版画写真事件
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地方裁判所判例 | |
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事件名(通称) | (版画写真事件) |
事件番号 | 昭和63(ワ)1372 |
1998年(平成10年)11月30日 | |
判例集 |
知的裁集30巻4号956頁 判例時報1679号153頁 |
裁判要旨 | |
平面的な作品をできるだけ忠実に再現するために撮影した写真について著作物性を認めることはできない。 | |
東京地方裁判所47部 | |
裁判長 | 森義之 |
陪席裁判官 | 榎戸道也、中平健 |
参照法条 | |
著作権法2条1項1号 |
版画写真事件(はんがしゃしんじけん)は、雑誌『版画藝術』を刊行する阿部写真印刷株式会社と元従業員カメラマンが、写真の著作権(複製権)を『版画事典』(東京書籍)に侵害されたとして損害賠償を求めた事件。
撮影指示等から著作権者が原告の元従業員カメラマンであると確認されたものに限り賠償責任が認められ、被告らは各自10万円及びこれに対する昭和63年2月19日から支払済まで年5分の割合による金員を原告の元従業員カメラマンに支払うよう命じられた。
一方、凹凸をわずかに有するものを含み、ほぼ平面的な原画を忠実に再現した写真については、忠実に再現する以上撮影位置は正面以外に選択の余地がないし、光線の照射方法等の技術的な配慮についても忠実な再現が目的であって、独自に何かを付け加えるというものではないとして、そのような写真の著作物性が否定された。
関連項目
[編集]- 顔真卿自書建中告身帖事件
- 著作権の保護期間が満了した作品は、所有権者に複製権などが復帰するわけではなく、著作者の人格権を侵さない限り自由に利用できるとした最高裁判例。
- commons:Template:PD-Art/ja
- ウィキメディア・コモンズの著作権状態表示タグ。パブリックドメインの平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製した画像ゆえパブリックドメインに属するとする。
外部リンク
[編集]- https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=13734
- 日本国裁判所裁判例情報判例検索システム知的財産裁判例事件番号 昭和63(ワ)1372