バンド理論
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結晶あるいは周期的物質の中の電子の状態を量子力学を用いて記述する理論。その電子状態は離散的な並進対称性に起因する波数という量子数によって指定される。そのエネルギーと波数の関係(分散関係)はエネルギーバンドと呼ばれ、結晶構造に応じた並進対称性によって、エネルギーバンドの間にギャップが生じる。絶縁体と半導体ではエネルギーバンドは価電子帯と伝導帯に分かれ、フェルミ面はギャップの中に存在するが、金属では少なくとも一つのエネルギーバンドがフェルミ面を横切る。逆に、このエネルギーバンドの特徴が物質を金属と絶縁体に分類する方法を与える。
このような金属、絶縁体の分類の描像は20世紀の半ばには確立されていた。しかし単純なバンド理論では説明できない絶縁状態(モット絶縁体)も存在し、強相関電子系と呼ばれる分野で研究されている。