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浜松市立佐久間図書館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐久間町立図書館から転送)
浜松市立佐久間図書館
施設情報
前身 佐久間町立図書館
事業主体 浜松市
管理運営 浜松市
延床面積 329 m2
開館 1989年6月22日
所在地 431-3901
静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間2431番地の3
位置 北緯35度05分31.5秒 東経137度48分36.3秒 / 北緯35.092083度 東経137.810083度 / 35.092083; 137.810083座標: 北緯35度05分31.5秒 東経137度48分36.3秒 / 北緯35.092083度 東経137.810083度 / 35.092083; 137.810083
ISIL JP-1001847
統計情報
蔵書数 23,017冊(2016年度末[1]時点)
貸出数 6,778冊(2016年度[1]
来館者数 2,311人(2016年度[1]
公式サイト https://www.lib-city-hamamatsu.jp/access/sakuma/index.html
地図
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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浜松市立佐久間図書館(はままつしりつさくまとしょかん)は、静岡県浜松市にある公共図書館JR東海飯田線佐久間駅の駅舎に併設されている。

浜松市立図書館を構成する24館のひとつであり、前身は磐田郡佐久間町佐久間町立図書館(さくまちょうりつとしょかん)。2016年度末の蔵書冊数は23,017冊(24館中21位)、2016年度の貸出冊数は6,778冊(24館中22位)、2016年度の利用者数は2,311人(24館中22位)である[1]

歴史

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佐久間町立/浜松市立佐久間中学校(写真は移転後)

1984年(昭和59年)には国鉄飯田線佐久間駅が合理化のために無人化された[2]国鉄分割民営化の後には、JR東海による佐久間駅の改築に合わせて、JR東海と磐田郡佐久間町が協力して駅舎と図書館が一体となった建物を計画[2][3]。1988年(昭和63年)12月から工事が進められ、1989年(平成元年)6月22日に佐久間町立図書館の開館式が行われた[4]。開館当初の蔵書数は5,000冊であり、開館初日には70人が貸出を行った[4]

開館時に5,000冊だった蔵書は、1991年(平成3年)6月時点では約15,000冊にまで増加している[5]。1989年度に34.0冊/日だった貸出数は、1990年度(平成2年度)には51.5冊/日となり、1991年6月15日には過去最高の138冊を記録した[5]。1991年6月22日までの統計では、1991年度の入館者数は1日平均100人を超えていた[5]

開館当時は駅前に佐久間町立佐久間中学校(現・浜松市立佐久間中学校)があり、飯田線で通学する生徒が佐久間図書館を待合室代わりに利用していた[3]。2005年(平成17年)7月1日には佐久間町が周辺自治体とともに浜松市に編入合併されたため、佐久間町立図書館は浜松市立佐久間図書館に改称した。2005年度末の蔵書冊数は33,783冊(22館中20位)、2005年度の貸出冊数は12,743冊(22館中20位)、2005年度の利用者数は5,013人(22館中19位)である[6]

2007年(平成19年)には佐久間中学校が中部天竜駅近くに移転したため、佐久間図書館を利用する子どもは減少した[3]。2006年度の利用者数は3,849人だったが[7]、2007年度は3,346人[8]、2008年度は3,348人[9]となっている。

特色

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フロア中央部
図書館(右)と佐久間駅(左)

建物

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鉄道駅の駅舎と一体となった図書館は全国でも珍しいとされ[3][注 1]、静岡県では初である[5]。図書館を駅舎に併設するというのは佐久間中学校の生徒の発案である[4]

建物は木造平屋建であり、図書館部分の床面積は329m2、駅舎部分の床面積は31m2[4]。総工費は8,395万円[4]。採光と美観のために、天井には佐久間町の民話や自然をモチーフとした[13]5枚のステンドグラスがはめ込まれている。入口上部には天竜川と山並みが描かれた「天竜座」が、東西南北には「川合花の舞」が飾られている[14]。今日の佐久間図書館は観光名所の一つにもなっている[5]

フロアの中央部には佐久間町神妻に生えていたスギの木(天竜杉)が据えられている[14]。伐採時の樹齢は109年であり、浜松市はこのスギを「明治12年(1879年)生まれ」と紹介している[15]。生育時の木の直径はもっとも太い部分で1.35mであり、高さは約40mだった[16]。25トントラックを用いて搬出し、磨き丸太のままフロアに据えられた[16]。中間部分から四方に伸びる梁が「枝」を、閲覧室の大天井が「葉」をイメージしている[16]。中にはスギの木に抱きつく大人もいるという[3]

館内

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館内には開架貸出室(一般書・児童書)、ブラウジングコーナー、閲覧室、企画展示コーナーがある[17]。小説家の井上靖天竜川について著した『天竜川・讃』の原稿などを展示している[14]。2017年(平成29年)4月時点で、新聞は静岡新聞中日新聞の2紙を、雑誌は14誌を購読している。電話帳は静岡県全域と愛知県の一部を所蔵しており、住宅地図は浜松市天竜区の一部(佐久間地区・水窪地区)を所蔵している[17]

平日は年配者や親子連れなどの地域住民が多いが、休日にはドライブ客や鉄道ファンなどの観光客も訪れる[13]。高齢者向けの体験講座、親子向けのおはなし会などを積極的に開催している[3]。佐久間地域の観光案内所という性格も有しており、図書館にはガイドブックやウォーキングマップが設置されている[3]

利用案内

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佐久間図書館と中央図書館の位置関係
  • 開館時間
    火曜-金曜日 : 10時-18時30分(4月-9月)
    火曜-金曜日 : 10時-18時(10月-3月)
    土曜・日曜日 : 9時30分-17時30分
  • 休館日
    月曜日、祝日、年末年始、館内整理日、蔵書点検期間
  • アクセス
    JR東海飯田線佐久間駅下車すぐ

脚注

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注釈
  1. ^ 図書館・図書室を併設する駅としてはほかに、大堀駅陸羽東線1984年[10]大安駅三岐鉄道三岐線1986年いなべ市大安図書館[10]女満別駅石北本線1990年、大空町女満別図書館)[10]越中舟橋駅富山地方鉄道本線1998年舟橋村立図書館[11]などがある。なお1980年代から1990年代にかけて、ローカル線の駅では駅舎の改築の際に他の施設を併設することが流行していた[12]
出典
  1. ^ a b c d 統計情報: 平成28年度 浜松市立図書館
  2. ^ a b 「三遠南信~人・交わり 第6章 JR飯田線(3)佐久間駅 駅舎と図書館が一体化」静岡新聞、2012年9月6日
  3. ^ a b c d e f g 「しずおか駅舎探訪(9) JR東海・佐久間駅(浜松市天竜区)図書館が待合室代わり」静岡新聞、2017年8月17日
  4. ^ a b c d e 「駅と図書館が同居 JR飯田線佐久間駅に開館 県内初のケース」静岡新聞、1989年6月23日
  5. ^ a b c d e 「JR飯田線佐久間駅前の佐久間町立図書館がオープン満2年」静岡新聞、1991年6月22日
  6. ^ 統計情報: 平成17年度 浜松市立図書館
  7. ^ 統計情報: 平成18年度 浜松市立図書館
  8. ^ 統計情報: 平成19年度 浜松市立図書館
  9. ^ 統計情報: 平成20年度 浜松市立図書館
  10. ^ a b c 福田 1999, p. 35.
  11. ^ 富山地方鉄道・越中舟橋駅に併設されているのは?”. 北日本新聞 (2011年3月17日). 2017年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月15日閲覧。
  12. ^ 福田 1999, pp. 34–36.
  13. ^ a b 清水麻子『静岡 本のある場所』マイルスタッフ、2014年、p.124
  14. ^ a b c 「町の自慢 駅に併設、町立図書館 佐久間町」静岡新聞、1994年4月24日
  15. ^ 無人駅の駅舎に図書館!? 佐久間図書館 浜松市
  16. ^ a b c 「町立図書館の大黒柱だ 杉の大木切り出す 佐久間町」静岡新聞、1989年1月9日
  17. ^ a b 佐久間図書館 浜松市立図書館

参考文献

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  • 福田行高「駅と地域社会―ローカル鉄道の駅舎の多機能化」『地理』第44巻第10号、古今書院、1999年、33-40頁。 

関連項目

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外部リンク

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