ロマン・ガリー
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ロマン・ガリー Romain Gary | |
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ペンネーム | エミール・アジャール |
誕生 |
1914年5月8日 ロシア帝国 ヴィリナ |
死没 | 1980年12月2日(66歳没) |
職業 | 作家 |
国籍 | フランス |
活動期間 | 1945–1980 |
文学活動 | |
配偶者 |
en:Lesley Blanch (1944–1961) ジーン・セバーグ (1962–1970) |
ウィキポータル 文学 |
ロマン・ガリー(Romain Gary, 1914年5月8日 – 1980年12月2日)は、フランスの小説家、映画監督、外交官。ロオマン・ギャリイ、ロマン・ガリ、ロマン・ギャリー等と表記されることもある。
生涯
[編集]1914年、ロシア帝国領ヴィリナ(後にポーランド領ヴィルノ、現在はリトアニア共和国の首都ヴィルニュス)で生まれた。出生名はロマン・カツェフ(Roman Kacew)[1]。 14歳の時、母と共にフランスニースに移り住み、フランスに帰化した。
第二次世界大戦後、フランス外務省に勤務し、ブルガリア、スイス、アメリカ各国の大使館参事官や、ロサンゼルス駐在領事を務めた。
1956年ロマン・ガリー名義(『自由の大地 天国の根』)と1975年エミール・アジャール名義(『これからの一生』)で、2度ゴンクール賞を受賞した。
映画女優のジーン・セバーグと結婚し、『ペルーの鳥』の監督など映画界でも活躍した。『レディL』など映画化された作品も多い。
1980年12月2日、拳銃自殺。自殺の直前にガリマール社の担当者へ、自分の死はジーン・セバーグの自殺とは関係ないことと、エミール・アジャールが自分であることを記した文書を送った。文書の最後は、「大いに楽しんだ。ありがとう。さようなら」と結ばれていた。
人物
[編集]- ロジェ・グルニエは次のように書いている。[2]
「バック通りはわが祖国だ」、ギャリはこう語っていた。ギャリのなかには、タタール人、ユダヤ人、ロシア人、ポーランド人と、さまざまな血が混じっていたけれど、彼は世界市民にも、ヨーロッパ市民にも、フランス市民にもなりたいとは思わなかった。
受賞歴
[編集]- ゴンクール賞
- (1956年) - ロマン・ガリー、(fr:Les racines du ciel(『天国の根』)に対して)
- (1975年) - エミール・アジャール、(La vie devant soi(『これからの一生』)に対して)
作品
[編集]ロマン・ガリー名義
[編集]- 『白い嘘』(Education européenne(A European Education))(1945)
- Tulipe (1946)
- Le grand vestiaire(The Company Of Men) (1949)
- Les couleurs du jour(The Colors of the Day) (1952)
- 『自由の大地 天国の根』(Les racines du ciel(The Roots of Heaven))
- Lady L. (1957)
- 『夜明けの約束』La Promesse de l'aube(Promise at Dawn) (1960); 映画化en:Promise at Dawn (1970)
- Johnie Coeur (1961)
- Gloire à nos illustres pionniers("Hissing Tales")(1962)
- en:The Ski Bum(Adieu Gary Cooper) (1965)
- Pour Sganarelle (1965)
- Les Mangeurs d'Etoiles(The Talent Scout) (1966)
- La danse de Gengis Cohn(The Dance of Genghis Cohn) (1967)
- La tête coupable(The Guilty Head)(1968)
- 『白い犬』(Chien blanc(White Dog)) (1970)映画化「ホワイト・ドッグ」
- Les trésors de la Mer Rouge (1971)
- Europa(1972)
- The Gasp(Charge d'ame)(1973)
- Les enchanteurs(The Enchanters)(1973)
- Au-delà de cette limite votre ticket n'est plus valable("Your Ticket Is No Longer Valid")(1975)
- Clair de femme (1977)
- La bonne moitié (1979)
- Les clowns lyriques (1979)
- Les cerfs-volants (1980)
- Vie et mort d'Émile Ajar (1981)
- L'homme à la colombe (1984)
- Un Humaniste(短編)
エミール・アジャール名義
[編集]- Gros câlin (1974)
- 『これからの一生』(en:La vie devant soi("Momo"、en:The Life Before Us)) (1975) 映画化『これからの人生』(en:Madame Rosa)
- Pseudo (1976)
- L'Angoisse du roi Salomon("King Solomon") (1979)
- Gros câlin
映画
[編集]監督作品
[編集]- Les oiseaux vont mourir au Pérou 「ペルーの鳥」(1968) 監督・原作・脚本 ※主演ジーン・セバーグ
- Kill! 「殺し」(1971) 監督・脚本 ※ビデオ発売時のタイトルは「バトルキラー」
脚本
[編集]- The Roots of Heaven 「自由の大地」 (1958) 原作・脚本
- 史上最大の作戦 (1962)
原作作品
[編集]- レディL (1965)
- これからの人生 (1977)
- スキャンダラス・ラブ (1979)
- ホワイト・ドッグ (1981)
日本語訳された作品
[編集]- ロマン・ガリー
- 『自由の大地―天国の根 (上・下)』ロオマン・ギャリイ名義、岡田真吉・澁澤龍彦共訳、人文書院、1959年
- 『世界動物文学全集〈9〉自由の大地』ロオマン・ギャリイ名義、講談社、1979年
- 『白い嘘』ロマン・ガリー名義、角邦雄訳、読売新聞社、1968年
- 『白い犬』ロマン・ギャリ名義、大友徳明訳、角川文庫、1975年
- 『ローラ、ローラ……』ロマン・ガリ名義、高木進訳、筑摩書房、1977年
- 『フランス短篇傑作選』「ペルーの鳥」、山田稔編訳、岩波文庫、1991年
- 『ペルーの鳥: 死出の旅へ』ロマン・ギャリ名義 須藤哲生訳 水声社 2017年
- 『夜明けの約束』ロマン・ガリ名義 岩津航訳 共和国<シリーズ世界浪曼派> 2017年
- 『凧』ロマン・ガリ名義 永田千奈訳 共和国<シリーズ世界浪曼派> 2020年
- 『自由の大地―天国の根 (上・下)』ロオマン・ギャリイ名義、岡田真吉・澁澤龍彦共訳、人文書院、1959年
- エミール・アジャール
ガリーを描いた作品
[編集]- 自伝的小説『夜明けの約束』の映画化作品