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2012年ロンドンオリンピックのバドミントン競技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2012年ロンドンオリンピック
バドミントン
会場ウェンブリー・アリーナロンドン
開催日7月28日 - 8月5日
参加選手数 172人
« 20082016 »
2012年ロンドンオリンピック
のバドミントン競技

シングルス   男子   女子  
ダブルス   男子   女子   混合

2012年ロンドンオリンピックバドミントン競技(2012ねんロンドンオリンピックのバドミントンきょうぎ)は、ウェンブリー・アリーナ7月28日から8月5日の日程で開催された。

男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの5種目に、合計172名の選手が参加した[1]

試合形式

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オリンピックのバドミントン競技としては初めて、グループリーグと決勝トーナメントの2つのステージに分けて行われた[2]

すべての試合は2ゲーム先取の3ゲームマッチで、各ゲームで21点を先取したサイドがそのゲームの勝者となる。スコアが20点オールになった場合には、その後最初に2点リードしたサイドがそのゲームでの勝者となる。スコアが29点オールになった場合には、30点目を得点したサイドがそのゲームでの勝者となる[3]

組み合わせ発表は、2012年7月23日に行われた[4]

選考方法

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オリンピック出場選手は、2012年5月3日付の世界バドミントン連盟(BWF)ランキングに基づき選出された。このランキングは、2011年5月2日から2012年4月29日までの1年間で獲得したランキングポイントにより決定された。

各国オリンピック委員会(NOC)からエントリーできる最大人数は、シングルスでは各種目3名、ダブルスでは各種目4名(2組)である。シングルスでは、ランキング1位から4位に3名以上がランクインしている場合は3名、1位から16位に2名以上がランクインしている場合は2名、順位にかかわらず1名以上がランクインしている場合は、ランキングの高い順に38名の出場枠に達するまで1名がエントリーできる。ダブルスでは、1位から8位に2組以上がランクインしている場合は2組、順位にかかわらず1組以上がランクインしている場合は、ランキングの高い順に16組の出場枠に達するまで1組がエントリーできる。5つある大陸連盟で、各種目にエントリー資格に該当する選手がいない場合は、最もランキングの高い1名あるいは1組が大陸連盟の代表として選出される[1]

競技日程

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時間はイギリス夏時間UTC+1

P 予選 R ラウンド16 ¼ 準々決勝 ½ 準決勝 F 決勝
日程 → 28 29 30 31 1 2 3 4 5
種目 ↓ M A E M A E M A E M A E M A E M A E M A M A M A
男子シングルス P R ¼ ½ F
男子ダブルス P ¼ ½ F
混合ダブルス P ¼ ½ F
女子シングルス P R ¼ ½ F
女子ダブルス P ¼ ½ F
M = モーニングセッション, A = アフタヌーンセッション, E = イブニングセッション

競技結果

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種目
男子シングルス
詳細
中国 林丹
中国 (CHN)
マレーシア リー・チョンウェイ
マレーシア (MAS)
中国 諶龍
中国 (CHN)
男子ダブルス
詳細
中国 中国 (CHN)
蔡贇
傅海峰
デンマーク デンマーク (DEN)
マシアス・ボー
カーステン・モーゲンセン
韓国 韓国 (KOR)
鄭在成
李龍大
女子シングルス
詳細
中国 李雪芮
中国 (CHN)
中国 王儀涵
中国 (CHN)
インド サイナ・ネワール
インド (IND)
女子ダブルス
詳細
中国 中国 (CHN)
田卿
趙芸蕾
日本 日本 (JPN)
藤井瑞希
垣岩令佳
ロシア ロシア (RUS)
バレリー・ソロキナ
ニナ・ビスローバ
混合ダブルス
詳細
中国 中国 (CHN)
張楠
趙芸蕾
中国 中国 (CHN)
徐晨
馬晋
デンマーク デンマーク (DEN)
ヨアシム・フィッシャー・ニールセン
クリスティナ・ペデルセン

国・地域別のメダル獲得数

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国・地域
1 中国 中国 (CHN) 5 2 1 8
2 デンマーク デンマーク (DEN) 0 1 1 2
3 日本 日本 (JPN) 0 1 0 1
マレーシア マレーシア (MAS) 0 1 0 1
5 インド インド (IND) 0 0 1 1
ロシア ロシア (RUS) 0 0 1 1
韓国 韓国 (KOR) 0 0 1 1
合計 5 5 5 15

無気力プレーによる失格

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映像外部リンク
試合映像
Badminton Women's Doubles - Korea v China | London 2012 Olympics - 王暁理・于洋組(中国) vs 鄭景銀・金荷娜組(韓国)の試合、Olympics公式YouTubeチャンネル

女子ダブルスの1次リーグで3試合中2勝利して決勝トーナメント進出を決定していて消化試合となっていた4ペア8選手が、1次リーグ最終戦において決勝トーナメントの組み合わせを考慮して故意に試合に負けようとする無気力試合をする事態が発生した。

7月31日、ともにA組で2勝して1次リーグ突破が決定していた中国の王暁理于洋組と韓国の鄭景銀金荷娜組が対戦した。この試合に勝って1位通過した場合、世界ランキング2位で1次リーグをD組2位で通過した中国の趙芸蕾田卿組と決勝トーナメントの準決勝で当たるが、2位通過ならば決勝まで当たらないという組み合わせだったため、双方とも試合に負けることを狙い、無気力試合の応酬となった。最終的には鄭景銀・金ハナ組が勝ち、王暁理・于洋組が敗れた。C組のインドネシアのメイリアナ・ジャウハリグレシア・ポリイ組と韓国の河貞恩金旼貞組の試合でも、やはり双方が敗れて2位で決勝トーナメントに進出することを狙い、同様に無気力試合の応酬となった。この試合では河貞恩・金旼貞組が勝ち、メイリアナ・ジャウハリ・グレシア・ポリイ組が敗れた。4ペア8人が行った無気力試合は、シャトルをネットに打ち込んだりサーブを外したりして、ポイントを相手に与えるプレーを故意に繰り返すものであった[5][6]

世界バドミントン連盟は選手行動規範が規定する不適切行為である「勝つための努力を怠る」「スポーツ精神にもとる、明白に有害な行為」に前述の無気力試合が該当するとして、4ペア8人を失格処分とした[7]

これにより1次リーグで敗退していたバレリー・ソロキナニナ・ビスローバ組(ロシア)、アレックス・ブルースミシェル・リー(カナダ)、Leanne ChooRenuga Veeran組(オーストラリア)、Michelle EdwardsAnnari Viljoen組(南アフリカ)の4ペアが繰り上がりで準々決勝に進んだ[8][9]

これに関連してブルガリアのペトヤ・ネデルチェワ英語版やザイチャペは「中国選手は自国選手同士の争いを回避するため、20回も勝負を操作したことがある」と語った。またドイツのツビブラー(Marc Zwiebler)も「2008年のトーマスカップ大会で韓国が強いチームとの対戦を避けてイギリスに意図的に負けたことがある」と非難している[10]。スポーツ評論家の玉木正之も「予選リーグ制度を導入した時点で、決勝トーナメントの相手を選ぶ事態が起きることはわかっていた」とコメントした[11]

ちなみに今回の騒動にからんで、韓国は当該選手を2年間の出場停止と厳しい処分を課すのかと思われたが騒動の沈静化後に徐々に処分を緩め、24日後に結局撤回している。[12][13][14]

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b 2012年ロンドンオリンピック選考規定 - 日本バドミントン協会 (PDF)
  2. ^ 2012年ロンドンオリンピック試合形式 - 日本バドミントン協会 (PDF)
  3. ^ バドミントン競技規則(諸規程集)2012−2013 - 日本バドミントン協会 (PDF)
  4. ^ News - London 2012: Olympic Games LIVE DRAW - Badminton World Federation
  5. ^ サーブ「わざと」ミスの応酬、勝って笑顔なし バドミントン女子「無気力試合」の一部始終”. J-CASTニュース (2012年8月2日). 2024年8月5日閲覧。
  6. ^ 藤井瑞希 (2021年7月7日). “バドミントン五輪初表彰台の舞台裏 無気力試合で金メダル候補4組が失格処分…前代未聞の異常事態”. 日刊ゲンダイ. 2024年8月5日閲覧。
  7. ^ 物議醸す無気力試合…「他競技でも」の異論も 読売新聞 2012年8月3日
  8. ^ “五輪=バドミントン「無気力試合」、ベスト8入りの4組失格”. ロイター. (2012年8月1日). https://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPTYE87007L20120801/ 
  9. ^ “バドミントンで“無気力試合”の4組失格…今後の対応は未定”. スポーツニッポン. (2012年8月1日). https://web.archive.org/web/20120803031846/http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2012/08/01/kiji/K20120801003813940.html 
  10. ^ 中国の無気力プレーを真似て恥をかいた韓国バドミントン(2)”. 中央日報 (2012年8月1日). 2012年8月2日閲覧。
  11. ^ 五輪バドミントン:リーグ制の副作用 故意敗戦見解分かれ”. 毎日新聞 (2012年8月1日). 2012年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月2日閲覧。
  12. ^ “2012年8月14日 無気力韓国ペアの代表剥奪、出場停止2年”. http://london2012.nikkansports.com/badminton/news/f-sp-tp0-20120814-1000702.html 
  13. ^ “2012年8月23日 無気力試合の韓国4選手、出場停止6か月処分”. オリジナルの2014年4月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140428174408/http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2012/news/ballgame/badminton/1/20120823-OYT1T00211.htm 2020年5月29日閲覧。 
  14. ^ “韓国五輪委員会、「無気力試合」4選手の国内出場停止処分を解除”. https://www.afpbb.com/articles/-/2899567?pid=9477537 

外部リンク

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