ポル音島
乶音島 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 볼음도 |
漢字: | 乶音島 |
発音: | ポルムド |
日本語読み: | ふつおんとう[* 1] |
文化観光部2000年式: マッキューン=ライシャワー式: |
Boreum‑do Porŭm‑do |
現地名: 볼음도(乶音島) | |
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名の由来 | 「満月島」から、「(陰暦)15日」つまり「満月の日」を意味する「보름(ポルム)」の「島」に由来[1][2]。 |
地理 | |
場所 | 黄海 |
座標 | 北緯37度40分10秒 東経126度11分44秒 / 北緯37.66944度 東経126.19556度 |
諸島 | 江華郡附属島嶼[2] |
面積 | 6.57 km2 (2.54 sq mi)[1] |
海岸線 | 16.0 km (9.94 mi)[1] |
最高標高 | 103 m (338 ft)[1] |
最高峰 | 腰玉山(요옥산; ヨオクサン)[1] |
行政 | |
道 | 仁川広域市 |
郡 | 江華郡 |
面・里 | 西島面乶音島里 |
乶音島(ポルムとう)は、大韓民国仁川広域市江華郡西島面乶音島里にある島である[1][2]。西島面では最も大きな島である[1][2]。面積は 6.57 km2で、海岸線の長さは 16.0 kmである[1]。江華島から西に 7 km、黄海道の延白郡と 5.5 km離れた西海最北端に位置する[2]。北の海岸線は休戦ラインの南方限界線である[1][2]。
1896年の行政区域改編で喬桐郡に属してから、1915年、京畿道江華郡の附属島嶼として編入された[2]。1962年には乶音出張所が設置され、1995年に仁川広域市に編入された[2]。
概要
[編集]朝鮮王朝仁祖の時、明に行った林慶業が風浪に見舞われてこの島に滞留する中で丸い月を見たことから、満月島(만월도; マンウォルド)と言ったと伝わる[1][2]。そののち、丸い月である15日月(보름달; ポルムタル[2][* 2])の発音のまま、ポルム島(볼음도; ポルムド)[2]と改称して[1]、発音に従って漢字化が行われた[1][* 1]。今も林慶業の祭祀を執り行う祠がある[1]。
北の烽火山(봉화산; ポンフヮサン:83 m)と西北の腰玉山(요옥산; ヨオクサン:103 m)などが高い山地を形成しており、その間はおおむね低く平坦な地域で[1][2]、そこに集落が形成された[2]。海岸は大部分傾斜が緩やかながら、腰玉山付近の海岸は急傾斜をなす[1]。過去には海岸線がとても複雑だったが、干拓事業を通じて単純に変わり、農耕地が大きく増加した[1]。
南の沙浜海岸は、ヨンットゥル海水浴場[* 3]とチョゲコル海水浴場[* 4]として利用されている[1]。また、ヨンットゥルの海浜は自然学習場として活用され、チョゲコル海水浴場では貝の採集(潮干狩り)ができる[2]。1月の平均気温は -3.0°C、8月の平均気温は 24.2°C、年降水量は 1,448 mmである[1]。
2009年現在、人口は 280 名(男 143 名、女 137 名)が居住しており、世帯数は 157 世帯である[1]。1999年12月末時点では、124 世帯、284 名の住民が暮らしていた[2]。集落は大部分、島の中央[1]、烽火山と腰玉山の間にある低く平坦な地域[2]に位置し、アンマル(안말[* 5])・センマル(샛말[* 6])と東部のタンアレ(당아래(堂아래)[* 7])村など幾つかの自然村を中心に密集している[1]。住民たちは大部分農業や漁業に従事する[1][2]。
土地利用現況は、田 1.52 km2、畑 0.64 km2、林野 3.74 km2である[1]。主要農産物は米・大麦・大豆・ジャガイモ・ニンニク・唐辛子などである[1][2]。海産物は、微々たるものながら[2]、白蛤とエビ・マナガツオ・ガザミなどの生産量が多い[1]。白蛤の養殖も広く行われている[2]。
大韓民国指定天然記念物第304号に指定されたイチョウが有名で[2]、北西の海岸付近にある[1]。交通は江華郡外浦里から定期旅客船が運行されている[1]。教育機関としては、西島初・中・高等学校の初等学校と中学校の分教場がそれぞれ1校ずつある[1]。
乶音島の属する仁川広域市、特に江華郡周辺は、遠浅の海が大きく広がって干潟が多く、特に西島面、乶音島周辺は鳥たちの楽園となっており、カラシラサギ・クロツラヘラサギなど20余種の鳥たちがエサを求めて多数集まってくる[2][7]。
漁港
[編集]天然記念物
[編集]- 江華乶音島のイチョウ - 天然記念物第304号
乶音島の雨温図
[編集]乶音島 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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雨温図(説明) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ a b 「甫(보; ポ)」+「乙(을; ウル)」=「乶(볼; ポル)」。よって、日本語での音読みも仮に「甫」の「フ」と「乙」の「イツ」を合わせて「フツ」とした。
- ^ 「보름(ポルム」は、「(陰暦)15日」つまり満月の日(日本語では「望(もち)の日」という[3])のことで、「보름날(ポルムナル」の省略形。「날(ナル)」は「日(1日)」なので、「보름날(ポルムナル」は「望の日」、「달(タル)」が「月」を意味する。
- ^ 「ヨンットゥル(영뜰(營뜰))[4]」は「ヨンジョン(영정(營庭))[5]」の同義語で、「役所の庭」を意味する(「ットゥル(뜰)」が「庭」の意味)。日本文化に合わせてわかりやすく言えば、「お白洲」、つまり「きれいな砂浜」という意味である。
- ^ 「チョゲ(조개)」は「貝」、「コル(골)」は「村」また「谷間」を意味する。
- ^ 「奥村」または「中(内)村」の意味。
- ^ 「新村」の意味。
- ^ 「お堂の麓」の意。上述の林慶業を祀る祠堂のある山(堂山、당산; タンサン)の麓にあることから[6]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab キム・チュフヮン(김주환) (1995(2010)). “볼음도(乶音島)” [乶音島] (朝鮮語). 韓国民族文化大百科事典. 韓国学中央研究院. 2020年1月2日閲覧。
- ^ 『望(もち)の日』 - コトバンク
- ^ “'영뜰': NAVER韓国語辞書” (朝鮮語). NAVER 辞典. 국어사전βeta (国語辞典βeta). ネイバー. 2020年1月4日閲覧。
- ^ “'영정': NAVER韓国語辞書” (朝鮮語). NAVER 辞典. 국어사전βeta (国語辞典βeta). ネイバー. 2020年1月4日閲覧。
- ^ “지명의 유래 / 서도면 볼음도리(乶音島里)” [地名の由来/西島面乶音島里] (朝鮮語). 仁川広域市. 仁川広域市 (2013年12月1日). 2020年1月3日閲覧。 “○タンアレ/堂山の麓にあるムラで、堂下村(당하촌; タンハチョン)とも呼ぶ。”
- ^ “江華干潟とヘラサギ繁殖地”. GANGHWA COUNTY. 文化遺跡 / 天然記念物. 江華郡庁. 2019年11月20日閲覧。
- ^ “NASA Earth Observations Data Set Index”. NASA. 2016年1月30日閲覧。
関連書籍
[編集]- イ・チェオン(이재언) (2017) (朝鮮語), 한국의 섬: 인천광역시・경기도(韓国の島:仁川広域市・京畿道), 한국의 섬 시리즈(韓国の島シリーズ), 지리와역사(地理と歴史), ISBN 9791195838936 - ガイドブック
- ペク・スンヒュ(백승휴) (2017) (朝鮮語), 볼음도(乶音島), 포토테라피스트 백승휴의 힐링여행(フォトテラピスト ペク・スンヒュのヒーリング旅行), 아이이북(IEBOOK), ISBN 9791160780093 - 写真家ペク・スンヒュの写真集(電子書籍)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “볼음도” [乶音島] (朝鮮語). NAVER 지식백과 (ネイバー知識百科). 인천 보물섬에서 놀자 (仁川の宝島で遊ぼう). ネイバー. 2020年1月3日閲覧。
- “볼음도 - 아는 사람만 몰래 찾아가는 천혜의 섬 - [ 乶音島 ]” [乶音島 - 知る人だけが密かに訪れる天恵の島 -] (朝鮮語). NAVER 지식백과 (ネイバー知識百科). 한국의 섬 - 인천광역시·경기도 (韓国の島 - 仁川広域市・京畿道). ネイバー. 2020年1月3日閲覧。