コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

名古屋市史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大正昭和名古屋市史から転送)

名古屋市史(なごやしし)は名古屋市自治体史明治以降、現在までに3度の編纂が行なわれており、以下において記述する。なお、編纂に用いられた資料の一部は名古屋市鶴舞中央図書館名古屋市市政資料館に保存されている。

名古屋市史

[編集]
『名古屋市史』全10巻のうち6巻分

1907年(明治40年)に市史編纂室が設けられ[1]東京帝国大学教授の上田萬年を顧問として1915年大正4年)から翌1916年にかけて10巻が刊行された。編纂には『金城温古録』の奥村定も関わっている。内容は明治期までの名古屋市に関するもので、1934年昭和9年)に2巻の人物編が追加されている[1]1980年(昭和55年)に愛知県郷土資料刊行会から復刻版が刊行された。

内容 ページ数[2] 刊行年月日
社寺編 1,064頁 1915年7月10日
風俗編 800頁 1915年8月20日
産業編 256頁 1915年8月30日
学芸編 424頁 1915年10月5日
政治編 第一 822頁 1915年11月15日
地図 35枚 1915年12月5日
政治編 第二 904頁 1915年12月30日
政治編 第三 592頁 1916年2月20日
地理編 950頁 1916年3月30日
索引 351頁
引用書分類目録 46頁
1916年12月25日
人物編 第一 494頁 1934年5月28日
人物編 第二 622頁 1934年5月28日

大正昭和名古屋市史

[編集]

1940年(昭和15年)、先の「名古屋市史」編纂から30年以上が経過して名古屋市の発展が進んでいたことなどから、紀元二千六百年と名古屋市制五十周年を記念する事業として計画された[1]大蔵省が編纂した『明治大正財政史』で主任を務めた吉川秀造を編纂主任に、後に『昭和大阪市史』の編纂も行った本庄栄治郎を顧問として1941年(昭和16年)から始まった編纂は太平洋戦争のため遅々として進まず、1948年(昭和23年)9月に脱稿したものの戦後の財政難などもあって、1953年(昭和28年)になってようやく刊行[1]。内容は大正時代から昭和12年までに関するものとなっている。

1959年(昭和34年)に市政七十周年記念事業のひとつとして、昭和13年から昭和32年までを扱う続編の刊行が計画されたが、執筆の遅れや経費超過、大学紛争などのため、昭和46年度で事業中止となった[1]。なお、この計画に先立ち1959年に名古屋市総務局から『名古屋七十年史』が刊行されている[3]

巻数 内容 ページ数[2] 刊行年月日
第一巻 緒論及原始産業篇 321頁 1953年11月1日
第二巻 工業篇 792頁 1954年1月5日
第三巻 商業篇(上) 609頁 1954年3月1日
第四巻 商業篇(下) 433頁 1954年3月1日
第五巻 金融・交通篇 585頁 1954年10月1日
第六巻 市政篇 413頁 1954年12月1日
第七巻 財政篇 334頁 1955年3月1日
第八巻 社会篇 425頁 1955年5月1日
第九巻 地理篇 384頁 1955年7月1日
第十巻 索引篇 382頁 1955年12月1日

新修名古屋市史

[編集]

1979年(昭和54年)に市政90周年事業として検討が始まり[4]市政100周年記念事業として、1991年平成3年)から編纂が開始された[1]。編纂は「新修名古屋市史編集委員会」で、名古屋市市政資料館に置かれていた。1997年(平成9年)に第1巻が刊行され、当初は「本文編」10巻のみで完結する予定だったが、編纂委員や市民からも資料公開の要望が強かったため「資料編」の刊行が決定され[5]、2006年から2014年までに全11巻が刊行された。なお、これに先立つ1989年(平成元年)に名古屋市総務局から『名古屋100年』が刊行されている[4]

巻数 内容 ページ数 刊行年月日
本文編 第1巻 旧石器から平安 894頁 1997年3月31日
第2巻 鎌倉から安土・桃山 868頁 1998年3月31日
第3巻 江戸時代前期 984頁 1999年3月31日
第4巻 江戸時代後期 955頁 1999年3月31日
第5巻 明治 931頁 2000年3月31日
第6巻 大正から昭和(戦前) 945頁 2000年3月31日
第7巻 昭和(戦後) 1,017頁 1998年3月31日
第8巻 自然編 428頁 1997年3月31日
第9巻 民俗編 924頁 2001年3月31日
第10巻 年表・索引(CD-ROM付) 450頁 2001年10月31日
資料編 近代1 明治4年~40年 915頁 2006年3月31日
近世1 慶長~明治4年 968頁 2007年3月31日
考古1 慶長~明治4年 965頁 2008年5月21日
自然 名古屋の自然環境 本編548頁
目録228頁
2008年5月21日
近代2 明治40年~昭和5年 997頁 2009年5月20日
民俗 祭礼資料
民俗調査資料
974頁 2009年5月20日
近世2 名古屋開府~八代宗勝 879頁 2010年5月21日
近世3 慶長~明治4年 928頁 2011年5月20日
現代 終戦~高度経済成長期 1,028頁 2012年5月22日
考古2 飛鳥時代~江戸時代 1,040頁 2013年5月21日
近代3 昭和恐慌~終戦 952頁 2014年5月20日

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f 名古屋市史編さんの歴史(市政情報)”. 名古屋市 (2007年3月6日). 2013年3月17日閲覧。
  2. ^ a b ページ数は目次などを除く本文でノンブルが打たれた数字。
  3. ^ 年表・索引、P.407
  4. ^ a b 年表・索引、P.409
  5. ^ 年表・索引、P.427

参考文献

[編集]
  • 新修名古屋市史編集委員会 『新修名古屋市史 第10巻 年表・索引』 名古屋市、2001年

関連項目

[編集]