法務部調査局
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(中華民国法務部調査局から転送)
法務部調査局(ほうむぶちょうさきよく、中国語繁体字:法務部調查局、英語:Ministry of Justice, Investigation Bureau;略称MJIB)とは、中華民国の法務部に設置されている捜査機関。局職員は、司法警察権を有する。法務部組織法で「調査局」の設置が規定され、組織の詳細は法務部調査局組織法に規定されている。
日中戦争時代は、中央執行委員会調査統計局と呼ばれ、略して中統として知られた。
歴史
[編集]1928年、国民党中央組織部調査科設立。1935年、中央組織委員会党務調査処に昇格。その後、中央執行委員会調査統計局(中統)に昇格。1947年、党員通訊局に改称。
1949年4月、内政部調査局に改編。同年12月、政府に従い台北に移る。1956年6月1日、司法行政部に移管。
1980年8月1日、法務部調査局に改称。
機構
[編集]法務部調査局組織法に規定されている。
- 国家安全維護処 - 内乱・外患の取締。国家機密漏洩の取締。
- 廉政処 - 汚職取締及び買収の査察
- 経済犯罪防制処 - 重大経済犯罪の取締
- 毒品防制処 - 劇毒物の取締
- 洗銭防制処 - マネーロンダリングの取締
- 資通安全処 - コンピュータ犯罪の取締、鑑識及びセキュリティ処理
- 国内安全調査処 - 国内安全の調査
- 保防処 - 機関防諜業務及び全国防諜、国民防諜教育の協調、執行
- 国際事務処 - 国内外関連機関との協調連携、国際協力、国家安全調査及び多国籍犯罪案件の捜査協力
- 両岸情勢研析処 - 両岸情勢及び犯罪活動資料の収集・分析
- 諮詢業務処 - 国内安全及び犯罪の調査・取締の企画・管理
- 鑑識科学処 - 化学、文書、物理、法医鑑識及び科学技術支援
- 通訊監察処 - 通信監察及び証拠収集器材の管理支援
- 督察処 - 調査局職員の風紀考査、業務監督と査察
- 総務処 - 本局の財産、文書、記録、出納、庶務管理
- 公共事務室 - 本局の活動宣伝、検挙陳情の受理、参観の接待、新聞との連携、国民サービスその他の公共事務
- 秘書室
- 人事室
- 会計室
- 政風室
各省(市)、県(市)及び重要地区には、調査処、調査站又は工作站が設置されている。
歴代局長
[編集]内政部調査局長
[編集]- 季源溥(1949年4月~1956年5月)
司法行政部調査局長
[編集]- 季源溥(1956年6月~)
- 張慶恩
- 沈之岳(1964年5月~1978年1月)
- 阮成章(1978年1月~1980年7月)
法務部調査局長
[編集]- 阮成章(1980年8月~1984年6月)
- 翁文維(1984年7月~1989年5月) - 局内部から昇進した唯一の局長
- 呉東明(1989年5月~1995年2月) - アメリカ合衆国、パデュー大学の機械工学博士
- 廖正豪(1995年2月~1996年6月) - 最初の文民局長。後に法務部長
- 王栄周(1996年6月~1998年3月)
- 王光宇(1998年7月~2001年8月)
- 葉盛茂(2001年8月~2008年7月) - 退任後に起訴された最初の局長
- 呉瑛(2008年7月~)
参考文献
[編集]- 「正在進行的諜戦」、聞東平、明鏡出版社、2009年、ISBN 978-1-932138-86-3
関連項目
[編集]- 国防部参謀本部軍事情報局 - 軍統(軍事委員会調査統計局)の後継機関
- 公安調査庁 - 内務省から内事局を経て、法務庁(現・法務省)に移管されるなど、経緯が酷似しているものの、司法警察権は有していない。
- 麻薬取締部 - 厚生労働省地方厚生局にある麻薬取締部門。
- 麻薬取締局
外部リンク
[編集]- 法務部調査局公式HP(繁体字、英語)