まるや八丁味噌
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(合名会社大田商店から転送)
本社事務所 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒444-0925 愛知県岡崎市八丁町52番地 |
設立 | 1931年(昭和6年)1月16日 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 8180301001903 |
事業内容 | 八丁味噌等の製造販売 |
代表者 | 代表取締役社長:浅井信太郎 |
資本金 | 1650万円 |
従業員数 | 48人 |
外部リンク | 株式会社 まるや八丁味噌 |
株式会社まるや八丁味噌󠄀(まるやはっちょうみそ)は、愛知県岡崎市八丁町に本社を置く八丁味噌メーカー。
概要
[編集]大田家の口伝によれば創業は1337年(延元2年)といわれる[2]。江戸期より三河国八丁村(現在の愛知県岡崎市八丁町、八帖町)では早川久右衛門家と大田弥治右衛門家が味噌醸造を生業としてきた。「まるや八丁味噌」はそのうちの一つ。安政2年(1855年)に大樹寺の本堂、大方丈などが焼失した際、再建のため江戸から派遣された見分役は「味噌は八丁味噌とて名物也。百文は三百三十匁又三百五十匁自位也。八丁村に問屋二軒あり」と手記にしたためた[3]。
歴史
[編集]- 1337年(延元2年) - 大田彌治右衛門が、現在の岡崎市八帖町で味噌醸造業を始めた。
- 1873年(明治6年) - 現在の事務所を建築[4]。
- 1931年(昭和6年) - 合名会社大田商店を設立。
- 1956年(昭和31年) - 八丁味噌に米こうじみそをあわせた調合味噌(現在の「ゴールド赤だし」)を発売[5]。
- 1987年(昭和62年) - アメリカ有機食品認定機関OCIAの認証取得。
- 1990年(平成2年) - 合名会社まるや八丁味噌󠄀に会社名変更。
- 1996年(平成8年) - 株式会社まるや八丁味噌󠄀に組織変更。
- 2004年(平成16年) - 代表取締役に浅井信太郎が就任(第21代目)[6][7]。
- 2005年(平成17年) - 5月、カクキューとともに八丁味噌󠄀協同組合を設立[8]。
- 2008年(平成20年) - 味噌蔵が近代化産業遺産に認定される[5]。
- 2009年(平成21年) - 愛知県味噌溜醬油工業協同組合から離脱[9]。
- 2014年(平成26年) - 本社事務所が市の景観重要建造物に指定された[10][4]。
- 2020年(令和2年) - 土蔵が市の景観重要建造物に指定された[11]。
- 2022年(令和4年) - 12月26日、八帖町から八丁町が分離[12]。これに伴い本店住所が「八帖町字往還通52番地」から「八丁町52番地」に変更された[13]。
主な商品
[編集]- 有機八丁味噌
- 三河三大豆の八丁味噌
- 無添加八丁味噌
- ゴールド赤だし
- 三葉葵赤だし
- まるやのみそだれ
- 八丁味噌みそ煮込みうどん
備考
[編集]- 2017年(平成29年)12月15日、農林水産省は、県内39社(当時)の業者から成る「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」を八丁味噌の生産者団体として地理的表示(GI)に登録[16]。非組合員のまるや八丁味噌、カクキューの2社は登録から除外された[9]。2021年(令和3年)9月17日、まるや八丁味噌は、県組合が国から受けたGI登録の取り消しを求め、東京地裁に提訴した。カクキューは裁判には加わらなかった[17][18]。2022年(令和4年)6月28日、東京地裁(中島基至裁判長)は、まるや八丁味噌の訴えを却下した[19][20][21]。2023年(令和5年)3月8日、知的財産高等裁判所も一審判決を支持し、控訴を棄却した[22]。2024年(令和6年)3月6日、最高裁は上告をしりぞける決定をした。 敗訴確定に伴い、2026年2月以降、まるや八丁味噌は自社製品に「八丁味噌」の名称が自由に使えなくなる[23]。
→詳細は「八丁味噌 § 地理的表示ブランドの登録をめぐる問題」を参照
ギャラリー
[編集]周辺の道路
[編集]脚注
[編集]- ^ 公式サイト英語版(2021年(令和3年)10月23日閲覧)
- ^ 新編岡崎市史 近世, pp. 1265–1267.
- ^ 『図説 岡崎・額田の歴史』上巻, pp. 242–245.
- ^ a b c “『岡崎市歴史的風致維持向上計画』第2章 05 郷土食の八丁味噌造りにみる歴史的風致”. 岡崎市ホームページ (2023年7月14日). 2024年1月17日閲覧。
- ^ a b “歴史・沿革”. 株式会社 まるや八丁味噌. 2022年2月25日閲覧。
- ^ 株式会社 まるや八丁味噌 代表取締役浅井信太郎インタビュー
- ^ 「人の決断に従ったっていい」 600年続く八丁味噌の老舗社長が語った、自分で決める生き方 - ログミー
- ^ 八丁味噌協同組合 - 歴史
- ^ a b 森田真奈子 (2018年8月2日). “<どうなる八丁味噌> (上)対立の背景”. 中日新聞. オリジナルの2018年8月22日時点におけるアーカイブ。 2021年12月23日閲覧。
- ^ 景観重要建造物 | 岡崎市ホームページ
- ^ “まるや八丁味噌土蔵を景観重要建造物に指定しました。”. 岡崎市役所 (2020年3月30日). 2023年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
- ^ 川瀬慎一朗 (2022年12月21日). “愛知県岡崎市八帖町が「八丁町」に 市議会可決、みそメーカー支援”. 毎日新聞. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 株式会社 まるや八丁味噌
- ^ “「木桶」78年ぶりに新調 岡崎のまるや八丁味噌 「伝統守る」全国にアピール”. 東海愛知新聞. (2010年10月23日) 2018年3月25日閲覧。
- ^ 土屋あいり 「伝統の木おけ3本を新調 岡崎 まるや八丁味噌『末永く使いたい』」 『中日新聞』2021年2月23日付朝刊、西三河版、17面。
- ^ “第49号:八丁味噌”. 農林水産省 (2017年12月15日). 2024年3月11日閲覧。
- ^ “八丁味噌取り消し求め提訴 「生産方法異なる」と老舗”. 日本経済新聞. (2021年9月24日) 2022年1月6日閲覧。
- ^ 『中日新聞』2021年9月23日付朝刊、11版、26面、「八丁味噌GI 老舗が提訴 農水省に取り消し求める」。
- ^ “「八丁味噌」GI、老舗敗訴 東京地裁判決、取り消し請求却下”. 中日新聞. (2022年6月29日) 2022年6月29日閲覧。
- ^ ““八丁味噌裁判” 地域ブランド登録の取消認めず 東京地裁”. NHK. (2022年6月28日) 2022年6月28日閲覧。
- ^ 田中恭太 (2022年6月28日). “「八丁味噌」論争 老舗の主張を退ける判決 東京地裁”. 朝日新聞 2022年6月28日閲覧。
- ^ 田中恭太 (2023年3月8日). “「八丁味噌」めぐる訴訟、二審も愛知・岡崎の老舗が敗訴 知財高裁”. 朝日新聞. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “八丁味噌、老舗の敗訴確定 表示登録訴訟、名称に制限”. 東京新聞 (2024年3月7日). 2024年3月7日閲覧。
参考文献
[編集]- 地理的表示関連
- 農林水産省『特定農林水産物等登録簿 第49号 八丁味噌』農林水産省、2017年12月15日 。
- 愛知県味噌溜醤油工業協同組合『明細書 八丁味噌』農林水産省、2015年6月24日 。
- 「八丁味噌」の地理的表示登録に関する第三者委員会『報告書』農林水産省、2021年3月12日 。
- 農林水産省『「八丁味噌」に関する行政不服審査請求の裁決書』農林水産省、2021年3月19日 。
- その他
- 『新編 岡崎市史 近世 3』新編岡崎市史編さん委員会、1992年7月1日。
- 『新編 岡崎市史 総集編 20』新編岡崎市史編さん委員会、1993年3月15日。
- 『図説 岡崎・額田の歴史』 上巻、郷土出版社、1996年4月20日。ISBN 978-4876700790。
- みそ健康づくり委員会 編『みそ文化誌』全国味噌工業協同組合連合会、社団法人中央味噌研究所、2001年4月1日。
外部リンク
[編集]- 株式会社 まるや八丁味噌
- まるや八丁味噌 (Maruya.Hatcho.Miso) - Facebook
- 愛知の公式観光ガイド AICHI NOW まるや