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ンバラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ムバラから転送)
ンバラ
Mbalax
様式的起源 ルンバ
ウォロフ族の音楽
コンゴの音楽
文化的起源 1970年代前半
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ンバラ または ムバラ(英:Mbalax / Mbalakh)は、セネガルのダンス・ミュージックである。ンバラは西洋の音楽(ジャズソウルラテンロックなど)と民族音楽(セネガルの打楽器サバールを使ったリズムなど)の融合である。ンバラという名前は、サバールのリズムから由来している。

歴史と影響

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ンバラの中心楽器であるサバール

ンバラ・ミュージックは、1970年代にセネガルで生まれた。その頃、セネガルで人気のあった音楽は、キューバルンバハイチコンパコンゴスークース、アメリカン・ソウルとファンクだった。植民地政策から脱却し起源へ戻るアフリカ中心主義による影響で、セネガルのミュージシャン達はそれらの音楽と伝統的なセネガルの音楽を融合し、ナショナル・アイデンティティを採り入れた新しい音楽を創造しはじめた。ミュージシャン達はサバールのリズムに合わせ、ウォロフ語(セネガルの事実上の共通語)で歌いはじめ、ダンサー達はサバールに合わせて踊り、まるで伝統的なグリオのように歌手にチップを渡し始めた。

この新しいスタイルを演奏したバンドの中では、エトワール・ドゥ・ダカールユッスー・ンドゥールエル・ハジ・フェイがボーカルを務める)やラーム・ダーンチョーン・セックがボーカルを務める)が革新的で最も人気があった。そして、ンバラとその踊りは、他の地域(マリモーリタニアコートジボワールフランスなど)まで広がっていった。

世界的なポップ・ミュージックの流行の影響を受け、ンバラはキーボードシンセサイザーなどの電子楽器を使用するように進化していった。ンバラは初期はジャズ、ファンク、ラテン(特にキューバの音楽)、コンゴのポップスに影響を受けていたが、今日はR&Bヒップホップクーペ=デカレズークやその他のラテン音楽やアフリカン・ポップスの影響を受けている。最近ではンバラ・アーティストはこれらのジャンルのアーティストとしばしば共演している。例えばヴィヴィアン・ンドゥールがズークのスターである Philip Montiero やマリ人のラップ・スターである Mokobe と共演した。おそらく最も有名なものは、ユッスー・ンドゥールネナ・チェリーと共演した曲「Seven Seconds」であろう。それは、ンデール(リード・ドラム)、サバール(リズム・ドラム)、タマ(トーキングドラム)の音にアフリカ風かつアラビア風の微分音を多く含むボーカルが合わさる、西アフリカのダンス・ミュージックでは最も国際的に影響を与えた曲だった。

ンバラ・ダンス

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ンバラ・ダンスは、ナイトクラブや社交的な場(例えば結婚式、誕生会など)でよく踊られる。特に若いウォロフ族の間で人気がある。ンバラ・ダンスは、年齢や性別で運動内容は変化するが、骨盤の回転やひざを動かす運動を多用する。

ンバラ・ダンスは、人気曲の増加に対応して次々と新しい踊りが出現している。Patricia Tang は、この運動について以下のように記述している。

「踊りの一例として、「ventilateur」(扇風機の意味。挑発的に臀部を回す運動)や「xaj bi」(犬の意味。ダンサーが犬のように足を上げる)、「moulaye chigin」(サバールをブレイクした時に行う骨盤とひざの運動)があり、最近では「jelkati」(肘を曲げて上腕を左から右へ同方向に動かす運動)がある。そして、これらのダンスが流行しているのは、サバールと密接に関係がある[1]。」

音楽と演奏楽器

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トーキングドラム演奏者とユッスー・ンドゥール

セネガルでは、楽器や歌は特定の性別や年齢層の人のものだった。音楽は、グリオのみが演奏することを許されていた。グリオは歴史や家系などをメロディに乗せて歌っていた。現在もグリオは、結婚式や葬式などの式典に参加している。

音楽はバラフォンリティタマ(トーキングドラム)、サバールといった楽器で演奏される。1970年代にはフルートエレクトリック・ギターピアノヴァイオリントランペットシンセサイザーといった西洋の楽器がダンスとともに使われるようになった。楽器の演奏に加え、歌(ウォロフ語フランス語英語のどれも使われる)とダンスは音楽に伴う。ンバラの歌詞は、社会、宗教、家族、道徳的な問題を歌うものが多い。

Patricia Tang は、以下のように記述している。

「ンバラの特徴としては、サバールのリズムとなる。ウォロフ族のサバール演奏者の用語で、ンバラとは伴奏を意味する。サバールのアンサンブルでは、それぞれのドラムは別の役割を果たす。ンバラのパートは、1つのダンスから他のダンスまでリズミカルに変化する[2]。」

主なアーティスト

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出典・脚注

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  1. ^ Tang, Patricia (2007年9月). Masters of the Sabar: Wolof Griot Percussionists of Senegal. Philadelphia: Temple University Press. p. 159 
  2. ^ Tang, Patricia (2007年9月). Masters of the Sabar: Wolof Griot Percussionists of Senegal. Philadelphia: Temple University Press. p. 155