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銭形幸一

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銭形警部(ぜにがたけいぶ)は、モンキー・パンチの漫画作品及びそれを原作とするアニメルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。本名は銭形 幸一(ぜにがた こういち)。愛称は原作では「銭さん」アニメでは「とっつあん」。

プロフィール

人物

ルパン三世の逮捕を悲願とする警視庁警部(アニメ版では、TV第2シリーズ以降で国際刑事警察機構にルパン専任捜査官として出向、所属は総務局国際協力部第1課)。警視庁所属だが、警察庁経由で埼玉県警に出向歴あり。カリオストロ公国では埼玉県警の警官隊を引き連れている(出向当時のコネで呼んだか)。野村胡堂の小説『銭形平次捕物控』の主人公銭形平次の第六代目(アニメなどでは第七代目)に設定されている(劇場映画第五作『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』及び劇場映画第六作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』のパンフレットでは、第九代目となっていた)。

年齢はルパンより年上である。また原作漫画においてはルパンとは大学の先輩と後輩という設定の話もある。原作コミックの第1話には名探偵として明智小五郎が登場しており、原作者には、老獪な謎解き担当・明智と若きやり手の行動派・銭形のコンビでルパンと対決させようという意図があったのではないかと言われている(ただし、第2話以降、明智は登場しない。アニメ・シリーズでは、パイロット版のみ登場するが、ルパンの変装)。

有名な「とっつぁん」の愛称は、実は最初に使ったのは次元であり、『TV第1シリーズ』第1話にて早くも登場する。その後、TV第1シリーズ』のオープニング・ナレーションで登場(「オレのもっとも苦手とするとっつぁんだ」)し、『TV第2シリーズ』でスタンダード化する(ただし、『第1シリーズ』では「銭形のダンナ」と呼ばれたこともある)。原作漫画では「銭さん(ゼニさん)」と呼ばれている。

TVスペシャル第一弾『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』では、警察官としての始まりは、埼玉県警西大滝町派出所勤務からとされている(銭形に変装したルパンは、埼玉県警東大滝村駐在所勤務と勘違いしていた)。指名手配犯の峰不二子を追ってやって来たニューヨークで、当時駆け出しだった頃のルパンと出会い、「あんなふざけた奴は許せん」とルパンを追うようになる(TVスペシャル第十四弾『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』)。その後警視庁で度重なるルパン逮捕作戦の失敗の責任により、長野県警信州高畑村駐在所勤務に降格させられた(ただし、本人は「派出所勤務ならまだしも、俺はまだ駐在所に勤務したことなんか一度もない」と語っており、矛盾している)後、ICPOに出向、ルパン三世専従捜査官に任命されたとしている。が、銭形の組織異動については表立って描かれたことはほとんどないため判然としない。給料の額もあやふやで、18万285円(TVスペシャル第三弾『ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え』)だったり33万8363円(TVスペシャル第一弾『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』)だったりと、作品によって違うようである(銭形警部は、一時月給100万円、経費使い放題という羨ましい身分になったことがある)。コードナンバーは22-84471とされる。

通常、キャリアでない限り警視庁と警察庁管轄の各県警をまたいだ人事はあり得ないため、銭形は実はキャリアであるが、ルパン逮捕に命を賭けるあまり昇進を断り続け、現場ポストにしがみついている可能性がある。

ルパン逮捕のことしか頭になく、そのためには法を犯し、卑怯な行動に出ることもしばしばあるが、その腕は確かであり、ルパンも彼のことは恐れている。いつもルパンに逃げられているが、いつの間にか奇妙な友情が互いに出来上がっている。そのためか、2人が手を組んだ時のコンビネーションは抜群で、二人三脚をやれば右に出るものはいない。

あくまでもルパンを逮捕することが目的である為、ルパンの命を狙う第三者や、事件に絡む巨悪の存在を知った場合はルパン一味と共同作戦を展開する場合が多い。ただし、時にはルパン達の世間的評価を下げるために、悪人達と手を組んだりして凶悪犯罪者に陥れたり、無実の罪をわざと着せたりする場合もある。『TV第2シリーズ』では、ルパン逮捕の為とはいえ、民間人に「逮捕するぞ!」「死刑にするぞ!」などと脅して無理矢理捜査に協力させ、挙句の果てには犯罪シンジケートマフィアと手を組んだり、『ルパン三世 PartIII』では、言葉が通じない原住民の漁師に「追え!追え!」と命令するなど、手段を選ばな過ぎる事も度々あり、警察官とはかけ離れた行為もしばしば見られる(最近のTVスペシャルでは、そういった部分は描かれていないが、ハイウェイを逆走するなど、無茶な行為がしばしば見られる)。TV第2シリーズの第6話では、世界規模の危機に陥ってる事を無視して、ルパン逮捕のためにイタリア政府と脅迫者の取引を妨害してしまったり、その次の第7話では、イスラエルの空港にて「貴様、ルパンに逃げられても構わんと言うのか!(飛行機が)無かったら、出せ!」などと、職員に対して横暴な振る舞いをしたことから「日本赤軍」呼ばわりされ、逆に自分が警察に逮捕されてしまった。

銭形の実力

上層部からは、失敗続きのためかあまりいい評価をされていない(ただしTVスペシャル第十弾『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』に登場した警視総監からは、胃痛の種でありながらも結構信頼されているようである)。しかし、それはルパン達の持つ能力が、相対的に見て高過ぎるためであって、銭型が決して無能というわけではない。実際に『TV第1シリーズ』第4話では、ルパンを完璧な罠にかけて逮捕している(ルパン自身も敗北を認めている事をほのめかす台詞がある)。原作に至っては「銭形流逮捕術の第一人者」であり、「拳銃の腕は次元以上かもしれない」といった形の解説をなされていることから、相当に優秀な刑事であることがわかる。その実力を買われ、ルパン逮捕以外にも現金輸送や金塊輸送、国連からの依頼で要人警護の任務に就くこともある。原作コミック版では、交響曲すら作曲、指揮しており(もっとも、実際に作曲してはいない可能性もあるが)、アニメ版でも、『ルパン三世 PartIII』においてカジノ船で開かれたコンサートの指揮者に扮し、同じ場で演奏者に変装していたルパンと次元に銭形と気付かれることなく演奏を終了させているシーンがある。モンキー・パンチ自身、劇場映画第六作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』が公開される前に、インタビューにて「銭形は、本当は天才なんです」と発言している。

格闘術にも長けており、スラム街の集団に襲われた際に返り討ちにしているシーンがある(TVスペシャル第十四弾『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』より。しかし『TV第2シリーズ』第39話では、香港マフィアの舎弟達にやられた挙句、海に投げ捨てられる場面もある)。もし、ルパンファミリーのそれぞれ個々が、まともに勝負すれば、誰も銭形にはかなわないとさえ言われている。原則的に、お互いを殺そうとは思っていないので銭形にとっては意味はない事かもしれないが、『ルパン三世 PartIII』第37話では哀れな少女・アンの仇を討つため、ICPOにルパン射殺許可を申請し、五ェ門を退けルパンと一対一の対決を申し込み生死を決しようとした(五ェ門にすら「あの殺意は本物だ」と言わしめたほどである。もっとも、この対決劇はアンの策略であり、ルパンは銭形に射殺された「フリ」をして事なきを得た)。また、銭形が悪党も含めて人を殺害する情景は皆無である(ただし、『TV第2シリーズ』にて、自分を愛してくれた女性が殺された際、その犯人達が死ぬ事を知っていながら黙認している)。逆に、ルパンを捕まえても逃がしてしまう刑務所の甘い管理もあると思われる。また、彼が依頼人に対して警備を厳重にするよう提案するも、大丈夫だと高をくくられ、最終的にはルパンに盗まれてしまうというパターンも多いことから、ある意味ではルパンの恐ろしさを最もよく知っている人物でもある。

また、射撃に関してもTVスペシャル第十三弾『ルパン三世 アルカトラズコネクション』において、ルパンによってヘリコプターで持ち去られようとする巨大金庫を吊るしていた電磁アンカーケーブルを一撃で切断するなど相当な腕前であることが窺い知れる。TVスペシャル第十七弾においては、ルパンをして「腕は衰えてねえ」といわしめており、本人曰く「警視庁からの叩き上げ」らしい。

ファミコン版のゲーム作品『ルパン三世 パンドラの遺産』ではルパン達が長時間同じステージにいると登場。しかも絶対に倒す事が出来ない無敵の敵キャラである。

TVスペシャル第十六弾『ルパン三世 盗まれたルパン ~コピーキャットは真夏の蝶~』では、真の黒幕、ブライアン・マーフィー等を逮捕した事がある。

名前について

下の名前については、原作では作者自身「平一」とつけたかったはずなのだが、誤植なのか書き間違いなのか、何故か「幸一(原作第8話)」となってしまい、その後使う機会がなかった為、モンキーパンチが下の名を既に付けていたことを忘れ、第64話では「平太郎」と新たに付けてしまった。後のアニメ版では「幸一(『TV第2シリーズ』)」に加え、「平次(劇場映画第一作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』)」まで登場した。しかし、ほぼ同時期に製作・放映されていた『TV第2シリーズ』第98話では「ICPO 銭形幸一警部」とテロップされていた。現在は、公式に「幸一」が正式名称とされ、1998年のTVスペシャル第十弾『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』においては、アパートの郵便受けに「銭形幸一」と書かれていたり、キャッシュカードに「コウイチ ゼニガタ」と名前が記入されていたシーンがあり、また2005年のTVスペシャル第十七弾『ルパン三世 天使の策略 ~夢のカケラは殺しの香り~』では銭形自ら「銭形幸一」という名前を言うシーンが加えられた。そしてPS2専用ソフト「ルパン三世 魔術王の遺産」、2004年にリリースされたパチスロ機『主役は銭形』のPRパンフレットにも幸一と記述してある。また、同作品では原作本来の設定である「次元大介にも匹敵するかそれ以上」の拳銃の腕前も遺憾なく発揮している。 特別報奨金の他には、『TV第2シリーズ』第122話「珍発見ナポレオンの財宝」においてECC勲章と、特別ボーナスとして1ヶ月のバカンスをもらったことがある。

家族

家族については、原作では触れられてはおらず、銭形の母親及び父親について描かれたことはない(ただしルパン三世 PartIIIの第2話で、自身の母親のことに少しだけ触れており、どうやらこの時点では母親は生存していると推測される)。妻と子供については、『TV第2シリーズ』では単身者として演出されており、『ルパン三世 PartIII』でも「温かい家庭も優しい妻も、かわいい子供も、俺には作ることが許されないのだ。妻が欲しい~子供が欲しい~」と号泣しているが、劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』では妻帯者であり、「としこ(表記不明)」という娘がいることになっている。『ルパン三世 風魔一族の陰謀』のOPで妻(純和風の女性)と子供3人(しっかりした感じの小学生くらいの娘、その弟で銭形を子供化したようなわんぱくな少年、更に物心ついたぐらいの幼い男の子)が登場、その中の女の子が「としこ」とされている。この時住んでいた飛騨山寺にこの家族を預けたまま、銭形は現在も活動している事になっており、生活費は彼の給料からの仕送りと、風魔との戦いで知り合った墨縄家(五ェ門の婚約者・紫の実家)にも後見を頼んでいるとも言われている(つまり、五ェ門と銭形は、飛騨に婚約者と家族をそれぞれ残したまま、世界中を飛び回っていることになる)。

ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』では、東京の古アパートに1人暮らし(大家の女性からは「こうちゃん」と呼ばれており、結構古い付き合いだと思われる)だったが、スタッフは単身赴任とも独身とも視聴者個々の解釈に任せたとの事で、現在の結論としては、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と『ルパン三世 風魔一族の陰謀』の家族を銭形の公式の裏設定とするものの、今後はストーリー上でその家族を出す必要性もしくは語る時がこない限りは、表向きは独身のように描くとの事らしい。

また考え方として、TVシリーズや長編(映画やテレビスペシャル)は、描かれた時期がそれぞれ違うために、銭形が結婚しているときの物語と、そうでない物語という考え方もある。『ルパン三世 カリオストロの城』においては、ルパンの年齢がそれなりに高く設定されているなど作品によって、キャラクターの年齢も左右されている。

所持品

バーバリートレンチコートと同色のソフト帽を主に着用。先祖代々伝わる十手を大事な宝物としており、常に所持している。ルパン三世 カリオストロの城では、この十手を使って、城の衛兵達のサーベルと互角に渡りあい、一歩も引かない場面を見せた。得意の手錠術に使用する手錠は現行のアルミ合金製黒手錠ではなく、旧来からのニッケル鍍金の鋼鉄製を使用。

愛用の銃はコルトM1911ガバメント。しかも銭形は、これをツーハンド・ホールドではなく片手で、反動をものともせずに撃つ腕力・握力(特技でもある)を誇る。戦後、GHQが日本の警察官銃器所持を許可した際、アメリカ合衆国が提供したが、当時の平均身長が160cm代だった日本人警察官には扱い兼ねる代物という事で普及しなかったというものであった。当時としてはかなり大柄な銭形だからこそ扱えた代物と言える。愛用しているタバコしんせい又はハイライト。相当のヘビースモーカーである。

配役

関連項目