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ディカリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二核菌から転送)
ディカリア (Dikarya)
分類
: 菌界 Fungi
亜界 : ディカリア Dikarya
学名
Dikarya
Hibbett, T.Y. James & Vilgalys 2007[1]
シノニム

Carpomycetaceae Bessey (1907)
Neomycota Caval.-Sm. (1998)

担子菌の有糸分裂サイクルで示される二核体。2つの核が別々の菌体から発生したことに注目

ディカリア (Dikarya) は、菌界 (Fungi) の一部分を構成する分類群亜界 subkingdom)のひとつである。直訳すれば「二核の分類群」であるが、実際には、単純に「一個の細胞の中に二個の核を含む」ことを意味するのではなく、生活環の少なくとも一部において「おのおのが性的に異なる因子を有した二個(あるいはそれ以上)の核が、融合することなく一個の細胞の中に共存する」重相の世代を持つことを特徴とする[2]。21世紀に入ってから提唱された概念であり、日本語としての訳語はまだ安定しておらず、「二核菌亜界」あるいは「重相菌亜界」などと訳される。

担子菌門 (Basidiomycota) と子嚢菌門 (Ascomycota) とを包含する。これに所属する菌類は、一般に二核体 (dikaryon) を形成する。これは菌糸または単細胞(いわゆる酵母など)の体制をとり、鞭毛を欠いている。従来の菌類の分類体系において藻菌類の名のもとに扱われてきた、古典的な呼称としての鞭毛菌類ツボカビなどを含む)および接合菌類ケカビなどを含む)は、ディカリアには含まれない。

「高等菌類」とも呼ばれることがあるが、従来は不完全菌として分類されてきた無性的増殖のみを行う(あるいは、無性世代のみしか発見されていない)分類群も含まれる [1]

この2門は系統学的には同一起源のグループと考える研究者が多い[3][4]

参考文献

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  1. ^ a b Hibbett, D.S. et al. (Mar 2007). “A higher level phylogenetic classification of the Fungi”. Mycological Research 111 (5): 509-547. doi:10.1016/j.mycres.2007.03.004. 
  2. ^ 細谷剛、2008.2.9.1.新しい菌類の分類体系. in 菌類のふしぎ-形とはたらきの驚異の多様性-(国立科学博物館[編])、pp. 95-97.東海大学出版会、秦野市. ISBN 978-4-486-01793-6
  3. ^ Lutzoni F et al (2004). “Assembling the fungal tree of life: progress, classification, and evolution of subcellular traits”. American Journal of Botany 91: 1446-1480. 
  4. ^ James, T.Y., et al (2006). “Reconstructing the early evolution of Fungi using a six-gene phylogeny”. Nature 443: 818-822. PMID 17051209. オリジナルの2007年6月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070611073022/http://plantbio.berkeley.edu/~taylor/papers/James2006.pdf. 

外部リンク

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