ハンガリー・テレビ
形態 | テレビ |
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国 | ハンガリー |
視聴可能 | 国内 |
標語 | First Hungarian Television |
スローガン |
"Értéket közvetít" (Transmitting Values) |
所有者 | ハンガリー政府 |
開局 | 1957年 |
公式サイト | The website (hirado.hu) |
ハンガリー・テレビ(ハンガリー語: Magyar Televízió、略称: MTV、マジャル・テレビ[注 1])は、ハンガリーのテレビ局。アメリカのMTVとは一切関係ない。MTVは公共放送であるが、CMの放映は認められている[5][6]。欧州放送連合加盟局のひとつ。
歴史
[編集]MTVは1957年5月1日、ハンガリー人民共和国の国営放送であるMagyar Rádió(略称: MR、ハンガリー・ラジオ)のテレビ部門として開局した[7][8][9]。テレビ放送の開始を受け、翌1958年、国営放送MRはMagyar Rádió és Televízió(略称: MRT、ハンガリー・ラジオとテレビ)に改称[7]。当時はインタービジョン(国際放送機構)の加盟局だった[注 2]。
1964年に東京オリンピック実況宇宙中継を放映[要出典]。1969年、初のカラー放送を実施[7]。1972年、従来のチャンネル(M1)に加えて新チャンネルMTV2(M2)を新設し、2チャンネルでの放送を開始[7][注 3]。1974年、MRTが改組され、テレビ部門がMTV(Magyar Televízió)として独立、ラジオ部門はハンガリー・ラジオとなった[7]。1982年に文字多重放送を開始[11]。
ハンガリー民主化により1989年10月23日にハンガリー(第三共和国)が成立すると、1996年に映像方式をSECAMからPALに変更。放送市場の自由化を受け、1997年10月4日にハンガリー初の全国商業テレビ局としてTV2[注 4]が開局するまではハンガリー唯一の地上波テレビ局であった[10][注 5]。
2002年に受信料制度を廃止、政府からの交付金と広告収入での運営となった[14]。2009年5月にMTVは地上波デジタル放送を開始した[1][15]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 日本語文献では「マジャール・テレビ」とも表記される[1]。ただし、ハンガリー語Magyarの母音aは長母音ではないため実際には音は伸ばさず「マジャル」と発音される(詳しくはハンガリー語の項を参照)。在ハンガリー日本国大使館は「ハンガリーテレビ[2]」「マジャル・テレビ[3][4]」両方の表記を使用している。
- ^ 国際放送機構は1993年に欧州放送連合に吸収合併された。
- ^ M2(MTV2)は1997年、民間テレビ局であるTV2(後述)の開局に際して地上波放送用の周波数を譲渡し、衛星・ケーブル放送となった[10]。
- ^ TV2 (ハンガリー)はen:SBS Broadcasting Group(旧スカンジナビア・ブロードキャスティング・システムズ)が開設したハンガリー最初の民間商業放送テレビ局。2007年、ドイツに本社を置くプロジーベンザット1メディア・グループ[12]がSBS Broadcasting Groupを買収し、そののち2013年にTV2は売却された。
- ^ 衛星放送では、1992年にハンガリー最初の衛星放送テレビ局Duna TV(ドナウ・テレビ[2]、ドゥナ・テレビ[4])が開局している[7]。また、商業テレビ放送局としてRTLグループのRTL Klub[12]もTV2と同年(TV2開局の3日後)に放送を開始している[10][13]。
出典
[編集]- ^ a b “ハンガリー(詳細) : 放送市場”. 世界情報通信事情. 総務省 (2016年). 2024年1月10日閲覧。
- ^ a b 「4. 国営メディア職員大量解雇(7月、13日)」(pdf)『在ハンガリー日本大使館 Monthly Review 政治経済月報』2011年7月号、在ハンガリー日本国大使館、2011年8月、5頁、2024年1月11日閲覧。「7日、国営メディア(ハンガリーテレビ・ドナウテレビ・ハンガリーラジオ)及びハンガリー通信社(MTI)の定員削減(注:2011年度中に全従業員中3,400名の内、約1,000名が削減される予定)の第一弾として、ハンガリーテレビ(MTV)は全番組編集者に対して、ドナウテレビ(Duna TV)は製作技術者に対して、解雇通知を出した。」 ※pdf配布元は在ハンガリー日本国大使館ウェブサイト「政治経済月報」ページ。
- ^ 「6. 秋の国会開会(13日)」(pdf)『在ハンガリー日本大使館 Monthly Review 政治経済月報』2010年9月号、在ハンガリー日本国大使館、2010年10月、6頁、2024年1月11日閲覧。「同13日には、公共サービス協会の設置に関する法案も可決された。同協会は今後、マジャル・テレビをはじめ、非営利型株式会社となる国営メディアの株主として代表選出権を有し、その活動を管理する役割を担う。協会役員は国会で選出され、会長はNMHHから選ばれる。」
- ^ a b 「10. 国営メディア改革(13日)」(pdf)『在ハンガリー日本大使館 Monthly Review 政治経済月報』2010年12月号、在ハンガリー日本国大使館、2011年1月、9頁、2024年1月11日閲覧。「13日、2011年1月1日から、マジャル・テレビ(MTV)、ドゥナ・テレビ、マジャル・ラジオ、ハンガリー通信社(MTI)の国営4メディアの従業員数がそれぞれ49名(MTIのみ70名)に削減され、これに漏れる大多数の職員については、メディア評議会管理下の「番組サービス援助・資産運用基金」(MTVA)によって再雇用される見込みであると各紙が報じた。現在、国営メディアには約3,300名が勤務しており、3千名以上の職員の雇用主が制度上変更となる。」
- ^ 世界情報通信事情 2015, pp. 9, 11.
- ^ Open Society Institute 2005.
- ^ a b c d e f 中 2012, p. 14, 「2. ハンガリーのテレビメディアの歴史」.
- ^ MTV Archívum. “Magunkról” (ハンガリー語). MTV Archívum. MTV Zrt.. 2007年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月11日閲覧。 “Az első adás 1957. május 1-én volt. Ebben az időben még heti egy adásnap és igen kevés műsoridő volt, ebben híradók, sportesemények, színházi előadások élő közvetítése és filmek szerepeltek.”
- ^ Dunavölgyi, Péter. "50 éve történt - Fejezetek a Magyar Televízió történetéből|TV-történet". MTV Archívum (ハンガリー語). MTV Zrt. 2008年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月11日閲覧。
- ^ a b c 中 2012, p. 15, 「2. ハンガリーのテレビメディアの歴史」.
- ^ Menczel, János. "25 éves a Teletext|TV-történet". MTV Archívum (ハンガリー語). MTV Zrt. 2007年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月10日閲覧。
- ^ a b 中 2012, p. 16, 「3.2. 商業放送の参入 : 巨大メディア資本によるメディア支配」.
- ^ “ハンガリー(詳細) : 放送市場”. 世界情報通信事情. 総務省. 2015年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月11日閲覧。 “商業放送については、1997年のテレビ市場自由化に伴って誕生した、TV2 とRTL Klubが各1系統の全国放送を実施している。このほかに、地域放送局が全国で45ある。”
- ^ 中 2012, p. 15, 「3. 民主化革命後のメディア(1) 商業化の進展」.
- ^ 世界情報通信事情 2015, p. 10.
参考文献
[編集]- “ハンガリー(Hungary) : 放送” (pdf). 世界情報通信事情. 総務省. pp. 7-11 (2015年). 2024年1月10日閲覧。
- 総務省が管理運営するウェブサイト「世界情報通信事情」の「ハンガリー(目次)|国別に見る」ページで配布。
- “Television across Europe: regulation, policy and independence Hungary” (pdf) (英語). オープン・ソサエティ協会 (2005年). 2006年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月10日閲覧。
- 中, 正樹「ハンガリー民主化革命後のテレビメディアの変遷に対する考察 : ハンガリーのテレビメディア関係者へのインタビュー調査を通して」『静岡大学情報学研究』第17巻、静岡大学情報学部、2012年3月、13-25頁、CRID 1390290699780408704、doi:10.14945/00006477、ISSN 1342-0909。
- Polyák, Gábor、鈴木秀美 (翻訳)「ハンガリーのメディア規制の危機的問題」『メディア・コミュニケーション : 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要』第67号、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所、2017年3月、149-159頁、CRID 1050001338956217088、ISSN 1344-1094。
- MTV Archívum(ウェブアーカイブ、2014年4月19日) - http://www.tvarchivum.hu/
外部リンク
[編集]- MTV Online
- Híradó - MTVAの公式ニュースサイト