コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

単純接触効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
単純提示効果から転送)

単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか、: mere exposure effect)は、(閾下であっても)繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。1968年、アメリカ合衆国の心理学ロバート・ザイアンスが論文 Zajonc (1968) にまとめ、知られるようになった[1]

ザイアンスの単純接触効果ザイアンスの法則ザイアンス効果[2]などとも呼ばれる。対人関係については熟知性の原則と呼ばれる[3]

概要

[編集]

はじめのうちは興味がなかったものも、何度も見たり聞いたりするうち、次第に良い感情が芽生えてくるという効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説misattribution of perceptual fluency)で説明されている。また、潜在学習や概念形成といったはたらきもかかわっているとされる。

図形や文字、衣服、味やにおいなど、いろいろなものに対して起こる。広告宣伝の効果も、単純接触効果によるところが大きい。CMでの露出が多いほど単純接触効果が起きて、よい商品だと思ったり欲しいと思うようになる。

後の研究により、10回からは効果が低減することが分かっている[4]。また対象に興味が無い段階では好感度が高まるが、一度嫌悪感を抱くと逆効果となることも分かっている[4]

出典

[編集]
  1. ^ 生駒 2005.
  2. ^ 『大人も知らない?続ふしぎ現象事典』2023年、マイクロマガジン社、p.53
  3. ^ 神岡真司『ヤバい心理学』2013年、日本文芸社。92頁
  4. ^ a b 小栗旬、野口聡一ら出演『doda X』のCMが「気持ち悪い」と批判殺到、“人を不快にさせる”メカニズムを社会心理学者が解説”. 週刊女性PRIME. 2023年1月29日閲覧。

参考文献

[編集]
  • Zajonc, Robert B. (1968). “Attitudinal effects of mere exposure”. Journal of Personality and Social Psychology 9 (2, Pt.2): 1–27. doi:10.1037/h0025848. ISSN 1939-1315. 
  • 生駒, 忍 (2005). “潜在記憶現象としての単純接触効果”. 認知心理学研究 3 (1): 113–131. doi:10.5265/jcogpsy.3.113. 
  • 宮本聡介・太田信夫編著『単純接触効果研究の最前線』北大路書房、2008年。ISBN 9784762826016 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]