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ラフカディオ・ハーン庭園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小泉八雲庭園から転送)
ラフカディオ・ハーン庭園
施設情報
正式名称 Lafcadio Hearn Japanese Gardens
愛称

小泉八雲記念庭園

小泉八雲庭園
専門分野 日本庭園
開園 2015
所在地 アイルランド共和国ウォーターフォード県トラモア
位置 北緯52度9分49.0秒 西経7度8分59.0秒 / 北緯52.163611度 西経7.149722度 / 52.163611; -7.149722座標: 北緯52度9分49.0秒 西経7度8分59.0秒 / 北緯52.163611度 西経7.149722度 / 52.163611; -7.149722
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ラフカディオ・ハーン庭園(ラフカディオ・ハーンていえん、英語: Lafcadio Hearn Japanese Gardens[1]、別名小泉八雲記念庭園あるいは小泉八雲庭園は、アイルランドのウォーターフォード県トラモアにある、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を記念する庭園である[2]。トラモアは八雲が子ども時代に暮らしていたことがある町である。八雲の人生の段階を象徴する複数の庭園からなっている。2015年にオープンした。

背景

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ラフカディオ・ハーン庭園の入り口

ラフカディオ・ハーンは1850年にレフカダ島アイルランド人の父とギリシャ人の間に生まれた[3]。1850年代半ば頃から、まだ子どもであったラフカディオ・ハーンは夏のほとんどを大叔母で保護者であったサラ・ブレナンとともにトラモアで過ごした[3]。幼いハーンはこの海辺の町で地元の人々からおとぎ話などを聞いて楽しんでおり、おそらく子ども時代で一番幸せな時期であったと考えられる[4]。ハーンが自らの父に最後に会ったのはこのトラモアであり、1857年のことだった[3][5]。ハーンの曾孫である小泉凡は「トラモアはハーンがアイルランドの歴史に底流するケルト的精神性を理解する上で最も大切な場所の一つだった」と述べている[2]

来歴

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松江市から贈呈された、倉澤實作によるラフカディオ・ハーンのレリーフ

2012年にハーンの曾孫である小泉凡夫妻がトラモアを訪れ、地元に住むアグネス・エイルワードとともに記念庭園を造るアイディアを話し合った[6]。19世紀にトラモア・ハウスという邸宅があった場所の跡地に庭園が造られることになった[7][8]。エイルワードの他、トラモア・ディヴェロップメント・トラスト、ウォーターフォード市・県議会などの協力を得て2014年6月に庭園造りが始まった[9][10]。建築予算は500万ユーロで、ウォーターフォード市・県議会の他、日本万国博覧会記念基金からも助成があった[8][10]。2015年6月には大部分が完成し、一般公開された[9]。同年10月には開館したばかりの庭園で日本文化を紹介するイベントが実施された[11]。この時に松江市から送られた倉澤實作による小泉八雲レリーフの除幕式も実施された[12]。この時期までで既に数千人の来場者がいたという[12]

2017年と2019年には日本庭園を中心に改修が行われた[9]。2021年には、トラモア町民はこの庭園に無料で入れるものの、それ以外の入場者、とくにウォーターフォード県民にも入場料がかかることがウォーターフォード市・県議会で問題視された[13]

デザイン

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入り口にあるヴィクトリアン・ガーデン

11種類のテーマに基づく庭がある[14]。ハーンの生涯をふりかえる構成になるよう、複数のスタイルが違う庭が配置されている[15]。その「波乱に富む生涯」を反影し、イギリスでの子ども時代を象徴するヴィクトリアン・ガーデンから始まり、後半は日本庭園となる[16]。日本庭園は池や茶室、日本風のあずまやをそなえている[9]。庭園の主なレイアウトはマーティン・カランが、ヴィクトリアンガーデンとアメリカンガーデンのレイアウトはローラ・カシンが担当した[9]

評価

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日本庭園

当初は庭園の状態に批判があったが改善され、2021年のウォーターフォード県市議会の議論では、以前は「廃墟のゴミ捨て場」同然の場所がその後トラモアの「宝」になったと評された[13]。1年中オープンしており、地元の魅力ある観光地として扱われている[17]。庭園は結婚式などにも使用できる[18]

脚注

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  1. ^ JAPANESE GARDENS” (英語). Lafcadio Hearn Japanese Gardens. 2024年9月26日閲覧。
  2. ^ a b 小泉凡. “響きあう日愛の自然観―「小泉八雲記念庭園」オープンに寄せて―”. 在アイルランド日本国大使館. 2024年9月26日閲覧。
  3. ^ a b c The Victorian Garden” (英語). Lafcadio Hearn Japanese Gardens. 2024年9月26日閲覧。
  4. ^ McHugh, Roger (1998) (英語), Lafcadio Hearn and Some Irish Writers, Sean G. Ronnan, ed., Irish Writing on Lafcadio Hearn and Japan, Brill, pp. 52–56, p. 53, doi:10.1163/9789004213562_015, ISBN 978-90-04-21356-2, https://brill.com/edcollchap/book/9789004213562/B9789004213562_s015.xml 2024年9月26日閲覧。 
  5. ^ Kennard, Nina H. (1912). Lafcadio Hearn. The Library of Congress. New York, D. Appleton and Company. p. 20. https://archive.org/details/lafcadiohearn01kenn/page/20/mode/2up 
  6. ^ 山田有一 (2016年12月28日). “ラフカディオ・ハーンがつなぐ日・アイルランド交流”. グローカル通信第95号. 日本外務省. 2024年9月26日閲覧。
  7. ^ 小泉八雲記念庭園”. 関西・大阪21世紀協会. 2024年9月26日閲覧。
  8. ^ a b Tramore garden honours Lafcadio Hearn’s boyhood summers” (英語). The Irish Times. 2024年9月26日閲覧。
  9. ^ a b c d e THE HISTORY OF THE GARDENS” (英語). Lafcadio Hearn Japanese Gardens. 2024年9月26日閲覧。
  10. ^ a b 平成26年6月27日 「小泉八雲記念庭園」鍬入式”. 在アイルランド日本大使館 (2014年6月). 2024年9月26日閲覧。
  11. ^ Tramore celebrates Japanese culture” (英語). The Munster Express (2015年10月20日). 2024年9月26日閲覧。
  12. ^ a b オープン・マインド・オブ・ パトリック・ラフカディオ・ハーン ―帰郷― 事業報告書”. 山陰日本アイルランド協会. p. 13 (2016年). 2024年9月26日閲覧。
  13. ^ a b Norris, Jordan (2021年3月16日). “Councillors clash on Japanese Gardens future” (英語). The Munster Express. 2024年9月26日閲覧。
  14. ^ The Gardens” (英語). Lafcadio Hearn Japanese Gardens. 2024年9月26日閲覧。
  15. ^ Hearn, Lafcadio; Murray, Paul (2019). “Introduction”. Japanese ghost stories. London: Penguin Books. ISBN 978-0-241-38128-1 
  16. ^ Natural Escapes: 10 Japanese Gardens in the UK and Ireland | Blog | Travel Japan (Japan National Tourism Organization)” (英語). Japan National Tourism Organization (JNTO). 2024年9月26日閲覧。
  17. ^ Beatrice M. Doran (2021). “Hearn, Lafcadio (1850-1904) Writer and Translator”. From the Grand Canal to the Dodder: Illustrious Lives. The History Press. ISBN 9780750996402 
  18. ^ Finnan, Sarah. “Looking for an outdoor wedding venue? This Japanese Garden in Co Waterford might be it | IMAGE.ie” (英語). www.image.ie. 2024年9月26日閲覧。

外部リンク

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