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漢字直接入力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
漢直から転送)
日本IBMが1972年に開発した漢字鍵盤と同等のキーボード

漢字直接入力(かんじちょくせつにゅうりょく)は、コンピュータでの日本語入力法の分類の一つ。漢直(かんちょく)と略称されることもある。

概要

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かな漢字変換では、人間がキーボードなどから入力した読みをコンピュータが解析して漢字仮名交じり文に変換しているが、漢字直接入力では使う漢字(平仮名、片仮名、記号なども含む)を人間の側で直接指定する。よって、誤変換(人間の意に反した入力)は起こり得ず、習熟者は画面を全く見ずに入力することもできるようになる。その反面、入力者が知らない漢字は入力することができない。

汎用コンピュータと呼ばれた大型コンピュータで日本語を扱えるようになった初期の頃(1970~1980年代前半)は、かな漢字変換機能がなく、また記憶容量も少なかった(超大型機でもメモリ256メガバイト、ディスク数十ギガバイト程度)ため、一つのキーに複数の漢字を割り当てた巨大なキーボードを使って漢字を直接入力したり、各漢字(2バイト文字)に対応するコンピュータ固有の漢字コードやJIS区点コードをテンキーで入力して漢字を呼び出す漢字直接入力の方法が用いられた。

分類

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漢字直接入力は、文字を指定する方法により連想式無連想式に大きく分けられる。いずれの方法でも、同じ打鍵操作に対しては必ず同じ文字が出力されるようになっている。なお、これに対して仮名漢字変換では、出力される文字がそれまでの入力内容に依存するため、同じ操作をしたとしても出力される文字が異なる場合がある。

無連想式

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ストロークから入力される漢字が連想できないもの

  • 2~4打鍵の組合せにより指定するもの(T-codeTUT-code、G-code、超絶技巧入力など)
  • 文字の読みにより指定するもの(および互換FEP)

連想式

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ストロークから入力される漢字が連想できるもの

  • 文字コードに着目して指定するもの(、百相鍵盤『き』、phoenixなど)
    • 漢字コード、あるいは区点コードを直接入力して漢字を呼び出す(各社のかな漢字変換でこの機能も使える。また、Mac OSではUnicode Hex Inputというキーボード配列をインストールすることでUnicodeの16進値から直接入力出来る)
  • 漢字の部首に着目して指定するもの(NIK-Code、にこにこなど)
  • 文字から発生するイメージ、意味、形、読みからの連想によるもの(ラインプットカンテックKISLTWORDなど)

参考文献

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  • 高橋達郎, 森田朗, 広田広三郎: 漢字入出力機器について, 情報管理, Vol.12, No.6 (1969年9月), pp.293-308.
  • 海住嘉彦, 川村正一, 伏田嘉郎: FACOM 6801A漢字入力キーボード, FUJITSU, Vol.21, No.7 (1970年11月), pp.1121-1134.
  • 中村忠之: IBM漢字鍵盤機構付29穿孔機の開発, IBM Review, 第37号 (1972年2月), pp.81-88.
  • 川上晃, 川上義: タッチ打法による漢字入力, 情報処理, Vol.15, No.11 (1974年11月), pp.863-867.
  • 布施茂, 川上晃, 小川注連男, 竜岡博, 澤井廣量, 山田尚勇: 漢字入力法の人間工学的検討, 情報処理, Vol.20, No.3 (1979年3月), pp.225-236.
  • 平賀譲, 小野芳彦, 山田尚勇: タッチタイプによる日本語入力方式, 日本文入力方式研究会資料, 2-3 (1981年12月16日).
  • 渡辺定久: 多段シフト形入力法, 情報処理, Vol.23, No.6 (1982年6月), pp.543-551.
  • 渡辺定久, 大岸洋: 文字盤構成の最適化と文字盤JIS案への適用について, 日本文入力方式研究会資料, 9-4 (1983年3月16日).
  • JIS C 6235-1984 日本語文書処理用文字盤配列, 日本規格協会 (1984年4月1日制定).

関連項目

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