コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

レプトケラトプス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レプトケラトプス類から転送)
レプトケラトプス科 Leptoceratopsidae
レプトケラトプス・グラキリス骨格図
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 周飾頭亜目 Marginocephalia
下目 : 角竜類 Ceratopia
: レプトケラトプス科 Leptoceratopsidae

レプトケラトプス科学名:Leptoceratopsidae)は、アジア北アメリカに生息していた新角竜類に属する恐竜クレードの一つ。彼らはプロトケラトプス科ケラトプス科のようなコロノサウルス類に似ており実際に近縁であるが、より原始的で一般的に小型である。後期白亜紀カンパニアンからマーストリヒチアンにかけレプトケラトプス科は遠く離れたアジアと北アメリカの両方の大陸に生息していた。その他、スウェーデンで見つかった角竜類も含まれるかも知れず、ヨーロッパにまで分布していた可能性がある[1]。 レプトケラトプス科の可能性があるとされていたセレンディパケラトプスオーストラリアのビクトリアから報告されている属だが、2010年の研究では別の何らかの鳥盤類と改められ、現在は疑問名となっている[2]

レプトケラトプス科は、サントニアン後期(グリフォケラトプスの時代)から白亜紀末のマーストリヒト後期(レプトケラトプスの時代)までの地層に分布している。サントニアンのグリフォケラトプスは既知の確実なレプトケラトプス科の中では最古のものである。アルバータ州産の部分的な左の歯骨に基づいて命名された。グリフォケラトプスは最も原始的な新角竜類で、おそらく北アメリカから知られている成体の角竜としては最小のボディーサイズであった[3]

レプトケラトプス科は北アメリカでは西部において一般的にだが、ノースカロライナのカンパニアン階からの部分的な上顎骨によって、北アメリカ東北部にも生息していたことも知られている。レプトケラトプス科とされるヨーロッパの標本は、スウェーデンのカンパニアン前期のもので、分離した歯と椎骨からなる。前者は北アメリカ東北部における記念すべき最初の角竜類の発見であり、その独特な解剖学的形質をもつ上顎骨は、アパラチア大陸が後期白亜紀に西ヨーロッパとララミディアから長期間隔離されたことにより、固有・独自の動物相を築いていたという仮説を支持するものである[1] 。 アパラチアと西ヨーロッパにおいてレプトケラトプス科が共通して存在していたという事は、それらの生物地理的分散に影響を及ぼし、レプトケラトプス科が西ヨーロッパまたはララミディアのいずれかを通過してアパラチアに出入りしていた可能性を示唆している。しかし、ヨーロッパのレプトケラトプス科も閉鎖的環境で独自の進化を遂げた固有種かもしれない。ヨーロッパではフェノスカンジア盾状地が移動障壁としてはたらいていた可能性が指摘されている[4]

系統発生

[編集]

レプトケラトプス科は Franz Nopcsa von Felső-Szilvá によって1923年に、レプトケラトプス・グラキリスを模式種とし、レプトケラトプス亜科 Leptoceratopsinae として記載されたのが元々である。2001年にピーター・マコヴィッキーはそれを「トリケラトプス・ホリドゥスよりもレプトケラトプス・グラキリスに近縁な全ての種」と再定義し、分類階級を亜科から科に移した[5]。以下の系統樹は2015年のマコヴィッキー他によるトポロジーを参照したもの[3]

角竜下目

インロン

カオヤングサウルス

シュアンフアケラトプス

プシッタコサウルス科

新角竜類

リャオケラトプス

アクイロプス

ヤマケラトプス

アウロラケラトプス

アーケオケラトプス科

ヘリオケラトプス

アーケオケラトプス・オシマイ

アーケオケラトプス・ユジンゼンシス

コリアケラトプス

コロノサウルス類
レプトケラトプス科

アシアケラトプス

ケラシノプス

モンタノケラトプス

イスキオケラトプス

プレノケラトプス

レプトケラトプス

ウダノケラトプス

ズケンケラトプス

グリフォケラトプス

ユネスコケラトプス

グラキリケラトプス

プロトケラトプス科

バガケラトプス

ラマケラトプス

ブレヴィケラトプス

マグニロストリス

プロトケラトプス・ヘレニコリヌス

プロトケラトプス・アンドレウシ

アイカケラトプス

ズニケラトプス

ケラトプス科

出典

[編集]
  1. ^ a b Nicholas R. Longrich (2015). “A ceratopsian dinosaur from the Late Cretaceous of eastern North America, and implications for dinosaur biogeography”. Cretaceous Research 57: 199–207. doi:10.1016/j.cretres.2015.08.004. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195667115300471. 
  2. ^ Agnolin, F.L., Ezcurra, M.D., Pais, D.F. and Salisbury, S.W. (2010). "A reappraisal of the Cretaceous non-avian dinosaur faunas from Australia and New Zealand: Evidence for their Gondwanan affinities." Journal of Systematic Palaeontology, 8(2): 257-300.
  3. ^ a b Yiming He; Peter J. Makovicky; Kebai Wang; Shuqing Chen; Corwin Sullivan; Fenglu Han; Xing XuMichael J. Ryan; David C. Evans et al. (2015). A New Leptoceratopsid (Ornithischia, Ceratopsia) with a Unique Ischium from the Upper Cretaceous of Shandong Province, China. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0144148. 
  4. ^ Lindgren, Johan; Currie, Philip J.; Siverson, Mikael; Rees, Jan; Cederström, Peter; Lindgren, Filip (2007). “The First Neoceratopsian Dinosaur Remains From Europe”. Palaeontology 50 (4): 929–937. doi:10.1111/j.1475-4983.2007.00690.x. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1475-4983.2007.00690.x/full. 
  5. ^ Makovicky, P.J. 2001. A Montanoceratops cerorhynchus (Dinosauria: Ceratopsia) braincase from the Horseshoe Canyon Formation of Alberta, In: Tanke, D.H. & Carpenter, K. (Eds.). Mesozoic Vertebrate Life. Bloomington: Indiana University Press. Pp. 243-262.