.3m |
重量 | 42.6t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 騎槍 小型連装投槍器(アトラルポッド) 魔導短槍(ショートスピア) 牽引索(トーイングアンカー) |
搭乗者 | アデルトルート・オルター |
- シルフィアーネ(二世)
- 空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)の試作二号機で、飛翔騎士の基礎はこの機体でほぼ確立された。Web版では二世の代わりにテイク2となっている。一世が銀鳳騎士団内で黒歴史扱いとなっているため、こちらが元祖扱いされている。同時に母艦となる飛翼母船もエルの手で設計された。
- アディの何気ない言葉から着想を得たエルがツェンドルグの設計を基に生み出した機体で、魔力転換炉を2基搭載するなど共通点が多い。その外観は半人半魚の人魚を連想させる姿をしており、空中での姿勢制御の様子は文字通り空中を泳ぐ人魚と言える。
- 操縦は降下甲冑を着た状態で行われ、操縦席にて甲冑と周囲の機器を接続し、甲冑の腕を操縦桿として、脚を鐙として用いる。これは甲冑射出機構と呼ばれる新機軸の操縦機構であり、空中で何かあった際に脱出する手段が必要になるための措置。
- トゥエディアーネ
- 紫燕騎士団設立と共に増産された制式量産型飛翔騎士。大幅に洗練こそされてはいるが、基本的な構造はシルフィアーネからあまり変化していない。
- ただし、紫燕騎士団に配備されたトゥエディアーネは先行試作型であり、これらの実際の運用データを基に更に洗練された完成型が、国内に配備された制式量産型となっている。
国機研系統
- カルダトア・ダーシュ
- テレスターレの新技術を取り入れ、カルダトアを進化させた国機研の先行試作機。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)の量を減らすことで、出力が従来機の3割増しに抑えられたことと引き換えに、テレスターレの操縦性と燃費の問題の解決を図った機体。
- 当初はこれが制式採用される予定だったが、模擬戦を経て更なる改良点が見出されたために後の制式採用機カルディトーレの基とされた。
カルディトーレ KARRDETOLLE | |
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所属 | フレメヴィーラ王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 10.1m |
重量 | 18.6t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 一般武装各種 補助腕及び選択装備各種 |
搭乗者 | 銀鳳騎士団員 |
アルディラッドカンバー ERLEDYRADCUMBER | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.5m |
重量 | 22.6t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 盾 牽引索(トーイングアンカー) 可動式追加装甲(フレキシブルコート) |
搭乗者 | エドガー・C・ブランシュ |
グゥエラリンデ GUYALERINDE | |
分類 | シルエットナイト |
所属 | 銀鳳騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 10.4m |
重量 | 20.6t |
装甲材質 | アウタースキン |
フレーム | インナースケルトン |
推進機関 | 簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ) |
武装 | 長剣 魔導兵装「風の刃(カマサ)」 内蔵武装「ライトニングフレイル」 |
搭乗者 | ディートリヒ・クーニッツ |
- カルディトーレ
- カルダトアの後継となるフレメヴィーラ王国の最新鋭制式量産幻晶騎士。模擬戦での結果を経て、カルダトア・ダーシュをベースに再開発された。登場後はこの機体をベースに様々なカスタム機が製作された。
- 銀鳳騎士団のテレスターレに使われた各種新技術と、国機研の王国伝統技術による協同製作の集大成として、良好な操縦性と高い攻撃力がバランスよく両立した破格の高性能を有する傑作機となった。模擬戦で披露された選択装備にも対応しており、様々な局面への対応力がかなり高い。
- テレスターレ系統の一番の課題だった稼働時間も、実用化に至った『容量特化型』の結晶筋肉を用いた蓄魔力式装甲の採用で解決されている。
- この機体の登場で国内の対魔獣戦において多くの余力が生まれ、配備計画が見直された事で生じた余剰魔力転換炉はツェンドリンブルの量産に回された。先行量産された機体は銀鳳騎士団に優先配備された。
- Web版巨人戦争編で、少なくとも銀鳳騎士団第二中隊機には、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)が増設され、飛空船からの空中降下能力を獲得した。
- アルディラッドカンバー
- 銀鳳騎士団第一中隊旗機。カルディトーレを基に改修されたアールカンバーの後継機といえるエドガー専用機。アールカンバーに似せた外装になっている。エドガーがベースとなったカルディトーレの性能に満足しているため、機体の作りそのものはほとんど弄られていない。
- アールカンバーのころと同じく剣と盾をメイン装備に、装甲と魔導兵装が一体となった特別仕様の可動式追加装甲(フレキシブルコート)を搭載しており、硬い守りを特徴としながら遠近両方にも対応できるバランスの良い機体となっている。盾は可動式追加装甲(フレキシブルコート)との併用を考慮してアールカンバーの物に比べて小型化されているが、代わりに先端が細く鋭く尖っており、盾としてだけでなく打突攻撃に用いることも考慮された形状となっている。
- グゥエラリンデ
- 銀鳳騎士団第二中隊旗機。Web版ではカラングゥールを基に、文庫版ではカルディトーレを基に改修されたディートリヒ専用機。グゥエールに似せた外装になっている。ベース機のカルディトーレから大きく変化していないアルディラッドカンバーとは違い、ディートリヒの意を受けてかなり改修の手が加えられている。
- アルディラッドカンバーとは対となるような、防御を捨てた攻撃特化として調整されており、中近距離戦を得意レンジとする。
- グゥエールから引き継いだ各種武装に加えて、前進に機能限定された簡易魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)も搭載されて高い機動性と突撃性能を誇る。反面、非常に癖の強い機体となっている。
- Web版巨人戦争編で、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)付き降下用追加装甲(ヘイローコート)が増設され、飛空船からの空中降下能力を獲得した。
- カラングゥール
- カルディアリアの流れを汲む指揮官用の近接格闘向け新型機。Web版にのみ登場するシリーズで、文庫版では量産機はカルディトーレ一本に統合されているため登場しない。
- 法撃戦仕様機(ウィザードスタイル)
- 重装甲大容量による遠距離法撃戦に特化した機種の総称。
ジャロウデク王国製
- ヴェンドバダーラ
- 間者集団である銅牙騎士団の幻晶騎士。潜入工作が目的の特殊機体で、隠密性を重視されている。
- 武装としてショーテル状の曲刀を持つほか、右腕は鋭利なクローとなっており、回転させて相手の装甲を貫く。
ティラントー TYRANTOR | |
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所属 | ジャロウデク王国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 12.0m |
重量 | 30.8t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 重棍(ヘビーメイス) 戦棍(メイス) 長槍(パイク) 背面武装 |
搭乗者 | 黒顎騎士団員 |
- ティラントー
- ジャロウデク軍配備の最新鋭幻晶騎士。強奪したテレスターレ(トランドオーケス)の技術を取り入れている。
- 燃費の悪い網型結晶筋肉の特性を最大限に利用するため、筋肉量を増やし高い出力を持っている。大出力を生かし装甲も並外れて厚くなった半面、機動性や持久力はテレスターレ以上に悪化している。
- これを解決する為、源素供給機により魔力転換炉へ高濃度エーテルを供給し一時的に多量の魔力を生み出す機能が組み込まれているが、過剰供給の負荷で魔力転換炉が劣化するという致命的な問題を抱えている。
アルケローリクス ALKELORIX | |
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所属 | ジャロウデク王国 |
生産形態 | 少数生産機 |
全高 | 10.7m |
重量 | 18.7t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 長剣 背面武装 |
搭乗者 | クリストバル・ハスロ・ジャロウデク |
- アルケローリクス
- ジャロウデク王族のために建造された最高級機。国王機に代わって実質的な旗機の役割を担っている。ティラントー並みの出力と標準機並みの機敏性を持つ。
- ヴォラキーロ
- Web版にのみ登場する標準的な幻晶騎士。
- ソードマン
- グスターボ・マルドネスの専用機。全身に大量の剣をつけた幻晶騎士。Web版ではヴォラキーロをベースに作られていたが、文庫版では特注品だった。
- ヴィッテンドーラ
- 銅牙騎士団に配備されたヴェンドバダーラの後継機。
- 肩に組み込まれた伸縮機構により腕そのものを刺突武器とする「伸縮突腕爪(ショットクロー)」を用いる。
ヴェイロキノス VEYLOCINOS | |
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所属 | 銅牙騎士団 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 11.2m |
重量 | 16.2t |
フレーム | インナースケルトン |
武装 | 刺突剣(エストック) 可動式攻撃腕(スタッバーストリッシャ) |
搭乗者 | ケルヒルト・ヒエタカンナス |
- ヴェイロキノス
- 銅牙騎士団長であるケルヒルト専用機。ヴェンドバダーラを基に強化改修を施された。
- 武装は刺突剣(エストック)のほか、背部に多数の隠し腕「可動式攻撃腕(スタッバーストリッシャ)」を持つ。身軽さを生かした一撃離脱や奇襲戦法を得意とする反面、騎操士に極めて複雑な操縦を要求する機体となった。
- アンキュローサ
- 徴発したレスヴァントを改造した法撃戦仕様幻晶騎士。飛竜戦艦の動力源としても使用されている。
- 死者の剣(デッドマンズソード)
- Web版では試作機ズーティルゴを、文庫版ではアルケローリクスを元にグスターボ用にカスタマイズしたワンオフ機。
- ソードマンと同様に全身へ大量の剣を装備する他、固定機構の向きを変えハリネズミの様に切先を逆立てた攻撃形態「目覚めよ我が剣(ウェイクアップデッドマンズ)」により全身凶器と化す。
- ズーティルゴ
- Web版にのみ登場する、ティラントーを超えるべく設計された試作機。
- 機動性を改善すべく設計されたが構造に無理があり出力が安定せず操縦性が極めて劣悪になった。防御力はティラントーに劣る。魔力の消費が多く燃費が悪く、稼働時間はティラントーの半分程度。
クシェペルカ王国製
レスヴァント | |
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所属 | クシェペルカ王国 |
生産形態 | 量産機 |
フレーム | インナースケルトン |
搭乗者 | クシェペルカ王国軍兵士 |
- レスヴァント
- クシェペルカ王国軍の制式量産型幻晶騎士。評価的には新型のティラントー相手に3対1でようやく戦いになるとされる程度で、クシェペルカ王国が蹂躙された一因ともなった。
- レスヴァント・ヴィード
- レスヴァントに背面武装とウォールローブと呼称される大型の蓄魔力式追加装甲を装着し、従来の倍以上にもなった魔力貯蓄量に任せた、多連装の魔導兵装による遠距離法撃特化型として強化した急造改修機。平時は直立する魔導兵装とウォールローブが相まって塔の様にも見える外観から、塔の騎士と呼ばれた。
- 全身を覆うウォールローブの超重量のために移動能力を大きく損ない、近接戦闘能力はほぼゼロになっているが、向かってくる相手を法撃する遠距離戦闘や拠点防衛用としては大活躍した。ウォールローブは着脱式であり、敵に接近されたら邪魔な重りを捨てて逃げる事くらいは出来るようになっている。
- クシェペルカ王国の窮状を凌ぐためにとりあえずエルに設計された仕様だが、ジャロウデク王国の侵攻を挫く大きな原動力となった。その想定以上の活躍もあり、後に法撃戦仕様が広まる流れを作った。
- カルトガ・オル・クシェール
- クシェペルカ王国国王騎。ジャロウデク王国による王都侵攻時に破壊された。
- カルトガ・オル・クシェール二世(セカンド)
- 再建された国王騎。操縦技術のないエレオノーラのために2人乗りとなっている。
- レーヴァンティア
- エルたちの技術提供により開発されたクシェペルカ王国の新型量産機。初期型は急造品であったため、ティラントーの残骸から回収した部品まで流用したキメラのような機体が当たり前に存在したが、戦争の合間に問題点の改善など色々と練り上げられ、量産に耐える制式機となった。
- カルディトーレの設計を参考にしているだけあってその性能は高く、最大出力こそパワー型のティラントーには及ばないもののそこまで圧倒的な差はない。そのためティラントーの重装甲を穿つ事も可能になり、こちらにはあって相手には欠けている機動性も相まって互角に戦えるようになった。
- ジャベリニーア
- 一般的な騎操士で一度に誘導できる魔導飛愴(ミッシレジャベリン)が1本限りなので、ツェンドリンブルの地対空兵装である垂直投射式連装投槍器を、単発式にしたものを装備した投槍戦仕様機。
- 選択装備の一環であり、背面武装の代わりにこの装備を付けているレーヴァンティアが区別のためこう呼称される。
孤独なる十一国製
- ナードナック
- 孤独なる十一国の旧来型の制式幻晶騎士。
幻晶甲冑
- モートルビート
- 騎操士の体力と魔力の訓練用に作られた最初期の幻晶甲冑。
- 幻晶騎士を倒せるほどの攻撃力はないものの渡り合えるほどの機動力を持つ。しかし身体強化魔法を常時維持する必要があり、高い魔法演算能力と魔力の両方を必要とするため、一般的な騎士ではとても扱えない事が判明。そのため乗りこなせるのはエル・アディ・キッドの3人に限られ、事実上3人の専用機となった。この反省を活かして、後継機には小型の魔導演算機が搭載される。
- 人間には余る程の大剣を軽々と片手で扱え、エル発案のワイヤーアンカーや携行型の連射式攻城クロスボウも開発されている。これらの装備は後のモートラートにも採用されている。
- エルによる魔力転換炉(エーテルリアクタ)制作にも、モートルビートが使われた。
- モートリフト
- 普及型幻晶甲冑。
- 簡素な構造で細かな動きを不得意とするが、効率的に力を発揮できる設計となっているため重量物の扱いに優れ、作業用として用いられている。モートラートと違って五指ではなく、力作業に向いた頑丈な腕の作りをしている。その便利さから万能型の重機として一般にも普及し始めている。
- 大多数の人間は乗り始めのころすぐに魔力切れを起こすため長時間の作業が出来ないが、しばらく使ううちに魔力が鍛えられて普通に装着したまま作業出来るようになっていく。銀鳳騎士団の鍛冶師達はこのモートリフトを装着したまま鍛冶作業を行うという荒業を開発し、結果として幻晶騎士の整備や製造に大幅な効率アップを齎した。この革新的な鍛冶技術は学生主導で生み出されたものだったため学園の教師陣の頭を抱えさせた。
- モートラート
- 戦闘用幻晶甲冑。
- 戦闘用として可動の自由度が高く設計されており、五指を備えているため細かい作業にも向いている。その分モートリフトにはパワーで劣り、操縦も複雑になっている。
- 幻晶騎士にこそ及ばないが、その戦闘能力は生身の人間にとって脅威でしかない。小型の魔獣程度ならこれだけで容易に相手にでき、奇襲とそこからの集団による袋叩きで単体相手であれば決闘級魔獣すら倒せる。対幻晶騎士へのかく乱戦法、砦などへの突入に使用されるなど、歩兵部隊にとっては大いに戦力アップとなった。
- 騎操士の初期訓練にも使われる。
- シャドウラート
- 藍鷹騎士団正式採用の諜報用幻晶甲冑。
- 銀鳳騎士団との連絡係を務めるノーラ・フリュクバリが、そこでの幻晶甲冑運用を目の当たりにして、小回りに長け大きな力を発揮しながら静粛性にも優れる点が諜報活動に最適であると思い至り発案した代物。
- 静穏性や隠密性に特化しており、潜入工作任務で非常に優秀な成果を上げている。
- 降下甲冑(ディセンドラート)
- 飛翔騎士の操縦桿として用いられる、緊急脱出機構も兼ね備えた専用幻晶甲冑。
- 脱出に必要な魔法を騎操士自身が習得していなくても問題が起こらないように甲冑そのものに色々と仕込まれており、着る紋章術式といった代物に仕上がっている。
- 重機動工房(ドワーヴズフィスト)
- ダーヴィド専用の幻晶甲冑。
- 幻晶騎士の整備に便利なようにと、銀鳳騎士団所有のモートリフトは大なり小なり鍛冶師ごとに勝手にカスタマイズされているが、これはその中でも異例なほど大改造されている。
- モートリフトの腕に加えてモートラートに採用されている五指を備えた精密作業用の腕まで付いており、ほかにも大型クレーンアームや工具ラック・資材収納箱・魔導式トーチを備え、大規模溶鉱炉を必要とする作業以外はこれ一機で対応できるという規格外の代物に仕上がっている。
飛空船
- 飛空船(レビテートシップ)
- オラシオが、その一族の研究成果である純エーテル作用論を元に、ジャロウデク王国の支援を得て開発した源素浮揚器(エーテリックレビテータ)を基礎技術として、世界で初めて開発実用化した空飛ぶ船。
- ジャロウデク王国で建造された典型的な形状は、一般の水上船を上下反対にしたような形状で、水上船なら船底にあたる中央上部に船橋を有し、船首に騎士像(フィギュアヘッド)と呼ばれる上半身のみの幻晶騎士を搭載し、その両手に繋がれた起風装置(ブローエンジン)で起こした風を舷側に張った帆に当て推力とし、その起風装置で起こす風の方向・出力や、帆の操作で推力方向強度を操作し、浮力源の源素浮揚器操作で基準飛行高度を操作する。逆進を除き起風装置単体で推力を得ることはない。
- 後には巡航用の帆と起風装置に加えて戦闘機動用推進器として或いは代えて、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)を装備するものが出て来る。
- 初期には飛礫の雨(カタパルト)のみを固定武装としており(飛竜戦艦(ヴィーヴィル)を除き、船首騎士像が武装している記述は無い)、輸送・空挺専用であった。後に法撃戦仕様幻晶騎士を固定武装として装備することが普通になる。
- 強襲揚陸船(ランディングシップ)
- 幻晶騎士を搭載し拠点制圧を主眼とした飛空船。大西域戦争後各国でも建造されていく。
- ストールセイガー
- Web版にのみ登場するジャロウデク王国軍旗艦。エルによって鹵獲される。武装を追加し、各所への輸送・連絡船として使われ、ロカール諸国連合の西端城砦群上空で、エレオノーラ女王座乗のまま飛竜戦艦から襲撃を受けるも残存する。銀鳳騎士団に関する戦闘終了後、エムリスを含む銀鳳騎士団首脳部を乗せ、先行してフレメヴィーラ王国に帰還した。以後の処遇は不明。
- 飛竜戦艦(ヴィーヴィル)
- ジャロウデク王国で建造された完全戦闘用飛空船。
- 古代の魔獣「竜(ドレイク)」を象り、金属内格と結晶筋肉で柔軟に可動する重装甲の船体に超々大型魔導兵装「火竜撃咆(インシニレイトフレイム)」や多数のアンキュローサ、近接格闘用の大出力アーム「格闘用竜脚(ドラゴニッククロー)」を搭載。城塞都市すら単艦で蹂躙する圧倒的な戦闘能力を保有する。
- 元々は他国への技術流出を想定したオラシオが対飛空船を想定して試作し、推進力不足からお蔵入りとなっていた物であったが、イカルガの目撃情報から魔導噴流推進器を、法撃戦仕様幻晶騎士から複数の魔力転換炉を並列接続する動力方式を得た事で実用化に至った。
- しかし、騎士像を合わせ13機分の魔力転換炉を以ても魔導噴流推進器を常時稼動させるには魔力出力が足りず、戦闘中でも帆を用いる推進方式と切り替え魔力回復を待たなければならない。
- 対空衝角艦(ジルバヴェール)
- 銀鳳騎士団が鹵獲した飛空船に対飛竜戦艦用の大改装を施したもの。併せて船橋から各種船内機器へのリモートコントロールシステムを追加し、船橋での集中管理と省船員化を成し遂げている。戦闘終了後武装を降ろし輸送仕様とし、鹵獲物を満載しフレメヴィーラ王国に帰還した。以後の処遇は不明。船長はダーヴィドが勤めた。
- イズモ
- 銀鳳騎士団開発の飛翼母船(ウィングキャリアー)一番船。ストールセイガーを元にしている。初代船長はダーヴィドが勤めた。
- 輸送飛空船(カーゴシップ)
- 国機研開発の飛空船。物資・人員の輸送が主任務。
用語
国家・組織・地名
- フレメヴィーラ王国
- セッテルンド大陸を中央で東西に別つオービニエ山脈東側の山裾から平野部にかけてを国土とし、同山脈東部で西方諸国(オクシデンツ)に認識される唯一の国家で、世襲王政・世襲貴族制。エルネスティの出身国である、本作初期の舞台で、その後のエルネスティ一党の行動の足場となる国家。
- かつて失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍が、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に建国した。建国より数世紀を経ている。
- ライヒアラ騎操士学園
- フレメヴィーラ王国では最大規模を誇る、騎操士などを養成する学園。初等部(9歳から)・中等部(12歳から)・高等部(15歳から)の3段階からなり、それぞれ3年間の教育を受ける。この作品における高等部は(現実における)大学に相当する機関であり、通常の人間は中等部卒業で社会に出る。
- 騎操士養成以外にも、同国の子供たちへの様々な教育を行っており、騎士学科以外に農業学科や商業学科、服飾学科なども存在する。
- 幻晶騎士の修理・メンテナンスなどの要員養成のための鍛冶学科、金属の精錬などを担当する錬金術師学科といった学科もあり、学園内で一通り幻晶騎士を製造・運用できるだけの設備と人員が揃っている。さらに、主に操縦訓練の目的で(旧型ではあるが)幻晶騎士も保有しているため、エルはまずそれを利用して実際に幻晶騎士の改良を行うことで実績を積んだ。銀鳳騎士団の設立後も、専用の砦が建設されるまでの間は学園の設備を借り受ける形で運営を行っていた。
- 国立機操開発研究工房(シルエットナイトラボラトリ)
- 通称、国機研(ラボ)。幻晶騎士の研究機関で、銀鳳騎士団とは当初ライバル関係にあった。
- 後に銀鳳騎士団が開発したプロトタイプを元に操縦性などをチューニングするという役割分担をするようになる。
- 銀鳳騎士団(ぎんおうきしだん)
- エルの護衛戦力を兼ねた幻晶騎士開発集団。ライヒアラの騎操士学科・鍛冶学科の卒業生がほぼそのまま在籍するほか、まだ在学中の学生も見習い扱いで所属している。
- 設立当初は幻晶騎士二個中隊だったが、ライヒアラからオルヴェシウス砦に拠点を移すと三個中隊に増強される。
- クシェペルカ編では「銀鳳商会」を名乗り、建前上国家に属さない傭兵として活動したこともある。
- 第一中隊
- エドガーが中隊長。守勢に強い。
- 第二中隊
- ディートリヒが中隊長。攻勢に強い。周囲からは戦闘狂の集団と見做されている。
- 第三中隊
- ヘルヴィが中隊長。新型機のテストに関わることが多く、新し物好き。
- 藍鷹騎士団(あいおうきしだん)
- 公になっていないフレメヴィーラ国王直属の密偵集団。存在を知るのはごく僅かで全貌を知るのはアンブロシウス及び、王位を継いだ後のリオタムスのみ。但し文庫版ではカザドッシュ事変後藍鷹騎士団の指揮権をアンブロシウス国王がクヌートに委譲している。騎士団員は目立たぬよう凡庸な容姿をしている者が多いが、何故かノーラは美麗な容姿をしている[6]。
- 紫燕騎士団(しえんきしだん)
- 飛翔騎士専門の騎士団。
- 当初は、銀鳳騎士団内に飛翔騎士一個中隊を試験的に増設する話だったが、飛翔騎士専門の騎士団が創設されると噂が大きく広がり、独立した騎士団として創設された。
- これまでの幻晶騎士とは運用形態が全く違う飛翔騎士なら真っ新な新人が覚えたほうが早いだろうという判断で、騎操士は全て各地の学校を卒業したばかりの新人。
- アルヴァンズ
- フレメヴィーラ王国南西部巨樹庭園(ギガントガーデン)外縁と森都(アルフヘイム)間を扼するアルチュセール山峡関要塞を拠点とし、森都を守護する選り抜きの騎士団。
- 森都(アルフヘイム)
- フレメヴィーラ王国南西部オービニエ山地から、巨樹庭園(ギガントガーデン)側に張り出した尾根に囲われた盆地内にあり、人間より遥かに寿命が長い種族「アルヴの民」(web版ではエルフ(の民)と呼ばれる)が、キトリーを大老(エルダー)に戴き、自治する街。中枢機関は森護府(しんごふ)。フレメヴィーラ王国内における唯一の魔力転換炉(エーテルリアクタ)量産地であり、一般には存在すら秘された高度の秘密地域。
- アルチュセール山峡関要塞から先、森都側へは如何なる戦力の持ち込みも『法』(フレメヴィーラ王国とアルヴ間の協定)により禁じられ、『衛遣』(従人=人類との橋渡しのため、人類社会内に派遣されているアルヴ)が認め、同行する者しか入場は認められない。同様な郷は他国にもある。
- 西方諸国(オクシデンツ)
- セッテルンド大陸を中央で東西に別つオービニエ山脈より西方にある国家群の自称。魔獣が大量に棲息するボキュース大森海からは王国とオービニエ山脈を間に挟むため、あまり魔獣の侵攻を受けない。西方諸国内では魔獣はほぼ撲滅されている。
- ジャロウデク王国
- 西方の大国の一つ。西方諸国内でも西方寄りに位置する。世襲王政・貴族制。数々の幻晶騎士や飛空船など、強大な軍事力を保有していた。
- 野心からロカール諸国連合征服に続き、クシェペルカ王国へと侵攻を開始する。クシェペルカ王国征服を失敗し、撤退したことで諸外国から侵略を受け、国土の多くを失いながらも、グスターボ他の防衛戦成功と、諸外国にリークされた飛空船(レビテートシップ)技術の実用化に諸外国がリソースを振り向けたことで、大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)後半戦を凌ぎ切り国家は存続した。
- 銅牙騎士団(どうがきしだん)
- ケルヒルトを団長とする、他国への潜入工作を目的とした間者集団。
- ライヒアラ騎操士学園内に潜入させていた内通者からの知らせで新型幻晶騎士(テレスターレ)の存在を知り、本国へ報告し本国の命令でカザトシュ事変でテレスターレ(トランドオーケス)を奪って逃走、かなりの団員を失いながらも本国への搬入に成功した。web版では、ケルヒルトの過去の失態による左遷でフレメヴィーラに派遣され、新型幻晶騎士の鹵獲の功績で悲願の本国復帰を果たす設定。
- ロカール諸国連合征服戦と続くクシェペルカ王国侵攻及びその後の占領地防衛戦に動員され、ほぼ全団員を喪失し、最期に四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦でケルヒルトが死亡し壊滅(web版ではデルヴァンクール防衛戦)。
- 黒顎騎士団(こくがいきしだん)
- ティラントーが大量に配備された、ジャロウデク王国地上通常戦最強騎士団。
- 大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)冒頭のロカール諸国連合征服、続くクシェペルカ王国侵攻の冒頭で、一番楯要塞(シルダ・ユクシア)前でクシェペルカ王国主兵力を誘引し、鋼翼騎士団による王都デルヴァンクール空挺強襲を成功させた。
- クシェペルカ王国征服後は旧同国領各所に展開し、銀鳳騎士団の攻撃で部分的に損害を受ける。同国東部の西制圧作戦中のジュデオン都市要塞攻略は失敗し後退する。ミシリエ攻略に動員されるが、魔導飛槍による支援攻撃を得たイカルガ単機の襲撃を受けて壊滅した(web版ではクシェペルカ王国全土征服は遂にできず、途中の損害記述はなく、新生クシェペルカ王国の新王都フォンタニエ攻略戦で同様にほぼ壊滅)。
- クシェペルカ王国
- 西方の大国の一つ。世襲王政・世襲貴族制。フレメヴィーラ王国にとっては、オービニエ山脈を挟んだ隣国に当たる。
- リオタムスの妹マルティナがクシェペルカ王国東方の大公フェルナンドの元に嫁いでおり、エムリスが留学していたが、帰国した後、ジャロウデク王国の侵攻を受ける。
- 世界の父(ファダーアバーデン)
- かつて存在した西域統一王政国家。幻晶騎士を以て西域から魔獣をほぼ駆逐し尽くし、失敗に終わったボキュース大森海への森伐遠征軍を派遣し、敗退・撤兵する際にオービニエ山脈東側に後にフレメヴィーラ王国となる占領地や、後の小鬼族(ゴブリン)諸領群の元となる残存部隊を遺した。ジャロウデク王国・クシェペルカ王国・ロカール諸国連合・孤独なる十一国(イレブンフラッグス)は、世界の父が分裂して個々独立した国家群。web版では分裂は1000年近く前としているが、アンブロシウスがフレメヴィーラ王国第10代国王であることと矛盾する可能性がある。文庫版ではフレメヴィーラ王国が建国から数世紀となって矛盾を解消している。
- カルリトスは世界の父復活を大義名分に、西域統一戦争=後世呼称:大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)を開始した。
技術・兵器
- 幻晶騎士(シルエットナイト)
- 異世界で各国が主力戦力として使用している、全高約10メートルほどの巨大ロボット。
- 心臓部である魔力転換炉(エーテルリアクタ)から生み出される魔力(マナ)を動力とし、操縦に必要な各種魔法を騎操士に代わって実行する魔導演算機(マギウスエンジン)、そして骨格にあたる金属内格(インナースケルトン)、実際に機体を動かす結晶筋肉(クリスタルティシュー)などで構成される。ただとある事情から魔力転換炉の供給量に限りがあり、大量に増産することができない。
- また骨格となるパーツを一体成型する技術がなく、細かいパーツを複数組み合わせた上で強化魔法により骨格を支える構造となっているため、魔力転換炉からの魔力供給が途絶えると途端に自壊する(通常は魔導演算機内に安全装置があるため供給が途絶えることはない)。実際にエルは、対ベヘモス戦のクライマックスで安全装置をバイパスして魔力転換炉の全魔力を攻撃に用い、結果として自機の自壊を招いたことがある。また骨格ではないが、外装や外部装甲の結合部を補強している強化魔法を停止することにより、これらの部位を切り離すことも可能になる。
- 各国にとっての主力戦力でありその優劣が戦争において非常に大きく影響するため、各国はその改良にやっきになっているが、直近の100年ほどは改良も停滞気味であった。
- 元々は人間の骨格を元に生み出されたため二足歩行型で腕が2本のタイプがメインとなっているが、エルはその常識を覆し、多腕型や四足歩行型などの新しい幻晶騎士を次々と開発している。また当初は盗難防止機構がなかったが、作中で新型機のプロトタイプを他国に盗まれるというトラブルが発生したため、エルが銀の短剣を模した鍵(中に紋章を仕込んである)による認証機構を考案、以後の機体では標準として導入されている。
- 飛翔騎士(ウィンジーネ)
- 閉鎖型源素浮揚器(エーテリックレビテータ)による飛行能力を有する幻晶騎士。
- 飛行能力を持っていても、魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)のみや、開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ)等の、他の手段により飛行能力を獲得した幻晶騎士は含まれない。
- 幻晶甲冑(シルエットギア)
- 幻晶騎士の構造をベースにエルが考案した、全高2.5メートルほどのロボット。最大の特徴が「魔力転換炉を持たず、搭乗する人間自身の魔力により動く」こと。事実上はパワードスーツの一種である。
- 当初作られたプロトタイプでは魔導演算機も省略され、搭乗者が自ら魔法を駆使して結晶筋肉などを動かし操作する形だったが、それではエルなどごく一部の人間にしか動かせないことが判明したため、後の量産型では小型・簡略化した魔導演算機を搭載することで、魔力さえあれば誰でも動かせるようになった。魔力転換炉を持たないため大量生産も可能であり、実際フレメヴィーラ王国内では急速に普及し始めており、友好国にも技術供与されている。作中特に記述は無いが、操縦者直接目視を前提とした、眼球水晶・幻像投影機(ホロモニター)の省略(特にモートリフトは文庫版イラストでも明らかに省略されている)も、生産性調達性軽量小形化稼動時間延長に寄与している。
- 当初エルは騎操士の訓練用として考案したものの、実際に使われだすと、生身の人間よりはるかに重い荷物などを運搬できることから鍛治工作荷役機械建設重機等(異世界には存在しないとされているが、web版では城塞建設現場に人力クレーンなどの様々な建築機械が存在する。但し現在の日本法では人力でつり上げる装置をクレーンと呼ばない)の代替品としても使われるようになり、後に鍛治土木作業専用タイプも開発された。戦闘用は全身に装甲を持ち「巨大な全身鎧」風の外見なのに対し、鍛治土木作業用は中に熱がこもらないよう装甲を最低限まで減らし搭乗者が剥き出しになっている点が大きな違い(ただしアニメ版では「作画の負担を減らすため」という理由で、搭乗者はむき出しになっていない[7])。また稼働時には魔力転換炉の吸気音が大きな騒音となる幻晶騎士に対し、騒音発生が少なく静粛性に優れているため、諜報・潜入任務などを担当する騎士団にも重宝された。
- 文庫版では西方歴1280年春の時点で、幻晶甲冑は様々な分野に大きな影響を及ぼし、ライヒアラ騎操士学園を含む国内全土の教育施設に教育内容の刷新を図らせる迄に至っている。
- 騎操士(ナイトランナー)
- 幻晶騎士を操縦する騎士。
- 騎操鍛治師(ナイトスミス)
- 幻晶騎士の作り、整備などをする人(騎操鍛治師という漢字は文庫版から)。
- 幻獣騎士(ミスティックナイト)
- 小鬼族が使う守護騎士。
- 魔導演算機(マギウスエンジン)
- 幻晶騎士の頭脳ともいえる中枢部。魔法術式で、全身を動かすための魔力の制御や魔力転換炉の出力制御を行う。
- 魔力転換炉(エーテルリアクタ)
- 幻晶騎士の心臓部。吸気中に含まれるエーテルから魔力への転換機能をもつ。
- 周囲にエーテルが存在する限り半永久的に魔力を生み出すが、そのままでは大気中に拡散して再びエーテルへと還元されてしまうため、後述する結晶筋肉で一時的に保持される。
- 吸気中のエーテルが濃くなれば炉からの魔力出力は上がるが、炉の寿命は短くなる。一般に超硬度金属の精霊銀(ミスリル)に魔法で塑性加工して超大規模魔法術式「生命の詩(ライフソング)」を高密度に刻印(普通は一部のアルヴにしか不可能)した物と、触媒結晶と血液晶(エリキシル:人工血液)とを組み合わせて生産される。事実上魔力転換炉生産調達数が幻晶騎士(シルエットナイト)生産数を規定する程の、希少で国家統制された戦略物資。後には飛空船の推進器や動力源の一部段階を為すようになるので、更に需要が高まる。
- 竜血炉(ブラッドグレイル)
- 高濃度エーテル対応と称するが、事実上高濃度エーテル専用の超高出力魔力転換炉(エーテルリアクタ)。web版未登場。
- アルヴの関与の度合いは不明ながら、純エーテル作用論に基づきオラシオ一党が試作し、幻晶騎士の半分程の大きさの試作品一基を、城塞都市群攻略戦でイカルガと一戦交えた後の飛竜戦艦(ヴィーヴィル)に艤装し、四方楯要塞防衛戦で実戦に投入され、四方楯要塞に墜落した飛竜戦艦と共に失われた。飛竜戦艦と異なり周辺国にその存在を知られていなかったので技術争奪の対象にならず、陥落前にデルヴァンクールから脱出したオラシオがその技術(者)を抱えて失踪したものと思われ、以後物語中に出ていない。
- 登場当時の技術水準では、飛空船類に装備し大気中のエーテル分圧の低い低空で使用した場合、源素浮揚器(エーテリックレビテータ)が必要とし、源素供給器(エーテルサプライヤー)から供給されるエーテルを鯨飲馬食する為、飛行時間の極端な減少を招く問題があった。
- 結晶筋肉(クリスタルティシュー)
- 幻晶騎士の筋肉パーツ。触媒結晶を錬金術で加工した物。魔力転換炉から生み出された魔力を一時的に保持する性質を持つ。
- 綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)
- エル発案の新型結晶筋肉。
- 繊維状のまま使用していた結晶筋肉を綱状に縒り合わせた結果、従来品と比較して出力は1.5倍、耐久性は10倍という大幅な向上をもたらした。消費魔力は向上した出力相応で、畜魔力能力は質量・体積相応のため、従来の結晶筋肉より魔力切れに陥り易くなった。
- 板状結晶筋肉(クリスタルプレート)
- 綱型結晶筋肉化による魔力切れを避ける為、アディの発案を元に新たに開発された魔力蓄積に特化した板状の結晶筋肉。
- 蓄魔力式装甲(キャパシティブレーム)
- エル発案の板状結晶筋肉を一体化させた装甲。綱型結晶筋肉化による魔力切れを避ける手法の一。
- 金属内格(インナースケルトン)
- 幻晶騎士の骨格。
- 外装(アウタースキン)。
- 幻晶騎士の外装鎧。
- 幻像投影機(ホロモニター)
- 幻晶騎士のコクピット内部モニター。
- 魔導兵装(シルエットアームズ)
- 幻晶騎士の遠距離用武装。
- 銀線神経(シルバーナーヴ)
- 魔法術式伝達素材。
- 背面武装(バックウェポン)
- エル発案の補助腕を使った新型武装及び火器管制(システムファイアコントロール)システム。
- 紋章式認証機構(パターンアイデンティフィケータ)
- エル発案の幻晶騎士盗難防止用短剣型の専用認証システム。全ての幻晶騎士に導入され、騎操士の身分を表す代名詞となる。Web版では幻晶甲冑にも実装されている。
- 可動式追加装甲(フレキシブルコート)
- エル発案の補助腕を応用した幻晶騎士の防御装備。
- ライトニングフレイル
- エル発案の幻晶騎士の直接電撃兵装。
- エーテル
- 大気中の成分の一。上空程分圧が高くなる。固体化した物を源素晶石(エーテライト)と呼び、地中から採掘した源素晶石を地上に放置すると、自然にエーテルを昇華し消滅する。
- 魔導演算機(マギウスエンジン)から、銀線神経(シルバーナーヴ)で結線した源素供給器(エーテルサプライヤー)内の源素晶石からのエーテル昇華量は制御可能。
- 源素浮揚器(エーテリックレビテータ)により集められた高濃度エーテル魂の周囲に形成される浮揚力場(レビテートフィールド)は物体を浮揚させ、外力を加えない限りその浮遊高度はエーテル魂内のエーテル量により決定し、そのエーテルが多い程その高度は上がる。
- 魔力(マナ)
- この世界の生物は全てエーテルを体内に取り込んで魔力(マナ)に精製でき、更に体内にある程度ためることができる。
- 魔法
- 魔力(マナ)を現象へ転換する技術である、具体的には、燃料に例えられる魔力に魔法術式(スクリプト)で内容を決めて、触媒を介して現象として発現させる。
- 魔法術式(スクリプト)
- それぞれ現象ごとに決まった図形で表される。基本的な現象を発現するための基礎式(エレメント)と、それをつなげて使うための制御式に分かれる。
- 魔術演算領域(マギウス・サーキット)
- 魔法術式(スクリプト)を構築し処理する、この世界の意志ある生物なら必ず有する機能であり、脳内仮想器官。
- 触媒結晶
- 魔法生物が魔法を使用する為の触媒が結晶化した物質。人類は触媒結晶を体内に有しないので、素では魔法を使えないが、身近の触媒結晶及びその加工品を通じて魔法を行使することは可能。魔法生物体内の他に、地中からも採掘される。
- 杖
- 人類が魔法を行使する為に一般に携帯する、触媒結晶を先端に取り付けた杖状の物体。
- ウィンチェスターI&II
- エルが魔法を行使する為にハドソンに特注で造らせたレバーアクション銃形の折りたたみ式銃剣付き杖の固有名詞。ウィンチェスターライフルに由来するネーミング。一般名詞としては銃杖(ガンライクロッド)とも称する。
- エルは受領後一緒に造らせた鞘に収め、腰回りに装着しほぼ常時携帯している。
- ヴァーテックス
- キッド用の銃スタイルの杖。
魔獣
総じて何らかの魔法が使える獣のことを指す。討伐するのに必要な戦力で、師団級魔獣(幻晶騎士一個師団=約300騎)、決闘級魔獣(普及型幻晶騎士一騎)等と呼ばれる。
- 陸皇亀(べへモス)
- 巨大な陸ガメのような姿の師団級魔獣。尻尾がハンマー状になっており甲羅にあたる部分には自重を支えるために強化魔法を使う器官が備わってる。口からは強力なブレスを吐く。
- 陸皇事変では、王国守備隊の幻晶騎士を壊したことでエルの怒りを買い、直接体内に魔法を叩き込まれて強化魔法を維持できなくなり、自重で自壊する。この時討伐された個体心臓部の触媒結晶をエルが加工して、イカルガ・カササギ・マガツイカルガ用大型魔力転換炉(エーテルリアクタ)皇之心臓(ベヘモス・ハート)が制作された。
- 殻獣(シェルケース)類
- 自らの肉体でできた殻を有するヤドカリの様な形状をした、6本の歩行脚と2本の鋏脚を有する甲殻=外骨格魔獣。
- 蟻・白蟻等社会性昆虫の様に社会性が高く、女王のみが子を産み、各種機能別の子が共存・協力して女王毎に大規模な群を形成し、時に新女王の誕生成長により、巣分け・群分けをする。大規模な群の脅威は師団級魔獣に匹敵する。
- web版の撃刺巻貝(デッドリーシェルケース)の設定を元に、群の規模を巨大化し、機能別の高度な社会性設定が追加された魔獣。
- 女皇殻獣(クイーンシェルケース)
- 殻獣(シェルケース)類中で出産能力を持つ、或いは長ずれば出産能力を持つ個体で、群を率いる。
- 一般に出産能力を持つ前に、巣分け・群分けで、群の一部を曳いて親の群から分かれていく。長じた女皇殻獣ば殻を持たず、代わりに出産機能を持つ胴体の数倍に達する孵卵殻(インキュベートシェルター)を胴体下に吊すため、とても歩行脚が長く、群中最大の個体となる。孵卵殻は外部からの攻撃などで失われても再生するが、時間は掛かる。出産能力を持つ前に殻を持つか持たないかや、その寸法規模形状は記述がない。ただしアニメ版では、べへモスと同等の大きさとなっている[8]。
- 殻獣の災禍時に討伐された女皇殻獣の心臓部の触媒結晶をエルが加工して、イカルガ・カササギ・マガツイカルガ用中型魔力転換炉(エーテルリアクタ)女皇之冠(クイーンズコロネット)が制作された(web版では登場しない)。
- 撃刺殻獣(デッドリーシェルケース)
- 前方に長い槍のような砲身となる鋏脚とカウンターウエイトとなる細長い殻を後方に延ばした殻獣。
- 肺から鋏脚内へ送り込んだ空気を魔法で爆発膨張させ、鋏脚砲身内に生成した棘弾を敵に射出し直射砲撃する、中距離直射砲撃殻獣。
- 砕甲殻獣(デモリッションシェルケース)
- 兵士殻獣の数倍で、幻晶騎士の全高をも凌駕する程の巨体で、相応に大質量であり、頑強な甲殻に覆われるが、殻は相対的に小さい殻獣。
- 単体の強力な格闘攻撃・防御力を以て敵を打ち破る。
- 兵士殻獣(ソルジャーシェルケース)
- 巨大な鋏脚と殻を有するヤドカリの様な形状をした一般兵級の殻獣。
- 蟻では働き蟻に相当する。損害を意識する必要のない数を頼りに敵を打ち破る。
- 撃刺巻貝(デッドリーシェルケース)
- web版のみに登場する、殻獣類設定の元ネタとなった外骨格決闘級魔獣。
- 数匹単位の小規模な群れで行動し、その“巣:わな”として人間の村などのある程度開けた場所を求める習性があり、別名“村喰らい”とも呼ばれる。
- 人間を含む肉食性。概ね兵士殻獣と同様の形状で、肉体である殻と2本の鋏脚と本数記述無しだが複数の歩行脚を有し、鋏脚と殻に沢山の棘を有する。少なくとも殻の棘は毒針になっており、殻の表面に送り込んだ空気を孔から吐き出す際に、大気操作系の魔法を使用して発生した急激な膨張圧力で、殻表面をびっしりと覆う細かな刺を吹き飛ばし、標的域に大量毒針一斉曲射散布攻撃する。自種の毒針に対する解毒能力がある。
書誌情報
ヒーロー文庫より刊行。
巻数 | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | ナイツ&マジック 1 | 2013年2月28日 | ISBN 978-4-07-288159-0 |
2 | ナイツ&マジック 2 | 2013年6月30日 | ISBN 978-4-07-289667-9 |
3 | ナイツ&マジック 3 | 2013年10月31日 | ISBN 978-4-07-292729-8 |
4 | ナイツ&マジック 4 | 2014年5月31日 | ISBN 978-4-07-296348-7 |
5 | ナイツ&マジック 5 | 2015年4月30日 | ISBN 978-4-07-412412-1 |
6 | ナイツ&マジック 6 | 2016年4月30日 | ISBN 978-4-07-416172-0 |
7 | ナイツ&マジック 7 | 2017年3月25日 | ISBN 978-4-07-424154-5 |
漫画
作画は加藤拓弐。ヤングガンガンコミックスより刊行。
巻数 | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | ナイツ&マジック 1 | 2016年9月24日 | ISBN 978-4-7575-5108-4 |
2 | ナイツ&マジック 2 | 2017年3月23日 | ISBN 978-4-7575-5254-8 |
3 | ナイツ&マジック 3 | 2017年6月24日 | ISBN 978-4-7575-5389-7 |
テレビアニメ
2017年7月よりAT-X・TOKYO MX・BS11ほかにて放送中[9]。ナレーションはセレスティナ・エチェバルリア役の大原さやかが担当する[10]。初回は本編と振り返り特番をセットにした、1時間スペシャルとして放送された。
放送開始前の2017年7月1日には、同じくヒーロー文庫からのアニメ化にして同時期放送開始の『異世界食堂』と合同で第1話の先行上映会がTOHOシネマズ新宿にて開催され、舞台挨拶に本作からはエルネスティ・エチェバルリア役の高橋李依が登壇した[4]。
構成の都合上、削除や省略に遭ったエピソードが多く、キャラクターによっては登場を見送られている。
スタッフ
- 原作 - 天酒之瓢[5]
- 原作イラスト・シルエットナイトデザイン - 黒銀[9]
- 監督 - 山本裕介[5]
- シリーズ構成 - 横手美智子[5]
- 脚本 - 横手美智子、木村暢[9]
- キャラクターデザイン - 桂憲一郎[5]
- 総作画監督 - 桂憲一郎、福永智子、山田裕子[9]、高岡じゅんいち(第6話 - )
- エフェクト作画監督 - 梅田貴嗣[9]
- メカニックデザイン - 天神英貴[9]
- コンセプトデザイン - 宮武一貴、岸田隆宏[9]
- プロップデザイン - 入江篤[9]
- 美術監督 - 益田健太[9]
- 美術設定 - 藤井一志[9]
- 色彩設計 - 藤木由香里[9]
- 2Dデザイン - 荒木宏文[9]
- CGディレクター - 井野元英二[9]
- 撮影監督 - 佐藤洋[9]
- 編集 - 内田恵[9]
- 音響監督 - 明田川仁[9]
- 音楽 - 甲田雅人[5]
- 音楽制作 - ランティス
- 音楽プロデューサー - 木皿陽平
- チーフプロデューサー - 大澤信博、仲吉治人、浅賀孝郎
- プロデューサー - 川上竜太郎、尾崎亮太、鹿志村絵美
- アニメーションプロデューサー - 大友寿也
- プロデュース - ジェンコ
- アニメーション制作 - エイトビット
- 製作 - ナイツ&マジック製作委員会(主婦の友社、バンダイビジュアル、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、ランティス、AT-X、キュー・テック、ジェンコ)
主題歌
- オープニングテーマ「Hello!My World!!」[9]
- 作詞 - 林英樹 / 作曲 - 佐藤純一 / 編曲 - fhána、A-bee / 歌 - fhána
- 第1話ではエンディングテーマ位置で使用。
- オープニングアニメーションは第9話から幻晶騎士を中心に効果音が追加され、第10話から間奏部分に本編のハイライトが挿入されるようになった。
- エンディングテーマ「ユー&アイ」[9]
- 作詞 - 中村彼方 / 作曲・編曲 - 秋浦智裕 (onetrap) / 歌 - 大橋彩香
- 第1話では未使用。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | メカ作監 |
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第1章 | Robots & Fantasy | 横手美智子 | 山本裕介 | 中山敦史 | 桂憲一郎 | - | 重原克也 |
第2章 | Hero & Beast | 笹木信作 | 重原克也 | 谷川政輝、八尋裕子 | 桂憲一郎、福永智子 山田裕子 | - | |
第3章 | Scrap & Build | 山本裕介 | 森義博 | 山内則康、梶浦紳一郎 木下由美子、猿渡聖加 | 桂憲一郎、福永智子 | 重原克也 | |
第4章 | Light & Shadow | 河本昇悟 | 守奏佑 | Won chang hee | 桂憲一郎、山田裕子 | ||
第5章 | Hide & Seek | 笹木信作 | 重原克也 | 酒井秀基、中島美子 小島彰 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子、高岡淳一 | 村松尚雄 安藤義信 |
|
第6章 | Trial & Error | 木村暢 | 河本昇悟 | 中山敦史 | 米澤優、谷川政輝 | 桂憲一郎、福永智子 高岡じゅんいち | 村松尚雄 |
第7章 | New & Old | 小島正士 | 森義博 | 梶浦紳一郎、山内則康 猿渡聖加 | 桂憲一郎、高岡じゅんいち 山田裕子 |
||
第8章 | Secret & Quest | 河本昇悟 | 名和宗則 | 八木澤修平、菊池康仁 入江篤、梅田貴嗣 山本真理子、酒井秀基 佐藤好 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子 |
||
第9章 | Force & Justice | 横手美智子 | 笹木信作 | 藤代和也 | 飯飼一幸、服部憲知 鰐淵和彦、Kim Myung Sim | 桂憲一郎、福永智子 高岡じゅんいち | - |
第10章 | War & Princess | 斎藤哲人 | 重原克也 | 小島彰、小菅和久 柴田篤史、谷川政輝 望月俊平、山中正博 | 桂憲一郎、山田裕子 福永智子、高岡じゅんいち | 安藤義信 重原克也 村松尚雄 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [12] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2017年7月2日 - | 日曜 21:00 - 21:30 | AT-X | 日本全域 | 製作委員会参加 / CS放送 / リピート放送あり |
日曜 22:30 - 23:00 | TOKYO MX | 東京都 | ||
日曜 23:00 - 23:30 | KBS京都 | 京都府 | ||
2017年7月3日 - | 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) | サンテレビ | 兵庫県 | |
2017年7月5日 - | 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) | BS11 | 日本全域 | BS放送 / 『ANIME+』枠 |
配信期間 | 配信時間 | 配信サイト |
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2017年7月3日 - | 月曜 12:00 更新 |
BD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
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1 | 2017年10月27日予定 | 第1話 - 第4話 | BCXA-1292 |
2 | 2017年12月22日予定 | 第5話 - 第8話 | BCXA-1293 |
3 | 2018年2月23日予定 | 第9話 - 第13話 | BCXA-1294 |
商品化
バンダイのロボットフィギュアブランド「ROBOT魂」から、2017年10月に幻晶騎士2体(アールカンバー、グゥエール)が商品化される予定。同年5月の展示会で試作品が披露されている[13]。
また、グッドスマイルカンパニーが、エルネスティをねんどろいど化することを発表している[14]。
脚注
注釈
- ^ グゥエール(修復後)。
- ^ 第2巻巻頭の機体解説欄において「グゥエール」とされているのは再建後の姿である。
- ^ アニメ版では加速の際に断続的に噴射しており、加速時のモーションが「走る」から「飛ぶ」に変更されている。また制動噴射を行っておらず、魔力消費の問題は加速の際の噴射が原因とされている。
- ^ Web版は主動力が皇之心臓で副動力が通常の魔力転換炉の計2基搭載。
- ^ Web版では後に、直接制御が使える直弟子のアディなら、ある程度戦闘も可能である事が示されている。
- ^ アニメ版ではこの設定は無くなったらしく、操縦席は上半身、魔力転換炉は下半身と別々に設置されている。魔導演算機の設置場所は不明
出典
- ^ “主婦の友社「ヒーロー文庫」、累計450万部で売上げ連続20%増”. 新文化. 2016年5月31日閲覧。
- ^ ヤングガンガン 2017年8月3日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ “『ナイツ&マジック』アニメ化のお知らせ”. ヒーロー文庫. 2017年8月12日閲覧。
- ^ a b “夏アニメ『ナイツ&マジック』&『異世界食堂』ヒーロー文庫夏の異世界コラボで、店主役・諏訪部順一さんがコック姿に!?”. アニメイトタイムズ. 2017年7月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “異世界ロボットファンタジー『ナイツ&マジック』が2017年夏にTVアニメ化。制作:エイトビット/キャスト:高橋李依ほか”. moca (2017年3月15日). 2017年3月15日閲覧。
- ^ 文庫版3巻P17の記述による。
- ^ 天酒之瓢 2017年8月6日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ アニメ第8話において、クイーンを発見した際にアディが「あんなのべへモス級じゃない」と叫んでいる。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “TVアニメ『ナイツ&マジック』放送日決定 キービジュアル、放送情報、OP・ED情報など最新情報を公開”. SPICE. イープラス (2017年5月25日). 2017年5月25日閲覧。
- ^ 大原さやか 2017年7月1日のツイート、2017年8月12日閲覧。
- ^ a b “オンエア/ 配信”. ナイツ&マジック│TVアニメ公式サイト. 2017年6月22日閲覧。
- ^ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “『ナイツ&マジック』シルエットナイト立体化、ロボ魂がサンライズ作品以外にも展開開始か”. マイナビニュース. 2017年5月26日閲覧。
- ^ “『Re:CREATORS』メテオラ、『ガヴリールドロップアウト』ガヴリール、『ゼルダの伝説 BOW』リンクなど!ねんどろいどの新作アイテムが展示!【ワンフェス2017夏速報レポート】”. 電撃ホビーウェブ. 2017年7月30日閲覧。
外部リンク
- Knight's & Magic - 小説家になろう
- Knight's & Magic 設定資料兼備忘録 - 小説家になろう
- ナイツ&マジック - COMICAWA
- ナイツ&マジック│TVアニメ公式サイト
- 「ナイツ&マジック」TVアニメ公式 (@naitsuma_anime) - X(旧Twitter)
- 日本のライトノベル
- 2010年の小説
- 小説家になろう
- ヒーロー文庫
- ハイファンタジー小説
- 異世界への転生を題材とした作品
- 転生を題材とした小説
- 巨大ロボットを題材とした小説
- 魔法・呪術を題材とした小説
- 漫画作品 な
- ヤングガンガン
- ハイファンタジー漫画
- 転生を題材とした漫画作品
- 巨大ロボットを題材とした漫画作品
- 魔法・呪術を題材とした漫画作品
- アニメ作品 な
- 2017年のテレビアニメ
- UHFアニメ
- AT-Xのアニメ
- エイトビット
- バンダイビジュアルのアニメ作品
- ショウゲートのアニメ作品
- ランティスのアニメ作品
- メモリーテックのアニメ作品
- ジェンコ
- ライトノベルを原作とするアニメ作品
- ハイファンタジーアニメ
- 転生を題材としたアニメ作品
- 巨大ロボットを題材としたアニメ作品
- 魔法・呪術を題材としたアニメ作品
- 継続中の作品