リアルライフスーパーヒーロー
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リアルライフスーパーヒーロー(英語: real-life superhero、略称: RLSH[1][2])、スーパーヒーローの覆面やコスチュームを身にまとい、地域社会への奉仕活動や稀に自警行為を行う人の総称[3][4][5]。
活動の初期の例は1990年代から報告されている。例えばメキシコシティのスーパーバリオ・ゴメスは赤いタイツと赤と黄色のルチャリブレのマスクを身に着け、家族が追い出されるのを防ぐために労働組合を結成し、抵抗し、請願書を提出した[6]。リアルライフスーパーヒーローのコミュニティがオンラインのサブカルチャーの意味で形成されたのは2000年代半ばからとなっている[7]。
諸国での認知と活動
[編集]米国
[編集]1980年のナイトライダーなる人物の著書『スーパーヒーローのなり方(How To Be A Superhero)』という本がコンセプトの起源とされる[2]。その数年後にニューオーリンズに出現した「マスター・レジェンド」がリアルライフスーパーヒーローの第1号といわれている[2]。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけにリアルライフスーパーヒーローの数は増えたが、さらに『ウォッチメン』や『キック・アス』などコミックやその映画化もリアルライフスーパーヒーローの数が増えるきっかけになったといわれている[2]。
2011年9月時点で全米には「フェニックス・ジョーンズ」「DC's ガーディアン」「レイザーホーク」など少なくとも200人のリアルライフスーパーヒーローがいるとされる[2]。シアトルには「フェニックス・ジョーンズ」というリアルライフスーパーヒーローによる自警団もある[2]。
日本
[編集]日本ではリアルライフヒーローとも称され、全国各地でごみ拾いや荷物運びの手伝いといったボランティア活動を行っている[8][9]。ローカルヒーローについて研究している城西大学准教授の石井龍太はリアルライフヒーローをローカルヒーローの別称として捉えている[10]。ゴミ拾いにおいては日本各地での広がりがあることが認められ、2020年の「コスプレ de 海ごみゼロアワード」において「全国に広がるリアルライフヒーロー達の活躍」が古谷賞を受賞した[11]。
2013年頃、東京メトロ方南町駅に市販の戦隊ヒーロー風の衣装でベビーカーおろすんジャーと名乗る、エレベーターの無い駅階段でベビーカーや重い荷物を運ぶリアルライフスーパーヒーローが現れた[12]。この模様は日本国内外のメディアにて取り上げられた[13][14][15]。当駅には2019年にエレベーターが設置されたものの[16]、その後も今までと変わらない活動やイベント開催などを続けている[17]。
渋谷でのハロウィンイベントにてゴミが放置されている様子を受けて、2018年からリアルライフヒーローチーム「NEXUS FOREVER」が活動する様子が取り上げられた[18]。ユニットの代表であるスカルラウザーは、警察ともお互い認知しあう関係になっているとインタビューで述べている[19]。
受容
[編集]『グローブ・アンド・メール』の記事は、警察が自警団としてリアルライフスーパーヒーローを称する人々の安全を心配しており、警察の仕事において邪魔や足手まといになると述べた[20] 。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “What is a RLSH? ⋆ Real Life Superheroes” (英語). Real Life Superheroes. 2020年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e f 若林恵. “スーパーヒーローは実在した! 本人たちは大真面目(笑)世界のGQから”. GQ Japan. 2021年1月10日閲覧。
- ^ “Superheroes: Interview with Michael Barnett”. Superheroes. HBO Documentaries (2011年). 26 December 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。4 November 2011閲覧。
- ^ Sweeney, Phil (2011年10月23日). “Head to Head: Is vigilante justice acceptable outside of comic books? - Opinion -” (英語). Louisiana State University: The Daily Reveille. 11 January 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。4 November 2011閲覧。
- ^ “Superhero Phoenix Jones: 'I'll keep Seattle safe'” (英語). BBC News. (2011年10月14日)
- ^ “Defender of justice Superbarrio roams Mexico City”. CNN (July 19, 1997). August 1, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。September 14, 2019閲覧。
- ^ World Superhero Registry (2006), internet archive link; Real Life Superhero Project (2010), internet archive link.
- ^ 「世界で活躍する『リアルライフスーパーヒーロー』の実態」『東スポWeb』東京スポーツ、2014年7月20日。2020年11月9日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月9日閲覧。
- ^ 「渋谷の環境美化活動を続ける中学生〈渋谷自由革命SAO〉さんとデザイン。世界に一つの”ビカバ” で、渋谷の街をもっときれいに!」『時事ドットコムニュース』〈PR TIMES〉、時事通信社、2020年10月12日。2020年11月9日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月9日閲覧。
- ^ 石井龍太「研究ノート ローカルヒーローの展開に関する試論: 概念と活動の変化について」『城西大学経営紀要』(15)、城西大学経営学部、2019年3月、111頁。
- ^ コスプレ海ごみゼロ実行委員会『コスプレ de 海ごみゼロアワード』The Nippon Foundation。2020年11月1日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月1日閲覧。
- ^ 竹島勇「思いやり広がるんジャー 『助ける人増えた』 バリアフリー化動く」『東京新聞』中日新聞、2013年10月14日。2013年10月17日のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月17日閲覧。
- ^ 猪谷千香「『2020年には、やたらベビーカーを運びたがる国に』 ベビーカーおろすんジャーに聞く『未来のつくりかた』」『HUFFPOST』HuffPost Japan、2013年12月31日。2020年8月7日のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月7日閲覧。
- ^ ロイター編集「都内の地下鉄駅に『お助けヒーロー』、階段でベビーカー運ぶ」『ロイター』2013年8月23日。2020年11月9日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月9日閲覧。
- ^ NewSphere 編集部「『覆面ヒーロー』、地下鉄駅に参上! 駅階段でベビーカー運ぶ姿に、海外も感心」『NewSphere』、Skyrocket、2013年8月23日。2020年9月24日のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月24日閲覧。
- ^ 鉄道コムスタッフ「丸ノ内線ダイヤ改正で新宿方面から方南町駅へ直通列車が誕生 利便性は?」『鉄道コム』ASAHI INTERACTIVE、2019年7月5日。2019年8月15日のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月15日閲覧。
- ^ 斎藤 若菜「【方南町特集1】謎のヒーローに突撃! 方南町で会える『ベビーカーおろすんジャー』とは?」『ARUHIマガジン』アルヒマーケティング、2018年11月16日。2020年11月10日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月10日閲覧。
- ^ 田端あんじ「渋谷ハロウィン後に『早朝清掃』してくれるヒーロー求む! 仮装姿でゴミ拾いを続ける団体『NEXUS FOREVER』に話をきいてみた」『Pouch』2019年10月31日、2頁。2020年11月11日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月11日閲覧。
- ^ 黒田芽以、おた経編集部編「歌舞伎町に突如現れたリアルライフヒーロー 彼らが戦う相手とは?」『おたくま経済新聞』C.S.T.ENTERTAINMENT、2018年5月2日。2020年8月9日のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月9日閲覧。
- ^ Chowdhry, Affan (16 November 2011). “Who are these real life superheroes?”. The Globe and Mail (Toronto). オリジナルの18 November 2011時点におけるアーカイブ。 14 June 2012閲覧。