YOKOHAMA AIR CABIN
運河上を通過するキャビン(搬器) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 神奈川県横浜市中区 |
種類 | 普通索道 |
起点 |
桜木町駅 (北緯35度27分5.13秒 東経139度37分53.3秒 / 北緯35.4514250度 東経139.631472度) |
終点 |
運河パーク駅 (北緯35度27分11.9秒 東経139度38分18.2秒 / 北緯35.453306度 東経139.638389度) |
駅数 | 2駅 |
開業 | 2021年4月22日[1][2] |
運営者 | 泉陽興業 |
路線諸元 | |
路線距離 | 629 m[1] |
最高速度 | 9.0 km/h |
YOKOHAMA AIR CABIN 路線図 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマエアキャビン)は、神奈川県横浜市中区のみなとみらい地区において泉陽興業が運営する都市索道である[注 1][3]。
概要
[編集]汽車道に沿って桜木町駅 - 運河パーク駅間629メートル[1]を片道約5分で結ぶ[4]。全てのキャビン(搬器、ゴンドラ)には冷房装置が搭載されている[3][4]。支柱は、構造上の安全や周辺の景観に配慮し、幅狭タイプの丸型鋼管4本支柱が採用されている[5][6]。また、キャビン・駅舎・支柱のライトアップ(照明デザイン)は、横浜ベイブリッジや東京タワー、姫路城などのライトアップも手掛けた石井幹子が担当する[7][5][8][6]。
営業時間は10 - 22時(時期により変更あり)、運賃はおとな片道1,000円・往復1,800円(こども〈3歳 - 小学生〉半額、ただし単独乗車不可)である[2][4]。大観覧車「コスモクロック21」とのセット割引券も用意されている[2][9]。
経緯
[編集]2018年5月、同地区でよこはまコスモワールドを運営する泉陽興業による、桜木町駅周辺から新港まで汽車道沿い約600メートルにロープウェイを整備する空中交通構想が浮上した[10][11]。
同地区ではかつて横浜博覧会において運営されていたゴンドラリフト以来の索道であり[12]、常設型として日本初の都市索道(都市型ロープウェイ)である[2][4][注 2]。
さらに2019年2月にはロープウェイ計画の詳細が公表され、それによると桜木町駅前から横浜ワールドポーターズ前(運河パーク)まで汽車道沿い(南側の北仲通北地区寄り)にロープウェイを当初2020年夏に開催予定であった東京オリンピック開幕前の開業を目指し整備するとしていたが[12][17]、資材調達の遅れや支柱の設置場所を見直す必要も生じたことから、工期は半年以上ずれ込み(着工時期も2019年夏から2020年1月にずれ込んだ)[7][18][19]、2021年4月22日に開業した[2][4][20]。
事業費は80億円程度となる見通しで、事業期間は占用・使用許可の更新を前提として30年と定めている[5]。泉陽興業が建設や運営などに係る費用を全額負担するため、横浜市の公費負担はない[7][18](市には道路占用料が入る[8])が、運河パーク駅舎と横浜ワールドポーターズの2階部分(既存デッキ)を接続する歩行者デッキ(連絡通路、約20メートル)については、横浜市が整備を行った[21]。
路線データ
[編集]- 走行方式:単線自動循環式 (MGD, Monocable Gondola Detachable)
- 総延長:629 m[1]
- 定員:8人(1搬器あたり)
- 搬器数:36台
- 乗車時間:約5分
- 高低差:約40 m
歴史
[編集]- 2018年(平成30年)5月 - 横浜市の「まちを楽しむ多彩な交通」事業案において泉陽興業の提案が採用される[10][11]。
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 2020年(令和2年)1月 - 本格着工[19]。
- 2021年(令和3年)4月22日 - 開業[1][2][4]。
- 2022年(令和4年)1月 - 同月末までに利用者が100万人を突破したことが同年3月2日の横浜市会にて明らかとなった[22]。
設計・施工
[編集]ロープウェイ
[編集]- 日本ケーブル - 機械設備、搬器(キャビン)、支柱の設計製作・施工を担当[5][23]。
- CWA Constructions SA/Corp - 搬器(キャビン)製造[6]。
- 東亜建設工業 - 海上基礎工を担当[23]。
駅舎・建物
[編集]ギャラリー
[編集]-
桜木町駅(2021年)
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運河パーク駅(2021年)
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開業前の試験運転(桜木町駅前)
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桜木町駅の乗降場
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キャビン(搬器)
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キャビンの座席
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桜木町駅前の道路頭上を通る
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運河パーク駅舎と横浜ワールドポーターズ(開業前日に撮影)
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運河パーク駅付近(開業前日に撮影)
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横浜ワールドポーターズ2階デッキと接続する運河パーク駅連絡通路
- キャビンからの景色
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栄本町線の頭上を通る
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汽車道沿いを通る
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汽車道(港二号橋梁)とみなとみらいの景色
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みなとみらいの景色、クイーンズスクエア横浜方面を望む
備考
[編集]- 横浜市の「まちを楽しむ多彩な交通」事業案では、横浜ハンマーヘッド(客船ターミナル複合施設)の事業を展開する企業グループの一部構成企業(藤木企業、横浜岡田屋など)が出資したYNPによる別の索道事業提案(構想)も選定されており、同提案では横浜駅東口より横浜市中央卸売市場、みなとみらい地区、大さん橋を経由して山下埠頭まで結ぶルート案が示されている[11][24]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1本の索条で搬器を支えて牽引している方式のため、ゴンドラリフトに分類される。
- ^ 樫山工業は、京王よみうりランド駅からよみうりランドまでアクセスする「スカイシャトル」を都市交通(都市索道)の一つとして紹介している[13]。この他、かつて存在したものとして1912年(明治45年)から1920年(大正9年)まで大阪の初代通天閣と新世界ルナパークを結んでいた「ロープ・ウエィ」[14]や、東京・渋谷において1951年(昭和26年)から1953年(昭和28年)の2年間だけであるが、東横百貨店(のちの東急百貨店東横店東館/7階建て)屋上と玉電ビル(のちの東急百貨店東横店西館/4階建て)屋上の75メートルを結ぶ子ども用ロープウェイ「ひばり号」が設置されていた[15][16]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f 国土交通省鉄道局 監修『鉄道要覧』(令和5年度)電気車研究会、2023年10月1日、376頁。ISBN 978-4-88548-136-9。
- ^ a b c d e f “横浜・みなとみらいにロープウエー開業 空中散歩に多くの客”. 神奈川新聞. (2021年4月22日). オリジナルの2021年4月23日時点におけるアーカイブ。 2021年4月23日閲覧。
- ^ a b “世界最新式都市型循環式ロープウェイ”. 泉陽興業 (2020年11月19日). 2021年1月19日閲覧。
- ^ a b c d e f 『2021(令和3)年、回遊性が向上し都心臨海部がさらに魅力的に!』(PDF)(プレスリリース)横浜市、2021年1月13日。オリジナルの2021年1月22日時点におけるアーカイブ 。2021年2月2日閲覧。
- ^ a b c d モビリティーで「まちを楽しむ」時代へ(日経BP「未来コトハジメ」 2020年6月2日)
- ^ a b c 横浜市都市美対策審議会 景観審査部会 (仮称) 横浜ロープウェイ プロジェクト《YOKOHAMA AIR CABIN》 〜景観形成について〜 (PDF) (横浜市都市美対策審議会/泉陽興業株式会社 2019年2月18日)
- ^ a b c 横浜のロープウエー、照明は石井幹子さん 20年度末開業(神奈川新聞〈カナロコ〉 2019年11月26日)
- ^ a b 2021年3月開業!? みなとみらいのロープウェイ事業の現状は?(はまれぽ.com 2020年3月13日)
- ^ YOKOHAMA AIR CABIN(公式サイト)
- ^ a b 神奈川新聞〈カナロコ〉:桜木町にロープウエー構想 新港地区アクセス向上へ(2018年5月24日付)/ロープウエーや水上交通 横浜観光アクセス向上へ新提案(同月25日付)
- ^ a b c 「まちを楽しむ多彩な交通」 〜提案内容をまとめたリーフレットを作成しました〜:リーフレット「ヨコハマ都心臨海部のまちを楽しむ多彩な交通」 (PDF) (横浜市都市整備局 平成30年(2018年)5月24日、令和元年(2019年)8月更新)
- ^ a b 桜木町のロープウェイ計画が明らかに! 第二のコスモクロックになるか?(はまれぽ.com 2019年2月15日)
- ^ “都市交通・鋼索鉄道”. 樫山工業. 2021年2月2日閲覧。
- ^ 伊東乾 (2021年4月30日). “横浜「ロープウェイ」はコロナ後の夢を描けるか?「ニッポン索道」の長い長い源流探訪”. JBpress. 2021年5月6日閲覧。
- ^ 「ひばり号」誕生の背景に迫る「渋谷上空のロープウェイ」出版(シブヤ経済新聞 2020年6月4日)
- ^ 一体何のために?昭和時代、渋谷駅では空中ケーブルカー「ひばり号」が運行されていた(Japaaan 2018年7月17日)
- ^ 東京五輪前に開業へ 新港地区-桜木町ロープウエー計画(神奈川新聞〈カナロコ〉 2019年2月13日)
- ^ a b ロープウエー、五輪間に合わず 横浜・みなとみらい 工事開始半年遅れ(東京新聞 2019年11月27日)
- ^ a b c 横浜のロープウエー着工へ 市が事業者と協定締結(神奈川新聞〈カナロコ〉 2019年12月6日)
- ^ 横浜 桜木町駅とみなとみらいを結ぶロープウェイが4月22日運行開始[YOKOHAMA AIR CABIN](個人的横浜 2021年1月14日)
- ^ 横浜のロープウエー、新港側駅舎と商業施設結ぶデッキ整備(神奈川新聞〈カナロコ〉 2020年10月2日)
- ^ “横浜中心部のロープウェー、早くも利用者100万人突破…昨年4月に開業”. 読売新聞 (2022年3月3日). 2022年3月3日閲覧。
- ^ a b c d 【横浜市】日本初の常設都市型ロープウェー「YOKOHAMA AIR CABIN」 4月22日運行開始(建設通信新聞Digital〈公式ブログ〉 2021年1月15日)
- ^ 横浜→山下ふ頭に空中交通!? ロープウエー構想浮上(神奈川新聞〈カナロコ〉 2017年12月30日)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- YOKOHAMA AIR CABIN(公式サイト)
- YOKOHAMA AIR CABIN®【公式】 (@yokohamaaircabin) - Instagram
- 世界最新式都市型循環式ロープウェイ - 泉陽興業株式会社
- 【横浜観光】ロープウェイが横浜の新たなアトラクションとして誕生! みなとみらいに誕生した「YOKOHAMA AIR CABIN」 - YouTube(横浜観光情報)