コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

東京モノレール700形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京モノレール700形電車
基本情報
製造所 日立製作所
製造年 1982年-1986年
主要諸元
電気方式 第三軌条下面接触式、SCH-50-3型
編成定員 600名
車両定員 127名(座席15名、立席82名)
自重 23.5t/両
全長 15,200 mm
全幅 3,020 mm
全高 4,350 mm
車体 軽合金
台車 鋼板溶接構造
主電動機 日立製作所製 HS-514-Brb型 直流直巻電動機
主電動機出力 65 kW×4台/両[1]
駆動方式 2段減速直角カルダン式
歯車比 8.12
制御装置 MMC、HTB-2S 総括制御、自動加減速多段式
制動装置 HSC-D、電磁直通式電空連動空気ブレーキ式
テンプレートを表示

東京モノレール700形電車(とうきょうモノレール700がたでんしゃ)は、かつて東京モノレールに在籍した跨座式モノレール電車である。

本項では、同形の中間車ユニットである800形電車についても記述する。

概要

[編集]

出典:[2]

700形

[編集]

日立運輸東京モノレール(現・日立物流)から分離され、再び開業当初の「東京モノレール」の社名とされてから初めて登場した車両であり、同社初の冷房[1]。制御方式は抵抗制御であり、また、主電動機・ブレーキ装置を500形600形と共通化したため、両系列との併結が可能だった。

製造年

[編集]

1982年 - 1986年にかけて2両編成5本(事故廃車補充で1両が増備されたため、総数は11両)が製造された。

外観

[編集]

車体は600形の流れを汲み15m級2扉のアルミ合金製(前面の額縁部分はFRP製)となっているが、戸袋窓を廃止し、側窓の下段を固定化した[1]。塗装は600形同様を基調に前面の額縁部分・前面窓下および側窓周り・下部は

車内

[編集]

車内の座席はセミクロスシートであり、信号ATS装置を床下に設置し1人掛座席と切妻部に2人掛座席を新設。また、ロングシートの半分を荷台とし、乗降客の流れを円滑にすることを図った[1]

軽量化対策

[編集]

冷房装置を設置しつつ車体重量を600形と合わせるため、下記のような軽量化対策がなされた。

  • Al一体型材を床材に使用
  • 集電装置を軽量型振りゴムに変更
  • 主電動機を直結型ダクトに変更[1]
  • 制御装置の主抵抗器材質を変更
  • 電動発電機を密閉型から開放型に変更
  • 台車部分に関して、水平輪タイヤ用リムをAl化[1]、走行輪タイヤの補助車輪を一輪化

冷房システム

[編集]

直流直接駆動分散式 DC750V 15kW、2100kcal/h/両。
一般汎用品を利用したシステム構成とし、制御・動作電源は車両の電源とは別系統。
床下にパワーユニット(15kw DCモーター1台/両)、コンデンサー2台/両、ダイナモ1台/両、制御器、冷房用バッテリーを備え、天井部分にはエバポレータユニットによって各車両ごとに独立した2つの冷凍サイクルを確保し、外気を冷却除湿し、ダクトから車内に排気する。
運転室から、各車両ごとのサーモスタットによる自動温度管理操作を可能とした。

800形

[編集]

同社が6両編成化を進めるにあたり、主に700形2両編成2本に増結編成する中間車として新造。
制御方式は700形と同一の抵抗制御だが、補助電源装置は電動発電機 (MG) から静止形インバータ (SIV) に変更[1]、冷房装置も薄型化され車端部に2基設置。 700形同様、500形600形との両系列との併結が可能だった。

製造年

[編集]

1985年 - 1986年に2両ユニット4本が製造された。

外観

[編集]

700形とほぼ同様だが、中間車のため運転台は簡易運転台に変更、塗装を側窓周り・下部を一続きとした。

車内

[編集]

当初、座席は700形同様のセミクロスシートだったが、1993年(平成5年)にロングシート化改造を実施。

東京モノレール700・800形 全編成一覧(1986年)
← 浜松町
羽田 →
← 浜松町
羽田 →
形式 700(奇数車) 700(偶数車) 形式 800(奇数車) 800(偶数車)
種別 貫通型先頭車 貫通型先頭車 種別 運転台付中間車 運転台付中間車
2両ユニット 701 702 中間ユニット 801 802
703 704 803 804
705 706 805 806
707 708 807 808
709 710
代替新製車 712
  • :事故廃車
  • 太字:運転室を撤去した車両

運用

[編集]

700形同士および他系列と併結し500形600形と共通に運用されたが、1985年以降は800形との6両編成で運行。その後1992年からは6両固定編成化も行われ、702・705・708・709・712の運転台を撤去し、これらは800形同様の塗装とされた。
1000形2000形の増備により1998年7月28日の営業運転をもって全車廃車された[3]。700形・800形の廃車により500形以来の15m級2両ユニットのボギー車系列は消滅した。

東京モノレール600・700・800形 編成(1991年)
← 浜松町
羽田 →
1 2 3 4 5 6
600形(奇数車)
700形(奇数車)
600形(偶数車)
700形(偶数車)
800形(奇数車) 800形(偶数車) 600形(奇数車)
700形(奇数車)
600形(偶数車)
700形(偶数車)
編成端ユニット 中間ユニット 編成端ユニット

脚注

[編集]

出典

[編集]

参考文献

[編集]