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最高出塁率 (日本プロ野球)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴代出塁率から転送)
最高出塁率
最多獲得の王貞治
リーグ NPB
種目 プロ野球
受賞対象 レギュラーシーズンを通して最も出塁率が高い選手
日本の旗 日本
歴史
初回 1962年
初回受賞 張本勲
最多受賞 12回
王貞治
最新受賞 D.サンタナ
近藤健介
記録 .487
落合博満 (1986年)
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最高出塁率(さいこうしゅつるいりつ)は、日本プロ野球におけるタイトルの一つ。

概要

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レギュラーシーズンを通して最も出塁率が高い選手を、最高出塁率として連盟から表彰される。

パシフィック・リーグでは1962年から最高出塁率が、セントラル・リーグでは1967年から最多出塁数が連盟表彰対象になっていた。ただし、当時の出塁率の計算式は犠飛を分母に入れないものであった。1985年から両リーグとも現行制度の計算式で最高出塁率が表彰されている。

この制度変更では初年度から余波が生じた。巨人の吉村禎章は、残り1試合で出塁率.432であり、同じく残り1試合で.423のランディ・バースに9厘差をつけて1位であった。しかし、最終戦の直接対決では、本塁打記録に迫っていたバースが勝負を避けられ5打席全部出塁して.42807となったのに対し、吉村は仮に3打席凡退で交代なら.42857だったにもかかわらず、フル出場した結果4打席凡退して.42754となり、タイトルを逃した。巨人ベンチは気づいていなかったとされ、前年までの計算方法だと、バースが.430、吉村が.433だった。

なお、野球規則10・22(a)には、必要打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として計算し、なお最高出塁率になった場合には、この打者がリーグの最高出塁率打者となる旨の但書がある。2003年ロベルト・ペタジーニは、規定打席に20打席不足して出塁率.457であり、不足分を加算しても出塁率.436で、規定打席到達者1位(福留孝介の.401)を上回ったが、2007年以前の規定(当時は10.23(a))は首位打者と最高長打率打者にのみ適用されていたため、福留がそのまま最高出塁率となった。

歴代表彰者

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年度 セントラル・リーグ パシフィック・リーグ
選手名 所属球団 出塁数 選手名 所属球団 出塁率
1962 張本勲(1) 東映フライヤーズ .440
1963 J.ブルーム 近鉄バファローズ .396
1964 張本勲(2) 東映フライヤーズ .426
1965 D.スペンサー 阪急ブレーブス .423
1966 榎本喜八 東京オリオンズ .439
1967 王貞治(1) 読売ジャイアンツ 276 張本勲(3) 東映フライヤーズ .439
1968 王貞治(2) 読売ジャイアンツ 275 張本勲(4) 東映フライヤーズ .437
1969 王貞治(3) 読売ジャイアンツ 272 張本勲(5) 東映フライヤーズ .421
1970 王貞治(4) 読売ジャイアンツ 263 張本勲(6) 東映フライヤーズ .467
1971 王貞治(5) 読売ジャイアンツ 246 江藤慎一 ロッテオリオンズ .408
1972 王貞治(6) 読売ジャイアンツ 249 張本勲(7) 東映フライヤーズ .443
1973 王貞治(7) 読売ジャイアンツ 280 張本勲(8) 日拓ホームフライヤーズ .448
1974 王貞治(8) 読売ジャイアンツ 294 張本勲(9) 日本ハムファイターズ .452
1975 王貞治(9) 読売ジャイアンツ 236 小川亨 近鉄バファローズ .394
1976 王貞治(10) 読売ジャイアンツ 257 加藤秀司(1) 阪急ブレーブス .376
1977 王貞治(11) 読売ジャイアンツ 272 加藤秀司(2) 阪急ブレーブス .401
1978 王貞治(12) 読売ジャイアンツ 247 佐々木恭介 近鉄バファローズ .398
1979 山本浩二(1) 広島東洋カープ 220 加藤英司(3) 阪急ブレーブス .437
1980 山本浩二(2) 広島東洋カープ 240 栗橋茂 近鉄バファローズ .412
1981 掛布雅之(1) 阪神タイガース 243 門田博光(1) 南海ホークス .431
1982 田尾安志 中日ドラゴンズ 232 落合博満(1) ロッテオリオンズ .428
掛布雅之(2) 阪神タイガース
1983 山本浩二(3) 広島東洋カープ 234 スティーブ(1) 西武ライオンズ .419
1984 谷沢健一 中日ドラゴンズ 231 スティーブ(2) 西武ライオンズ .443
年度 選手名 所属球団 出塁率 選手名 所属球団 出塁率
1985 R.バース(1) 阪神タイガース .428 落合博満(2) ロッテオリオンズ .481
1986 R.バース(2) 阪神タイガース .481 落合博満(3) ロッテオリオンズ .487
1987 落合博満(4) 中日ドラゴンズ .435 門田博光(2) 南海ホークス .428
1988 落合博満(5) 中日ドラゴンズ .418 門田博光(3) 南海ホークス .429
1989 W.クロマティ 読売ジャイアンツ .449 松永浩美 オリックス・ブレーブス .431
1990 落合博満(6) 中日ドラゴンズ .416 清原和博(1) 西武ライオンズ .454
1991 落合博満(7) 中日ドラゴンズ .473 白井一幸 日本ハムファイターズ .428
1992 T.オマリー(1) 阪神タイガース .460 清原和博(2) 西武ライオンズ .401
1993 T.オマリー(2) 阪神タイガース .427 辻発彦 西武ライオンズ .395
1994 T.オマリー(3) 阪神タイガース .429 イチロー(1) オリックス・ブルーウェーブ .445
1995 T.オマリー(4) ヤクルトスワローズ .429 イチロー(2) オリックス・ブルーウェーブ .432
1996 江藤智 広島東洋カープ .431 イチロー(3) オリックス・ブルーウェーブ .422
1997 R.ローズ 横浜ベイスターズ .444 鈴木健 西武ライオンズ .431
1998 松井秀喜(1) 読売ジャイアンツ .421 片岡篤史 日本ハムファイターズ .435
1999 R.ペタジーニ(1) ヤクルトスワローズ .469 イチロー(4) オリックス・ブルーウェーブ .412
2000 松井秀喜(2) 読売ジャイアンツ .438 イチロー(5) オリックス・ブルーウェーブ .460
2001 R.ペタジーニ(2) ヤクルトスワローズ .466 中村紀洋 大阪近鉄バファローズ .434
2002 松井秀喜(3) 読売ジャイアンツ .461 A.カブレラ(1) 西武ライオンズ .467
2003 福留孝介(1) 中日ドラゴンズ .401 小笠原道大 日本ハムファイターズ .473
2004 G.ラロッカ 広島東洋カープ .425 松中信彦(1) 福岡ダイエーホークス .464
2005 福留孝介(2) 中日ドラゴンズ .430 松中信彦(2) 福岡ソフトバンクホークス .412
2006 福留孝介(3) 中日ドラゴンズ .438 松中信彦(3) 福岡ソフトバンクホークス .453
2007 青木宣親(1) ヤクルトスワローズ .434 T.ローズ オリックス・バファローズ .403
2008 内川聖一 横浜ベイスターズ .416 中島裕之(1) 埼玉西武ライオンズ .410
2009 青木宣親(2) ヤクルトスワローズ .400 中島裕之(2) 埼玉西武ライオンズ .398
2010 和田一浩 中日ドラゴンズ .437 A.カブレラ(2) オリックス・バファローズ .428
2011 鳥谷敬 阪神タイガース .395 糸井嘉男(1) 北海道日本ハムファイターズ .411
2012 阿部慎之助 読売ジャイアンツ .429 糸井嘉男(2) 北海道日本ハムファイターズ .404
2013 W.バレンティン(1) 東京ヤクルトスワローズ .455 E.ヘルマン 埼玉西武ライオンズ .418
2014 W.バレンティン(2) 東京ヤクルトスワローズ .419 糸井嘉男(3) オリックス・バファローズ .424
2015 山田哲人 東京ヤクルトスワローズ .416 柳田悠岐(1) 福岡ソフトバンクホークス .469
2016 坂本勇人 読売ジャイアンツ .433 柳田悠岐(2) 福岡ソフトバンクホークス .446
2017 田中広輔 広島東洋カープ .398 柳田悠岐(3) 福岡ソフトバンクホークス .426
2018 丸佳浩 広島東洋カープ .468 柳田悠岐(4) 福岡ソフトバンクホークス .431
2019 鈴木誠也(1) 広島東洋カープ .453 近藤健介(1) 北海道日本ハムファイターズ .422
2020 村上宗隆(1) 東京ヤクルトスワローズ .427 近藤健介(2) 北海道日本ハムファイターズ .465
2021 鈴木誠也(2) 広島東洋カープ .433 吉田正尚(1) オリックス・バファローズ .429
2022 村上宗隆(2) 東京ヤクルトスワローズ .458 吉田正尚(2) オリックス・バファローズ .457
2023 大山悠輔 阪神タイガース .403 近藤健介(3) 福岡ソフトバンクホークス .431
2024 D.サンタナ 東京ヤクルトスワローズ .399 近藤健介(4) 福岡ソフトバンクホークス .439
  • 太字は各リーグ記録
  • 赤太字はNPB最高

複数回受賞者

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  • 太字は現役

選手 回数 年度
王貞治 12 1967, 1968, 1969, 1970, 1971, 1972, 1973, 1974, 1975, 1976, 1977, 1978
張本勲 9 1962, 1964, 1967, 1968, 1969, 1970, 1972, 1973, 1974
落合博満 7 1982, 1985, 1986, 1987, 1988, 1990, 1991
イチロー 5 1994, 1995, 1996, 1999, 2000
トーマス・オマリー 4 1992, 1993, 1994, 1995
柳田悠岐 4 2015, 2016, 2017, 2018
近藤健介 4 2019, 2020, 2023, 2024

両リーグ受賞者

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  • 落合博満(パ:1982,1985,1986 セ:1987,1988,1990,1991)
    • その他、複数球団で最高出塁率を獲得した者にT.オマリー・A.カブレラ・糸井嘉男・近藤健介など

関連項目

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