実数値関数
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実数値関数(じっすうちかんすう、英: real-valued function)とは、値として実数を与える関数をいう。つまり、定義域のそれぞれの元に対し実数を割り当てる関数のことである。特に、定義域も実数の部分集合であるもの、すなわち実変数の実数値関数を実関数(じつかんすう、英: real function)という[1][2]。
多くの重要な関数空間が、いくつかの実数値関数からなるものとして定義されている。
一般の実数値関数
[編集]X を任意の集合とする。F(X, R) を X から R への関数全体の集合で表すものとする。R は可換体であるので、F(X, R) はベクトル空間であり、実数上の結合多元環は、以下のように定義できる。
- ベクトル和: f + g: x ↦ f(x) + g(x)
- 加法単位元: 0: x ↦ 0
- スカラーとの積: cf: x ↦ cf(x), c ∈ R
- 各点ごとの積: fg: x ↦ f(x)g(x)
また、R は順序集合であることから、F(X, R) には以下のような半順序が入る。
これによって、F(X, R) は半順序環とある。
可測な実数値関数
[編集]ボレル集合の σ-代数は実数上に定義される重要な構造である。X が σ-代数を持ち、関数 f が、すべてのボレル集合 B に対して、その原像 f−1(B) が X の σ-代数に属しているとき、f は可測であるという。この可測関数はまた、うえで説明したようなベクトル空間と代数をつくる。
連続な実数値関数
[編集]実数は、位相空間であり完備距離空間である。連続な実数値関数(これは暗黙のうちに X が位相空間であることを主張する)は位相空間や距離空間の理論で重要なものである。極値定理は、コンパクト空間上のすべての連続な実数値関数には(極小、極大にとどまらない大域的な)最小値と最大値が存在することを主張する。