放送大学学園
放送大学学園(ほうそうだいがくがくえん、英語: The Open University of Japan Foundation)は、放送大学、および、テレビ・ラジオチャンネルの『放送大学』を運営する、放送大学学園法に基づく特別な学校法人として、1981年に設置された[1][2]。千葉県千葉市美浜区若葉2-11の放送大学本部構内にある。文部科学省・総務省[3]が所管する。本項では、法人としての放送大学学園について記す。大学としての放送大学、放送局としての放送大学_(放送局) も参照のこと。
概要
放送大学学園法(平成14年法律第156号)に基づき大学を設置し、当該大学において放送等による授業を行うとともに全国各地の学習者の身近な場所において面接による授業等を行うことを目的としている(放送大学学園法第3条)。法人の名称は法律によって定められており(放送大学学園法第3条・放送大学学園寄付行為第1条)、一般の私立学校と異なり「学校法人」を冠しない(「学校法人放送大学学園」ではない)[4]。
関東広域圏の授業実施予定地域を放送対象地域とする超短波放送(FM放送)とテレビジョン放送の特定地上基幹放送事業者および日本全国を放送対象地域とする超短波放送(衛星ラジオ放送)とテレビジョン放送の衛星基幹放送事業者でもある。
放送大学の定義
放送大学学園が設置する大学を「放送大学」といい(放送大学学園法第2条)、放送大学学園は放送大学に関する業務(大学の設置・運営、教育放送等、附帯業務)を行う(放送大学学園法第4条)。なお、教育研究は放送大学学園が設置する「放送大学」において行われ、放送は放送大学学園が開設している放送局において行われている。
学園を所管する文部科学省も「私立大学」ではなく「国立大学」として扱っていた。2002年に「新放送大学学園法」が公布され、放送大学学園が(国立大学法人や独立行政法人とは異なった)特別な学校法人になったことに伴い、放送大学は私立大学となった。ただし、全国に所在する学習センターの多くが国立大学の敷地内に入居していること、教職員の約9割を文部科学省、総務省、財務省、国立大学からの出向者が占めること、事務職員の採用に「文部科学省文教団体職員採用試験」、「国立大学法人等職員採用試験」を通じて行っていることなど国立大学に準じており、一般的な私立大学とはその性格を異にしている。一方で、教職員が加入する社会保険は私学共済となっている。
放送大学学園法と法人格
旧放送大学学園は、放送大学学園法を根拠法とし政府が全額出資する(資本金1億円)特殊法人であったが、2002年に放送大学学園法が改正され、放送大学学園は放送大学学園法第3条に規定する「特別な学校法人」になった。放送大学学園は、文部科学省並びに総務省の共管である(総務省の前身の一つである、旧郵政省が放送法及び電波法を管轄していた為)。
一般的な学校法人と異なり、放送大学学園に対しては経常費の半額を超える補助金を交付することが可能となっており、国からの期待を背景にして2012年度予算では、国からの財政支出は約80億9800万円(財政支出比率は56%)に上る[5]。同年度の、国立大学法人の財政支出における運営費交付金(国からの財政支出)の割合は、41%程度なので、これを15%も上回ることになる[6]。
沿革
放送大学#沿革、放送大学_(放送局)#沿革 を参照。
組織
- 放送大学学園東京デジタルテレビジョン放送局
- 放送大学学園東京エフエム放送局
- 放送大学学園前橋エフエム(中継)放送局
- 放送大学学園の事務(放送大学の事務並びに放送番組の制作および放送を含む)を行う。
- 総務部
- 総務課 - 総務係、人事係、職員係
- 広報課 - 広報企画グループ、学生募集グループ
- 財務部
- 財務課 - 総務係、予算係、決算・審査係
- 経理課 - 経理係、用度・管理グループ、施設グループ
- 学務部
- 教務課 - 教務係、教育課程編成係、教材係、大学院企画・入試グループ、大学院研究指導グループ
- 連携教育課 - 企画推進係、連携協力係、資格取得係
- 学生課 - 入学受付グループ、履修登録グループ、単位認定試験グループ、通信指導グループ、卒業判定グループ、障がい学生支援グループ
- 学習センター支援室 - 学習センター係、学生支援係、面接授業係
- 教育研究支援部
- 情報推進課 - 情報企画係、基盤システム係、ネットワーク係
- 図書情報課 - 管理係、情報管理係、情報サービス係
- 放送部
- 企画管理課 - 総務係、企画係、業務係、素材管理係
- 技術・運行課 - 管理係、運行係、送信係、スタジオ技術係
- メディア・衛星企画室 - デジタル企画係
- 制作部
- 総合戦略企画室 - 企画係、調整係、評価分析係、研究協力・産学連携係、国際連携係
- 監査室
本部組織
学習センター組織
- 各学習センターには、所長、客員教員、事務職員が配置されている。客員教員は、近隣の大学等から招かれている。また、専任教員、客員教員のほか、近隣の大学等の教員が各学習センターで開講される面接授業(スクーリング)を担当している。
歴代理事長
放送大学の人物一覧#歴代理事長を参照。
施設
本部施設
千葉県および千葉市が事業を進めてきた、幕張新都心開発計画の内、教育文化地区に相当する場所に設置。施設は、本部棟(放送センターおよび事務部門)、研究棟、附属図書館、千葉学習センター、セミナーハウスなどがある。
キャンパス
放送大学には、面接授業、単位認定試験、放送授業の再視聴などを行う学習センターが全国に50か所設置されている。また、学習センターを補完するサテライトスペース(分室)は全国に7か所に設置されている。学生は全国に所在する全ての学習センター、サテライトスペースの利用ができる。( 放送大学#キャンパス を参照)
参考文献
- 加除式 六法全書 -学校基本法関連-, ぎょうせい
- 放送大学 入学案内一式, 2007年度版 春期・秋期入学, 放送大学
- 中央高等教育審議会資料, 文部科学省
注釈
- ^ “放送大学学園法第十五条第一項”. 放送大学学園法. (2002年12月13日) 2015年2月11日閲覧。
- ^ “放送大学学生要覧 2014、1-4頁”. 放送大学学園 2015年2月3日閲覧。
- ^ “放送大学案内 平成27年度 第一学期 学部案内、表表紙”. 放送大学学園. (2014年10月) 2015年2月11日閲覧。
- ^ そもそも学校法人の法人名に「学校法人」を入れなければならないという規定は私立学校法にない。
- ^ “放送大学学園の役職員の報酬・給与等について、9頁”. 放送大学学園 2015年2月4日閲覧。
- ^ “参考1 国公私立大学の財政の状況、33頁”. 文部科学省 2015年2月4日閲覧。