漆の実のみのる国
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『漆の実のみのる国』(うるしのみのみのるくに)は、藤沢周平による長編小説。
雑誌『文藝春秋』1994年1月号から連載され、1996年4月号を最後に病気療養のため中断。同年7月に病院より一時帰宅した際に執筆された結末部(原稿用紙6枚分)が作者の死後、『文藝春秋』1997年3月号に「最終回」(遺稿)として掲載され、これが絶筆作品となった。1997年5月に単行本が文藝春秋から刊行された。
あらすじ
[編集]江戸時代中期、上杉重定の治世。米沢藩は貧窮し、政治は重定の寵臣森平右衛門の独裁状態にあった。江戸家老竹俣当綱は森を暗殺するが、重定は悪政を続ける。その後、治憲(後の鷹山)が藩主となり、竹俣らを重用した大改革を始め、七家騒動、天明の飢饉などを経ながら藩財政を再建していく。
主な登場人物
[編集]上杉家
[編集]治憲の近臣
[編集]反改革派
[編集]- 藁科立沢:医師、七家騒動の教唆によって打ち首
七重臣
[編集]改革の反対派。七家騒動を引き起こす。
- 色部照長:隠居閉門を命じられる
- 千坂高敦:隠居閉門を命じられる
- 芋川延親:切腹を命じられる
- 須田満主:切腹を命じられる
- 平林正在:隠居閉門を命じられる
- 清野祐秀:隠居閉門を命じられる
- 長尾景明:隠居閉門を命じられる
その他
[編集]- 森平右衛門:重定の寵臣、竹俣らに斬殺される