マリー・クヮント
マリー・クヮント(Mary Quant, CH DBE FCSD RDI, 1930年2月11日[1] - 2023年4月13日[2])は、イギリスのファッション・デザイナーで、ファッションブランドの名前でもある。マリー・クワント[3]、メアリー・クワント[4]、マリー・クアントとも表記される。スウィンギング・ロンドンと呼ばれた1960年代にブレイクした。
人物・来歴
[編集]ケント州でウェールズ人の両親の元に生まれる。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジでイラストを学んだ。1955年、ボーイフレンドのアレキサンダー・プランケット・グリーンとともに、ロンドンのチェルシー地区に『バザー』(Bazaar)という店を開いた[5]。
1958年頃から、スカート丈を短くして『ミニスカート』(Miniskirts) として売り出したところ、大ヒットする。ミニとは、クヮント自身が大好きな英国車『Mini』から採用した。同時期にフランスでアンドレ・クレージュも、クヮントと関係はないがミニスカートを世に出している。カラフルなデザインのタイツを考案したのは彼女が最初で、これはクリストバル・バレンシアガにインスピレーションを受けたという。1960年代に入ってから、とびきり丈の短いホットパンツを考案。化粧品も売り出した。
1957年に上記1号店近くナイツブリッジに2号店を開店。1962年にはアメリカ市場に進出した。1966年には化粧品のデザインも始め、MARY QUANT COSMETICSを発表、同年、大英帝国勲章のオフィサー(OBE)に任命された。1969年には Royal Designer for industry (RDI) に選ばれ、英国ファッションの多大な貢献が認められ殿堂入りを果たした。2015年には、大英帝国勲章のデイム・コマンダー(DBE)に任命され、2023年には、コンパニオン・オブ・オナー勲章を授与された。
1988年、Miniの内装デザインを担当。
現在、全世界のすべての権利は『株式会社マリークヮントコスメチックス』に移行。
2012年現在日本国内125店舗、本拠地ロンドン、上海にて展開中。
日本での展開
[編集]日本への展開は、1971年3月からライセンス会社マリークワントコスメチツクスジヤパン(東京・渋谷1丁目)を通して化粧品を販売開始した[6]。翌1972年には初来日した。以後、現在まで何度となく来日している。1983年にはレオタード、タイツ等のアパレルの発売も開始した。
2022年11月26日から翌年1月29日まで、Bunkamuraザ・ミュージアムで「マリー・クワント展」を開催[7]。
2022年11月26日より、ドキュメンタリー映画『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』(原題:QUANT)がBunkamuraル・シネマほかで上映[8]。
著書
[編集]- 『マリー・クワント自伝 : ミニの女王』 藤原美智子訳、鎌倉書房〈ファッション新書〉、1969年、全国書誌番号:75063023
- 『マリー・クヮント』 野沢佳織訳、晶文社、2013年、ISBN 4794968361
関連文献
[編集]- 『時代を変えたミニの女王マリー・クワント』 ジェニー・リスター著、中野香織翻訳監修、石田亜矢子訳、グラフィック社、2022年、ISBN 978-4-7661-3691-3
脚注
[編集]- ^ General Register Office. “Entry Information: Births Mar 1930 Quant Barbara M”. FreeBMD. ONS. 20 February 2020閲覧。
- ^ a b 共同通信 (2023年4月13日). “マリー・クワントさん死去 ミニスカブームの火付け役 | 共同通信”. 共同通信. 2023年4月13日閲覧。
- ^ “デザイナーのマリー・クワント氏死去 ミニスカブーム火付け役”. NHK (2023年4月14日). 2023年4月14日閲覧。
- ^ 『ファッション辞典』(第2版第2刷)文化出版局、2001年2月26日、640頁。ISBN 4579501586。
- ^ “女性のファッションを変えたマリー・クワント、93歳で死去”. Harper's BAZAAR (2023年4月14日). 2023年4月14日閲覧。
- ^ マリー・クワントコスメティックス 企業沿革
- ^ “日本初の回顧展!Bunkamuraザ・ミュージアムで「マリー・クワント展」が開催中”. ウォーカープラス. KADOKAWA (2022年12月5日). 2023年4月14日閲覧。
- ^ “映画『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』60'sモードの先駆者に迫るドキュメンタリー”. FASHION PRESS (2022年8月23日). 2023年4月14日閲覧。