宗教問題
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宗教問題(しゅうきょうもんだい)とは、宗教や信仰に関連する問題のことである[1]。
宗教の社会的影響力は小さくなっていくだろうと1960年代に予測されていたが、その後、実際には予測と逆の現象が起きた[2]。国際化が進む中で、宗教が紛争・政治的対立・社会的不安の原因になるという問題を、複数の国家が抱えることになった[2]。現代社会では、生命倫理・ジェンダー問題・新宗教など、宗教問題は多様化している[2]。
各国・各地域の宗教問題と取り組み
エリザベス1世即位後のイギリスでは、カトリックとプロテスタントを折衷した中道路線の政策がとられたことによって、フランスやドイツのような宗教問題による長期の内乱は経験せずに済んだ[3]。
アメリカ合衆国では、陸軍士官学校の学校内の教会で無宗教の生徒が礼拝を強制される事例や、空軍士官学校で非キリスト教徒の生徒が改宗をすすめられる事例が起きたことを受けて、アメリカ軍とキリスト教の結びつきに対して異議を唱える者が現れた[4][5]。一方、アメリカ合衆国は中国における宗教問題と人権問題の現状を批判しており、この批判によって、中国では外国宗教からの影響に対する警戒感が大きくなっている[6]。
2013年にフランス西部レンヌの研究者や国際人材サービスのランスタッドが発表した調査によれば、職場に「宗教の問題」があると回答した企業の人事担当者は全体の43%に及んだ[7]。具体的には、自身の信仰する宗教を他の同僚に押しつけたり、男性が女性上司の命令に従わなかったりするといった事例が報告されている[7]。
脚注
- ^ 宗教問題とは - 日本語表現辞典 Weblio辞書
- ^ a b c 井上順孝「現代世界の宗教問題」『ポケット図解 宗教社会学がよーくわかる本』秀和システム、2007年、192-210頁。
- ^ 島崎晋「無血革命 君臨すれども統治せず 処女王とイギリス革命」『目からウロコの世界史』PHP文庫、2006年、167-170頁。
- ^ 黒沢潤 (2013年2月24日). “宗教問題に揺れる米軍 キリスト教との“距離”に批判+(1/2ページ)”. MSN産経ニュース. 2014年10月30日閲覧。
- ^ 黒沢潤 (2013年2月24日). “宗教問題に揺れる米軍 キリスト教との“距離”に批判+(2/2ページ)”. MSN産経ニュース. 2014年10月30日閲覧。
- ^ 井上順孝「現代中国の宗教政策」『要点解説 90分でわかる! ビジネスマンのための「世界の宗教」超入門』東洋経済新報社、2013年、73-74頁。
- ^ a b “仏企業で懸念増す「宗教問題」、ルール厳格化には疑問の声も”. ロイター (2013年5月29日). 2014年10月30日閲覧。