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巻き結び

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
徳利結びから転送)
巻き結び

巻き結び(まきむすび)とは、ロープを芯に縛り付ける結び方(ヒッチ)のひとつ。英語ではクローブ・ヒッチ(Clove hitch)という。

古くから船舶関連で用いられており[1]、Clove hitchとしてはじめて紹介されたのは1769年ウィリアム・ファルコナーの辞典が最初である[2]

徳利を吊るすのに用いられたことから徳利結びということもあり[3]、またかこ結びという和名もある[4]

登山関係ではマスト結び[4]インク・ノット[1]船乗り結び[5]などと呼ばれ、キャンピングでは止め釘結び[5]と呼ばれる。

結び方

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巻き結びのためのループ

巻き結びは、芯に対して同じ向きのひと結びを2度施して得られる(異なる向きのひと結びを施した場合はひばり結びとなる)。

閉鎖芯に対しては動端を芯の周りを2周させて結ぶが、開放芯の場合は右図のように同じ向きのループを2つつくりそれらを重ねて芯に通せばよい。

特徴・用途

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木に施した巻き結び

巻き結びを施したロープの強度は、結んでいないロープの60~75%程度とされ、水に濡れると解きにくくなる・芯に対して回る方向にロープに荷重がかかるとほどけやすいといった欠点がある。[2]

しかし、簡単に結ぶことができ、(濡れなければ)解くのも容易で確実に結んでおけば強度も高いことから[1]、以下のように幅広い用途で用いられている。

  • ボートなどを一時的に係留するために使う[6][7]。長時間の係留の場合は後述の多重巻き結びが使われる[8]
  • 箱状のものを紐で十字に縛るとき、交差部に巻き結びを施して丈夫にする[9]
  • テントの支柱を縛るために使う[5]
  • ロープを束ねたあと、両側に巻き結びを施してまとめる[10]
  • 丸太に巻き結びを施してつなげてをつくる[11]

羽根田治は、(一般的にはもやい結びのことを「結び目の王」と表現することが多いが)巻き結びこそ「結び目の王」にふさわしいと述べている[12]

関連する結び目

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二重巻き結び
通常の巻き結びのあと、余分にひと結びを施しておく方法で、強度が高まる[1]。さらに何度も巻きを増やすこともでき、その場合は多重巻き結びと呼ばれる[8]

脚注

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  1. ^ a b c d 『アウトドア・ロープテクニック』 90頁。
  2. ^ a b 『結びのテクニック』48頁。
  3. ^ 『図解 実用ロープワーク』 12頁。
  4. ^ a b 『ロープの結び方』 54頁。
  5. ^ a b c 『結びの百科―実用70種の結び方を鮮明な連続写真でマスター』42頁。
  6. ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』231頁。
  7. ^ 『アウトドア・ロープテクニック』105頁。
  8. ^ a b 『結びの百科―実用70種の結び方を鮮明な連続写真でマスター』 54頁。
  9. ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』71頁。
  10. ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』99頁。
  11. ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』119頁。
  12. ^ 羽根田治 『結び方全書―暮らしに使える170の結び』 池田書店、2009年、214頁。ISBN 978-4262152257

参考文献

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外部リンク

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