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バウマシーケンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブーマシーケンスから転送)

バウマシーケンス英語: Bouma sequence)・ブーマシーケンスは、混濁流によって形成されるタービダイト内における堆積の順序を示したものである[1]:1251962年アーノルド・ブーマ英語版が著書「Sedimentology of some Flysch deposits」において発表した[2]:201

タービダイト内における各単層内においては一定の5部分に分かれる堆積順序が存在し、級化層理に近しい構造が見られるとするものである。初期にはBouma cycle、Bouma modelなどと呼称されてもいたが、やがてBouma sequenceという表記に統一された[3]:36

各部

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デボン紀に形成されたドイツのタービダイトに見られるバウマシーケンス。
  • e - 泥岩部
  • d - 上部平行葉理部
  • c - コンボリュート葉理部
  • b - 下部平行葉理部
  • a - 塊状もしくは級化部

各部の日本語名称は堆積学研究会 (1998)に拠った。

各論

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バウマシーケンスの形態はどのような混濁流によってタービダイトが形成されたかによって変化する。密度が高い乱泥流によって形成されれば粗粒タービダイト(proximal turbidite)が、密度が低い乱泥流によって形成されれば隔源相タービダイト(distal turbidite)が見られる。粗粒タービダイトでは下部が厚くなり礫が含まれることもあるが、隔源相タービダイトでは反対に泥やシルトが主体であり全体的に薄いものとなる[4]:77

1965年の時点でバウマシーケンスは欠けることがあったとしても、aからeまでの順番が前後することは無く成立するものだと考えられていた[5]。しかし、バウマシーケンスは必ずしも全てのタービダイト内で成立するとは限らないことが後に明らかとなった[1]:125。またShanmugam (1997)は、バウマシーケンスをあたかも事実の記載のために用いられることがあり、必ずしも成立するとは限らないバウマシーケンスという1つの見方を強化してしまっている人もいると批判している[2]

脚注

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  1. ^ a b 保柳康一、公文富士夫、松田博貴 著、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会 編『堆積物と堆積岩』 3巻、共立出版、東京〈フィールドジオロジー〉、2004年4月。ISBN 978-4-320-04683-2NCID BA66873242OCLC 676428748OL 30536648M 国立国会図書館書誌ID:000007329924 全国書誌番号:20585030 
  2. ^ a b Shanmugam, G. (1997). "The Bouma Sequence and the turbidite mind set". Earth-Science Reviews. 42 (4): 201–229. doi:10.1016/S0012-8252(97)81858-2. ISSN 0012-8252
  3. ^ 岡田博有「堆積学を拓いた人々 (8) Bouma sequenceから堆積物重力流学説への発展」『堆積学研究』第60巻、2004年、35-40頁、doi:10.4096/jssj1995.60.35ISSN 1882-9457NAID 130004372567 
  4. ^ 佐野弘好『基礎地質学ノート』古今書院、東京、2019年6月6日。ISBN 978-4-7722-3191-6NCID BB28302674OCLC 1109731739OL 31934583M 国立国会図書館書誌ID:029674063 全国書誌番号:23233011 
  5. ^ Walker, Roger G. (1965). "THE ORIGIN AND SIGNIFICANCE OF THE INTERNAL SEDIMENTARY STRUCTURES OF TURBIDITES". Proceedings of the Yorkshire Geological Society. 35: 1–32. doi:10.1144/pygs.35.1.1

関連文献

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関連項目

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