1972年札幌オリンピックのアイスホッケー競技
1972年札幌オリンピックのアイスホッケー競技(1972ねんさっぽろオリンピックのアイスホッケーきょうぎ)は、1972年2月3日から2月13日までの競技日程で実施されたアイスホッケー競技である。競技は札幌市内の真駒内屋内競技場と月寒体育館の2会場で行われた。なお、これまでオリンピック開催年のアイスホッケー世界選手権はオリンピックも兼ねて行われたが、今回より独立して実施されることになった。
概要
[編集]直近の大会である1971年アイスホッケー世界選手権の上位14カ国(グループAおよびB残留以上の12カ国とグループCからBへ昇格の2カ国)に出場権が与えられたが、このうち財政上の理由で来日しなかった東ドイツ、ルーマニア、フランスを除く11カ国が参加して行われた。競技では、世界選手権1位のソビエト連邦が特別シードで予選ラウンド免除、残る10カ国を世界選手権順位に応じて組み合わせた予選が行われた。予選の勝利チームとソ連が決勝ラウンドへ進み、敗戦チームが7-11位決定戦へ進んだ(西ドイツ以外は世界選手権上位のチームが決勝ラウンドに進んでいる)。7-11位決定戦および決勝ラウンドでは総当りのリーグ戦を行い順位を決定した。カナダはプロ選手が出場できないことに不満を持ち1970年以降国際アイスホッケー連盟の大会に参加しておらず、この大会のアイスホッケー競技もボイコットしている[1]。なおカナダは本大会終了後の同年9月に政府関係者の協力を得てNHL選抜チームとソ連代表チームとの試合を両国で4試合ずつ開催、その前後にスウェーデン、チェコスロバキアでも各国代表チームとの試合を行った。
競技結果
[編集]予選
[編集]2月3日 (16:00 - ) | 真駒内 | チェコスロバキア(2位) | 8-2 (1-0), (4-1), (3-1) |
日本(11位) |
2月3日 (19:30 - ) | 真駒内 | スウェーデン(3位) | 8-1 (0-0), (4-0), (4-1) |
ユーゴスラビア(12位) |
2月4日 (14:00 - ) | 真駒内 | アメリカ合衆国(6位) | 5-3 (2-1), (1-1), (2-1) |
スイス(7位) |
2月4日 (19:00 - ) | 真駒内 | ポーランド(8位) | 4-0 (0-0), (3-0), (1-0) |
西ドイツ(5位) |
2月4日 (19:00 - ) | 月寒 | フィンランド(4位) | 13-1 (3-1), (5-0), (5-0) |
ノルウェー(10位) |
( )内順位は世界選手権の結果(9位東ドイツとグループCから昇格のルーマニア・フランスは棄権)
決勝ラウンド | ソビエト連邦 アメリカ合衆国 チェコスロバキア スウェーデン フィンランド ポーランド |
7-11位決定戦 | 西ドイツ ノルウェー 日本 スイス ユーゴスラビア |
7-11位決定戦
[編集]2月6日 (12:30 - ) | 月寒 | ノルウェー | 5-2 (0-1), (3-0), (2-1) |
ユーゴスラビア |
2月6日 (16:00 - ) | 月寒 | 西ドイツ | 5-0 (2-0), (0-0), (3-0) |
スイス |
2月7日 (12:30 - ) | 月寒 | 西ドイツ | 6-2 (2-1), (3-1), (2-1) |
ユーゴスラビア |
2月7日 (14:45 - ) | 真駒内 | 日本 | 3-3 (1-1), (2-0), (0-2) |
スイス |
2月9日 (10:00 - ) | 真駒内 | 日本 | 3-2 (2-2), (0-0), (1-0) |
ユーゴスラビア |
2月9日 (14:00 - ) | 月寒 | 西ドイツ | 5-1 (3-0), (0-0), (2-1) |
ノルウェー |
2月10日 (10:00 - ) | 真駒内 | ノルウェー | 5-4 (2-2), (2-1), (1-1) |
日本 |
2月10日 (14:00 - ) | 月寒 | スイス | 3-3 (1-3), (1-0), (1-0) |
ユーゴスラビア |
2月12日 (14:00 - ) | 月寒 | ノルウェー | 5-3 (0-0), (1-2), (4-1) |
スイス |
2月12日 (16:00 - ) | 真駒内 | 日本 | 7-6 (3-1), (1-2), (3-3) |
西ドイツ |
順位 | 国・地域 | 試合 | 勝 | 敗 | 分 | 得点 | 失点 | 差 | 勝点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 西ドイツ | 4 | 3 | 1 | 0 | 22 | 10 | +12 | 6 |
2 | ノルウェー | 4 | 3 | 1 | 0 | 16 | 14 | +2 | 6 |
3 | 日本 | 4 | 2 | 1 | 1 | 17 | 16 | +1 | 5 |
4 | スイス | 4 | 0 | 2 | 2 | 9 | 16 | -7 | 2 |
5 | ユーゴスラビア | 4 | 0 | 3 | 1 | 9 | 17 | -8 | 1 |
決勝ラウンド
[編集]2月5日 (10:00 - ) | 真駒内 | スウェーデン | 5-1 (2-1), (1-0), (2-0) |
アメリカ合衆国 |
2月5日 (14:00 - ) | 真駒内 | チェコスロバキア | 14-1 (5-0), (3-1), (6-0) |
ポーランド |
2月5日 (19:00 - ) | 真駒内 | ソビエト連邦 | 9-3 (3-2), (3-1), (3-0) |
フィンランド |
2月7日 (11:30 - ) | 真駒内 | ソビエト連邦 | 3-3 (1-0), (1-0), (1-3) |
スウェーデン |
2月7日 (16:00 - ) | 月寒 | アメリカ合衆国 | 5-1 (1-1), (3-0), (1-0) |
チェコスロバキア |
2月7日 (19:30 - ) | 月寒 | フィンランド | 5-1 (0-0), (4-0), (1-1) |
ポーランド |
2月8日 (14:00 - ) | 真駒内 | チェコスロバキア | 7-1 (1-0), (3-0), (3-1) |
フィンランド |
2月9日 (14:00 - ) | 真駒内 | スウェーデン | 5-3 (1-0), (4-2), (0-1) |
ポーランド |
2月9日 (19:00 - ) | 真駒内 | ソビエト連邦 | 7-2 (2-0), (3-0), (2-2) |
アメリカ合衆国 |
2月10日 (14:00 - ) | 真駒内 | ソビエト連邦 | 9-3 (4-0), (4-2), (1-1) |
ポーランド |
2月10日 (19:00 - ) | 真駒内 | チェコスロバキア | 2-1 (0-0), (0-0), (2-1) |
スウェーデン |
2月10日 (19:00 - ) | 月寒 | アメリカ合衆国 | 4-1 (2-1), (1-0), (1-0) |
フィンランド |
2月12日 (19:30 - ) | 真駒内 | アメリカ合衆国 | 6-1 (2-0), (2-0), (2-1) |
ポーランド |
2月13日 (9:00 - ) | 真駒内 | フィンランド | 4-3 (1-2), (1-1), (2-0) |
スウェーデン |
2月13日 (12:30 - ) | 真駒内 | ソビエト連邦 | 5-2 (2-0), (2-1), (1-1) |
チェコスロバキア |
順位 | 国・地域 | 試合 | 勝 | 敗 | 分 | 得点 | 失点 | 差 | 勝点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ソビエト連邦 | 5 | 4 | 0 | 1 | 33 | 13 | +20 | 12 |
2 | アメリカ合衆国 | 5 | 3 | 2 | 0 | 18 | 15 | +3 | 11 |
3 | チェコスロバキア | 5 | 3 | 2 | 0 | 26 | 13 | +13 | 10 |
4 | スウェーデン | 5 | 2 | 2 | 1 | 17 | 13 | +4 | 9 |
5 | フィンランド | 5 | 2 | 3 | 0 | 14 | 24 | -10 | 7 |
6 | ポーランド | 5 | 0 | 5 | 0 | 9 | 39 | -30 | 5 |
最終順位
[編集]順位 | 国・地域 |
---|---|
1 | ソビエト連邦 |
2 | アメリカ合衆国 |
3 | チェコスロバキア |
4 | スウェーデン |
5 | フィンランド |
6 | ポーランド |
7 | 西ドイツ |
8 | ノルウェー |
9 | 日本 |
10 | スイス |
11 | ユーゴスラビア |
脚注
[編集]- ^ “Russians regroup on other side of the red line”. ESPN (2002年2月14日). 2010年10月11日閲覧。