客風三刻
客風三刻(おたかぜさんこう、コーフォンサンコー)とは、麻雀におけるローカル役の1つ。役牌ではない3種の風牌を刻子または槓子にすると成立する。喰い下がりなしの2飜もしくは3飜。「客風三風」(コーフォンサンフォン)とも呼ばれる。
概要
[編集]通常の東南回しの半荘戦の場合、客風三刻をあがれるのは東場の東家か南場の南家だけである。例えば東場の西家の場合、役牌になる風牌は東と西であり、客風は南と北しかない。南と北の2種しか客風がないので、東場の西家には客風三刻は作れない。つまり客風三刻は、ダブ東やダブ南に該当するプレイヤーにしか作れない。東風戦であれば当然東場の東家にしか作れない。
3飜の役とする場合もあるが、高すぎるとの見方がある[1]。
牌姿の例
[編集](例)東場の東家/対々和との複合
- ダブ東以外の風牌3つが刻子になっている。客風三刻+対々で親満。客風三刻を採用していないルール、つまり通常のルールでは、この手は対々のみの親3900点である。
(例)南場の南家/混一色との複合
- ダブ南以外の風牌3つが刻子になっている。客風三刻+混一色で満貫。客風三刻を採用していないルール、つまり通常のルールでは、この手は混一のみのバカホン、子2600点である。
定義揺れ
[編集]親(東家)にのみ認められる役とする書籍[2]もある。その場合は東場の東家が南・西・北を揃えたときのみ有効で、南場の南家が東・西・北を揃えても認められない。
また、親(東家)でさえあれば場風は関与しないとする書籍[1]もある。その場合は東家が南・西・北を揃えれば場風とは複合せずに三飜として扱う。
三風刻・三風子
[編集]三風刻(サンフォンコー、さんぷうコー)とは、客風でなくとも3種の風牌で刻子を作った場合に付くローカルルールの役である。二飜。これを認める場合、客風三刻でなければ必然的に最低1種の刻子は役牌と重複するため、実質的には客風三刻と点数は同じになる。なお、中国のルールでは三風刻は正式な役として認められている。
(例)風牌3つが刻子になっていれば成立
- 現状ではのノベタンだが、一手変わりで小四喜になる。
三風子(サンフォンツ)は三風刻と条件が同じ役(事実上、三風刻の別名)である。田村光昭『麻雀初級脱出読本』[3]によると、大三元に対する小三元の連想で、四喜和の下位役として作られた。書籍によっては単に三風と呼ぶもの[4]もある。
脚注
[編集]- ^ a b 佐藤芳清『入門の方にもベテランの方にも 麻雀大解説』ごま書房、2003年、164頁。ISBN 9784341082482。
- ^ 鈴木知志『まず覚えよう麻雀カンペキ点数計算 - 実戦から学ぶ勝利の方程式』大泉書店、1998年。ISBN 9784278048148。
- ^ 田村光昭『麻雀初級脱出読本』ひかりのくに、1996年。ISBN 9784564402166。
- ^ 東京雀豪倶楽部『麻雀の鉄人』リヨン社、1995年。ISBN 9784576950129。