コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マグヌス塩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マグナス塩から転送)
マグヌス塩
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 13820-46-7
PubChem 24880821
特性
化学式 H12Cl4N4Pt2
モル質量 600.09
外観 緑色固体
密度 3.7
融点

320

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

マグヌス塩(マグヌスえん、: Magnus' green salt)は、化学式が [Pt(NH3)4][PtCl4] と表される白金化合物である。一次元構造をとるために、材料化学固体物理学において興味深い化合物である。[PtCl4]2− アニオンと [Pt(NH3)4]2+ カチオンの線形鎖からなり、白金原子同士は3.25 Å離れている[1]。これは半導体で、[PtCl4]2− を含む水溶液と [Pt(NH3)4]2+ を含む水溶液を混ぜることによって、深緑色の沈殿として得られる[要出典]

歴史

[編集]

この塩は、1830年代前半にハインリヒ・グスタフ・マグヌス (Heinrich Gustav Magnus) によって発見された。これは、アンモニア金属錯体の最初の例の1つであった。アンモニアの錯体は、現在は非常に一般的である。これらは後のアルフレート・ヴェルナーの発見の基礎であった。マグヌス塩は cis-PtCl2(NH3)2(ペイロン塩)や trans-PtCl2(NH3)2 と同じ実験式をもつ。これらの化合物は分子性だが、マグヌス塩はポリマーである。

誘導体

[編集]

近年、アンモニアをエチルヘキシルアミンと置き換えることで、可溶性のポリマーが発見された[2][3]

出典

[編集]
  1. ^ Atoji, M.; Richardson, J. W.; Rundle, R. E. (1957). “On the Crystal Structures of the Magnus Salts, Pt(NH3)4PtCl4”. J. Am. Chem. Soc. 79 (12): 3017–3020. doi:10.1021/ja01569a009. 
  2. ^ Caseri, W. (2004). “Derivatives of Magnus' green salt; from intractable materials to solution-processed transistors”. Platinum Metals Rev. 48 (3): 91–100. doi:10.1595/147106704X1504. 
  3. ^ Bremi, J.; Caseri, W. and Smith, P. (2001). “A new compound derived from Magnus' green salt: solid state structure and evidence for platinum chains in solution”. J. Mater. Chem. 11 (10): 2593–2596. doi:10.1039/b104675f.