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三文字頭字語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三文字略語から転送)

三文字頭字語(さんもじとうじご、three-letter acronym)または三文字略語(さんもじりゃくご、three-letter abbreviation)、略して TLA は、(主としてラテンアルファベット)3文字からなる頭字語である。これらは通常、複合語を構成する各単語の頭文字だけを並べたもので、全て大文字で書かれる。"TLA"という語自体も三文字頭字語である(自己整合語)。

ほとんどの三文字頭字語は、1字ずつアルファベットの名のままで読む(イニシャリズム)。例えば、United States of America の略語"USA"は、「ユーサ」「ウサ」ではなく「ユーエスエイ」と発音する。一部の三文字頭字語は、通常の単語と同じように発音する。例えば、computer-aided design の略語"CAD"は「キャド」と発音する。

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歴史と起源

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文献における”three-letter acronym”というフレーズの初出は、1975年である[1]。TLA は生物学ニーモニックとして用いられ[2]、その実用的な利点は1982年にウェーバーによって紹介された[3]。他にも多くの分野で使用されているが、特にコンピュータ関連でよく使われている[4] 。コンピュータ分野における TLA の生成について、1982年の JPL の報告で言及されている[5]

1980年には、シンクレア ZX81 ホームコンピュータのマニュアルに TLA が使用されていた[6]。1988年の、「本当にコンピュータサイエンスを教えることの残虐性について」(On the cruelty of really teaching computer science)と題する論文で、著名なコンピュータ科学者エドガー・ダイクストラは、「今日、TLA なしではいかなる努力も尊重されないので……」と書いた[7]。1992年までに、マイクロソフトのハンドブックに収められていた[8]

TLA の使用は、産業と学術の両方で普及し、今日では一般的に理解されている。

組み合わせ

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A から Z までのアルファベットの26文字を使用して作成し得る TLA(AAA, AAB, ...ZZY, ZZZ)の数は、26×26×26 = 17,576個 である。3文字目に0〜9の数字を使うことができれば、26×26×10 = 6760個 増えて合計 24,336個 となる。 

英語では、WWW発音すると最長となる TLA であり、一般的には9つの音節が必要となる。TLA の有用性は、表現するフレーズをより短かく言うことができることであるが、"WWW"は略す前の"World Wide Web"の3倍の音節を必要とする。そのため、"WWW"は時折"dubdubdub"(ダブダブダブ)のように発音される[9]

脚注

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  1. ^ Levy, M. J. (1975). “Review of The Logic of Social Systems”. American Journal of Sociology 81 (3): 658. JSTOR 2777655. "The acronyms DSE and DNA have something in common: each is a three-letter acronym." 
  2. ^ Seavey, S. R.; Raven, P. H. (1977). “Chromosomal Differentiation and the Sources of the South American Species of Epilobium (Onagraceae)”. Journal of Biogeography 4 (1): 57. doi:10.2307/3038128. JSTOR 3038128. "All taxa indicated by three-letter acronyms with strains indicated by a fourth letter if necessary." 
  3. ^ Weber, W. A. (1982). “Mnemonic Three-Letter Acronyms for the Families of Vascular Plants: A Device for More Effective Herbarium Curation”. Taxon 31 (1): 74–88. doi:10.2307/1220592. JSTOR 1220592. 
  4. ^ Nilsen, K. D.; Nilsen, A. P. (1995). “Literary Metaphors and Other Linguistic Innovations in Computer Language”. The English Journal 84 (6): 65–71. JSTOR 820897. 
  5. ^ TDA Progress Report R. Hull (1982) An Introduction to the new Productivity Information Management System page 176
  6. ^ Steven Vickers ZX81 Basic Programming, Sinclair Research Limited, page 161 "As you can see, everything has a three letter abbreviation(TLA)."
  7. ^ On the cruelty of really teaching computer science
  8. ^ Dan Gookin (1992) The Microsoft Guide to Optimizing Windows page 211
  9. ^ DigiSpeak: A Glossary of the New Lingo”. bryn mawr alumnae bulletin. Bryn Mawr College Alumnae Association (May 2011). August 14, 2016閲覧。

関連項目

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