ヤンデレ
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ヤンデレとは、「病み」と「デレ」の合成語であり、広義には、精神的に病んだ状態にありつつ他のキャラクターに愛情を表現する様子をいう。一方、狭義には、好意をもったキャラクター(「デレ」)が次第に精神的に病んだ状態になることをいう[1][2]。ただし、定義は流動的で語の使用者によって意味が異なることも多い[3]。例えば、 『にゅーあきば.こむ』では「心を病んだヒロインへの萌え属性」としており[4]、インプレスが開設しているニュースサイト『ケータイWatch』では「精神的に病んでいるかのようにデレデレしてしまうキャラクターのこと」としている[5]。
概要
厳密な精神医学理論の背景があるわけではなく、主として別段医療知識に基づかないゲームプレイヤーおよびゲーム評論によるヒロイン分析法によって作られたキャラクター類型である。正常な状態からヤンデレ化することを「闇化(病み化)」「黒化」などともいう 。交際相手への愛情表現の異常な度合いがファンの間で好まれる。「病的にデレている」という解釈もある[要出典]。
ヤンデレに伴って見られがちな属性として、恋愛シミュレーションゲームを中心としたヒロインキャラクターのデータベースRagna Archives Networkによる検索では、「ヤンデレ」に関連して内気・一途系・やきもち焼き・不幸少女などが出てくる。
アニメ化などのメディア展開において作品とキャラクターが改変された場合、アニメ製作以前の段階での他作品でヤンデレ的演出が行われたキャラクターと常軌を逸したその行動が、読者・プレイヤーの作品に対する話題の中心位置になるため、改変された該当作品やキャラクターにおける原作の重要なコンセプトやヒロインの性格設定・言動が軽視・無視されることが少なからず見られる。そのため原作ファンから非難されることがある[6][要出典]。
主人公への尋常ではない溺愛っぷり(デレ状態)と精神的に弱い面(病んだ状態)を躁的・鬱的に表現したキャラは昔から多々あり、ヤンデレと言う言葉が知られてから認知されただけである。
また、銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーが、バーミリオン星域会戦の直前の半日休暇の時にフレデリカ・グリーンヒルに結婚を申し込むシーンがあった。ヤンのあまりのデレッぷりにファンが、これが本当の「ヤンデレ(ヤン・ウェンリーがデレデレになった。)」であると評した。
歴史
このキャラクターの類型自体は、目新しいものではなく、ヤンデレという語が注目される以前からそういったキャラは存在した。しかし、ヤンデレという語が知られるようになったのは2002年に発売された同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』、2005年に発売されたアダルトゲーム『School Days』および同年に放送されたアニメ『SHUFFLE!』(原作の展開・設定・コンセプトに反したもの)がきっかけである[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。その後、「ヤンデレ」のキャラクターが登場する漫画やアニメ、ゲームが注目されるようになり、ブームとなった[7]。行動が病んでいても萌え属性として認識されていない場合、実在の人物、ヤンデレと言う言葉が普及する前に発表されたキャラなどはヤンデレとして扱わない場合もある。但し、ヤンデレと言う言葉が普及する前に発表されたキャラは改めて該当キャラに当たることが多い。[要出典]。
さらに、現在に至ってはツンデレと同様に個人レベルでの定義の差異があり、とても細分化しているため方向性に対しての共通認識はあれど、細かい部分での相互了解(制作者側とファン、ファンとファンの間などにおいて)が得られない場合も多々ある[要出典]。
原因と解消
先天的なヒロイン側の性質ばかりでなく、主人公側のヘタレ・ツンデレ・鬼畜・性悪な性質に原因が求められる場合も多い[要出典]。この意味ではヤンデレと交際相手側のヘタレとの関係は密接といえる。
ヒロインが主人公のヘタレ行動等によるストレスによって苦しめられる心因性の場合では、該当ストレッサーがいなくなることでヤンデレ状態は解消するこれは精神医学における来談者中心療法のように、現実においても精神安定剤などの投与以前に悩みの原因を取り除くのが治療の最善策となるケースが見られることと対応する。また、先ず排除すべき外敵が存在する外因性のケースもみられる。
もちろんフィクション作品上では解決に至ることなく、主人公やヒロインが殺される、キャラクターの人格が崩壊するなど、破滅的な結末に終わることも多く見られる。
考察
『School Days』を制作したオーバーフローのメイザーズぬまきちはヤンデレの流行について、「自分に対する一途さや寄せられる好意をより強く求めたい感じたいというあらわれの1つ」であると述べている[8][9]。また、竜騎士07は、プライドの下がりきった男性が、自分無しでは生きていけない「恋愛依存症の女の子」を求めた結果がヤンデレであると述べている[10]。また、キャラクターのビジュアル面での要素が飽和状態になっていることを指摘した上で、「ツンデレ・ヤンデレは外面から内面の時代になったあらわれ」であるとしている[11]。
関連項目
脚注
- ^ 『まじカル! 2008SP』、p.20。
- ^ http://crusherfactory.net/~pmoon/mt/001571.html
- ^ 病み鍋PARTY
- ^ http://www.new-akiba.com/archives/2007/02/post_7725.html
- ^ http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/37583.html
- ^ 『SHUFFLE!』TVA版19~21話など
- ^ 『まじカル! 2008SP』、p.21。
- ^ 『まじカル! 2008SP』、p.35。
- ^ その一方で桂言葉がヤンデレの第一人者となっている事に対し苦言を呈している。
- ^ 『まじカル! 2008SP』、p.37。
- ^ 『まじカル! 2008SP』、p.38。
参考文献、参考資料
- 『ヤンデレ大全』インフォレスト、2007年。 ISBN 9784861902604
- 『現代視覚文化研究 Vol.2』三才ブックス、2008年 付録『まじカル! 2008SP』。 ISBN 9784861991233
- 『ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD』、2008年、EDGE-RECORDSより発売。