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拝師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
師伯から転送)

拝師(はいし、ぱいしー)は、中国の芸能や中国武術などで、師匠と弟子の間に擬似的な親子関係を作るシステム。現在でも拝師(ぱいしー)の儀により入門を認める流派も存在する。また、武俠小説などでは非常によく見られる。

 
 
 
 
 
 
 
 
大師父
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
師爺
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
師叔
 
師母
 
師父
 
師伯
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
師弟
 
自分
 
師兄
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
弟子
 
 
 
 

拝師系統図。

上の世代

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師父(しふ)
自分に武術を教えてくれる人間。師父は自分の父親と同視されるため、尊敬の念を抱かねばならない。また、父親を勝手に替えることができないのと同様、弟子の方が勝手に師父を替えることはできないわけでないが、非常に礼にもとる行為として非難の対象となる。同様に、師匠と弟子の間の恋愛は近親相姦に匹敵するほど不道徳な行為として認識されていた時代もあり、金庸の武俠小説『神鵰剣俠』はそれをテーマとしている。
現代中国においては、「拝師」の儀式を経ていない学習者は自分の指導者を「師父」と呼ぶことは許されず「老師」と呼ぶ。
「拝師」を経たかどうかは重要な問題であり、教えられる内容が大きく異なることが多い。また、自分のもとで学ぼうとする者に対し、わりあい簡単に拝師を許す指導者もいれば、非常に厳格な選考・ふるい分けをする者もいる。
師娘(しじょう)師母(しぼ)
師父と結婚している女性のこと。師父が父と同視されている関係上、自分の母親と同視される。「師匠の娘さん」とは異なるので注意が必要。なお、中国語において「娘」は日本語とはニュアンスが異なり、「高貴な女性」という意味ある。活字媒体ではそのまま「師娘」と表記されることも多いが、吹き替えなどでは「奥さま」と発音されることも多い。
現代中国では一般に「師母」という表現で呼ばれることが多い。
師伯・師叔(しはく・ししゅく)
 
 
 
 
元始天尊
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
姜子牙
 
十二大仙
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
弟子たち
 
自分の師父の兄弟子を師伯、弟弟子を師叔と言う。本人にとって、伯父叔父に相当する人間であり、現実の年齢は問わない。そのため、師父より年下の師伯がいることもありうるし、また自分より年上の師叔が存在すると言うこともないわけではない。
代の小説『封神演義』の主人公姜子牙が師叔と呼ばれているが、これも拝師の一種。姜子牙が元始天尊の弟子で、同じく元始天尊の弟子である十二大仙の弟弟子にあたることから、その十二大仙の弟子たちは、100歳に満たない(仙人道士としては若輩)姜子牙より年上と見られる人物でも、姜子牙を師叔と尊称し、敬語を使っている場面が見られる。
師爺(しや)
師父の師父であり、その道の上での祖父に当たる。
大師父(だいしふ)
師父の師爺、師爺の師父を大師父と言う。

同一世代

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師兄・師弟(しけい・してい)
同じ師父について修行しているもので、自分より先に拝師を済ませたものは師兄、後であれば師弟となる。そして、対象が女性なら同様に師姉(師姐)、師妹となる。自分の兄弟姉妹と同視されるが、これは年齢に関係ないので、自分より年下の師兄も存在しうる。また、「師兄」は尊称の一種であるため、自分と同一世代にあたる師伯・師叔の弟子を相手にするときなど、二人称に使われることもある。一番弟子のように立場が上の者に敬意を込めて「大師兄」、また年若い妹弟子に愛称として「小師妹」と呼ぶこともある。また、日本語訳では「師妹」についてのみ、「シメイ」と中国語に近い発音で振り仮名が振られていることもある。

下の世代

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徒弟・弟子(とてい・でし)
指導者に対し「拝師」を済ませた者。これを受け入れた指導者はその道については実子と同じように愛情を持って養育する。また、これらの者が不義理を行った際などは破門できる。その場合には非常に厳しい処分が行われることが一般的である。
流派や指導者によって異なるが、一般に「入室(内弟子、というより免許皆伝に近い)」を許された者が「弟子」と呼ばれ、それ以外の者は「徒弟」と呼ばれる傾向にある。
「拝師」を許されていない学習者は「学生」と呼ばれる。また最高位の弟子は「大弟子」と呼ばれ、師に次ぐ扱いを受ける。

関連項目

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  • 相声 清末以来、歴代の「拝師」による師承が続いている。