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次数付き微分代数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
微分次数環から転送)

数学の特に抽象代数学および代数的位相幾何学における次数付き微分環(じすうつきびぶんかん、: differential graded algebra; 次数付き微分代数、微分次数環)は、その多元環構造に両立する鎖複体の構造を併せ持つ次数付き環を言う。

定義

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次数付き微分環 (differential graded algebra) または短くDG代数とは、次数付き多元環 A とその上の次数 1 または次数 −1 の何れかである写像 d: AA で以下の性質を持つものとの組 (A, d) を言う。

  1. . [注釈 1]
  2. , ただし deg は各斉次元の次数を表す。[注釈 2]

この定義をより簡潔(だがやや難解)な形で述べれば、次数付き微分環とは鎖複体全体の成すモノイド圏におけるモノイド対象のことである。次数付き微分環の間の次数付き微分準同型 (DG射) とは、微分 d と両立する次数付き多元環の準同型を言う。

次数付き微分添加代数英語版DGA代数、添加DG代数、DGA)とは、係数環へのDG射を備えた次数付き微分代数を言う(この用語法はアンリ・カルタンによるものである[1]

文献によっては、DG代数の意味で DGA と言っている場合があるので注意。

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次数付き微分環に関するその他の事実

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  • 次数付き微分環 (A, d)ホモロジー H*(A) ≔ ker(d)/im(d) は次数付き多元環を成す。また次数付き添加代数のホモロジーは添加代数英語版となる。

関連項目

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注釈

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  1. ^ したがって d は、それが次数を上げる場合、A鎖複体の構造を持ち、d はその鎖複体の「微分」となる。次数を上げる場合も同様に、双対鎖複体の「微分」となる。
  2. ^ これは d が次数付きの意味での積の微分法則を満足することを言うものである

出典

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  1. ^ Cartan, H. (1954), “Sur les groupes d'Eilenberg-Mac Lane H(Π,n)”, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 40: 467–471 

参考文献

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  • Manin, Yuri Ivanovich; Gelfand, Sergei I. (2003), Methods of Homological Algebra, Berlin, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-3-540-43583-9 , see sections V.3 and V.5.6