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槇村浩一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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槇村 浩一(まきむら こういち)は、日本の医師・微生物学者[1]帝京大学医真菌研究センター副センター長・教授[1]。医真菌学などについて研究している[2]

経歴

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1990年、東京医科大学卒業。帝京大学大学院医学研究科細菌学、帝京大学医学部附属病院第一内科、米国Tampa Bay Research Instituteウイルス学講座研究員を経て、1994年帝京大学大学院修了。同大学医真菌研究センター講師、2011年同医学部教授を経て、2018年4月より帝京大学大学院医学研究科 医真菌学・宇宙環境医学 教授 、2019年4月より帝京大学医学部 療育環境下AMR真菌症管理研究寄付講座 兼担特任教授、2021年より現職[1]

2009年から2012年にJAXAによる国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」船内微生物研究主任を務めた[3]

研究

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主な研究領域は、医真菌学、宇宙環境医学、労働衛生学博物学

真菌関連健康障害の管理法(系統解析、遺伝子診断、培養法、検出法、抗真菌薬感受性測定法等)をはじめとする病原真菌全般[4][5]を研究課題としており、多くの真菌および関連微生物[6]の新種記載等博物学的研究並びにアウトリーチ[7]も行っている。

アジア、ヨーロッパ、北アメリカなどで多数の感染患者を出したカンジダ・アウリスという病原真菌(酵母)を発見し、命名・記載した[8]。この菌は、真菌症として初めてパンデミックを引きおこした。本菌感染管理のためにカンジダ・アウリスを検出・診断できる遺伝子診断法[9]ならびに培養同定法[10]を開発。2019年1月にはアメリカで実証試験を行った。

国内の各園館で飼育されているコアラのクリプトコックス症(コアラ病)について、検査・診断・治療の実績も知られる[11]

所属

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受賞

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  • 2021年10月:日本医真菌学会賞:「健康を障害する真菌および関連微生物の医学的管理と生物学的・生態学的理解に関する研究」(日本医真菌学会)
  • 2021年8月:第65回日本菌学会大会菌類写真展 第65回大会特別賞:「生チョコレートの花」(日本菌学会
  • 2022年3月:冲永荘一学術文化特別賞 「卓越した医真菌学の業績」(学校法人 帝京大学 )

脚注

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  1. ^ a b c 槇村 浩一 (Koichi MAKIMURA) - マイポータル - researchmap”. researchmap.jp. 2023年1月29日閲覧。
  2. ^ 日経BP
  3. ^ 国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究”. JAXA. 2023年1月29日閲覧。
  4. ^ 『標準微生物学 第14版 第IV編 真菌学 第25章真菌学各論』(株)医学書院 、2021年3月15日、310-337頁。 
  5. ^ 『医真菌100種』株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル、2019年2月27日。 
  6. ^ ヒトに感染する新種の藻を発見”. ナショナル ジオグラフィック. 2023年1月29日閲覧。
  7. ^ 槇村 浩一/Prof. Koichi MAKIMURA, MD, PhD”. Twitter. 2023年1月29日閲覧。
  8. ^ Satoh, Kazuo; Makimura, Koichi; Hasumi, Yayoi; Nishiyama, Yayoi; Uchida, Katsuhisa; Yamaguchi, Hideyo (2009-01). “Candida auris sp. nov., a novel ascomycetous yeast isolated from the external ear canal of an inpatient in a Japanese hospital” (英語). Microbiology and Immunology 53 (1): 41–44. doi:10.1111/j.1348-0421.2008.00083.x. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1348-0421.2008.00083.x. 
  9. ^ Yamamoto, Mikachi; Alshahni, Mohamed Mahdi; Tamura, Takashi; Satoh, Kazuo; Iguchi, Shigekazu; Kikuchi, Ken; Mimaki, Masakazu; Makimura, Koichi (2018-09). Warnock, David W.. ed. “Rapid Detection of Candida auris Based on Loop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP)” (英語). Journal of Clinical Microbiology 56 (9): e00591–18. doi:10.1128/JCM.00591-18. ISSN 0095-1137. PMC 6113467. PMID 29950329. https://journals.asm.org/doi/10.1128/JCM.00591-18. 
  10. ^ Du, Mengqian; Hu, Weimin; Tamura, Takashi; Alshahni, Mohamed Mahdi; Satoh, Kazuo; Yamanishi, Chiaki; Naito, Toshio; Makimura, Koichi (2021-05). “Investigation of the Physiological, Biochemical and Antifungal Susceptibility Properties of Candida auris” (英語). Mycopathologia 186 (2): 189–198. doi:10.1007/s11046-020-00526-w. ISSN 0301-486X. https://link.springer.com/10.1007/s11046-020-00526-w. 
  11. ^ Satoh, Kazuo; Maeda, Mari; Umeda, Yoshiko; Sugamata, Miho; Makimura, Koichi (2013-07). “Cryptococcus lacticolor sp. nov. and Rhodotorula oligophaga sp. nov., novel yeasts isolated from the nasal smear microbiota of Queensland koalas kept in Japanese zoological parks” (英語). Antonie van Leeuwenhoek 104 (1): 83–93. doi:10.1007/s10482-013-9928-y. ISSN 0003-6072. http://link.springer.com/10.1007/s10482-013-9928-y.