実現値 (確率論)
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確率論や統計学において、確率変数の実現値(じつげんち、英: Realization)あるいは観測値(かんそくち、英: observation, observed value)とは、 実際の試行の結果として観察された値のことである。 例えば X がコイントスの結果を示す確率変数であったとし、実際のコイントスの結果が「表」だったとする。このとき X の実現値は「表」である。
慣例的に、混乱を避けるために、確率変数を大文字(例えば X)で表し、その実現値は対応する小文字(例えば x)で表すことがある[1]。但し、ノーテーションのルールが異なる文献もある。例えば Dieter Rasch らによって書かれたある本[2]では、確率変数を太文字で、その実現値を細文字で書いている。
より正式な確率論では、確率変数 X は、標本空間から状態空間と呼ばれる可測空間への写像である[3]。X が標本空間 Ω 上で定義されていて、ω は Ω の元であるとき、「ω における確率変数 X の値」即ち X(ω) は、確率変数 X の実現値と言われる。
脚注
[編集]- ^ Wilks, Samuel S. (1962). Mathematical Statistics. New York: John Wiley & Sons
- ^ Rasch, Dieter; Schott, Dieter (2018). Mathematical Statistics. New York: John Wiley & Sons. ISBN 978-1119385288
- ^ Varadhan, S. R. S. (2001). Probability Theory. Courant Lecture Notes in Mathematics. 7. New York: New York University Courant Institute of Mathematical Sciences