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ブーゲンビル州

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ブーゲンビル自治州から転送)
ブーゲンビル自治州
Autonomous Region of Bougainville
ブーゲンビルの旗 ブーゲンビル自治州章
地域の旗 地域の紋章
地域の標語:Peace, Unity, Prosperity
平和、結束、繁栄
地域の歌:私のブーゲンビル英語版[1]
ブーゲンビルの位置
公用語 英語
主都 ブカ1
最大の都市 ブカ
政府
大統領英語版 イシュマエル・トロアマ英語版
副大統領英語版 レイモンド・マソノ英語版
面積
総計 9,384km2N/A
水面積率 不明
人口
総計(2011年 249,358人(N/A
人口密度 6.6人/km2
成立
豪より独立宣言2
北ソロモン共和国
1975年9月1日
パプアニューギニアへ統合31976年8月9日
ブーゲンビル内戦英語版1988年 - 1989年
自治政府設立2005年6月15日
通貨 キナPGK
時間帯 UTC+11 (DST:なし)
ISO 3166-1 PG / PNG
ccTLD .pg
国際電話番号 675
斜体はパプアニューギニアのデータ。
1 公式の州都はアラワとされている[2]
2 当時はオーストラリア(豪)委任統治領パプアニューギニア。
3 北ソロモンの独立宣言の15日後にパプアニューギニアは豪より独立した。

ブーゲンビル自治州(ブーゲンビルじちしゅう、英語: Autonomous Region of Bougainville)は、パプアニューギニアブーゲンビル島ブカ島、その他の周辺の小島から成る州である。自治政府はブカに置かれているが、公式の州都はアラワとされている。人口は約25万人(2011年国勢調査)。2019年に独立を問う住民投票が実施された。

ブーゲンビル島は、政治的にはソロモン諸島には属していないが、生態学的あるいは地形学的にはその一部である。例えば1977年[3]から1996年[4]までは北ソロモン州Northern Solomons Province)と呼ばれていた。

歴史

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独立運動

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1975年、「北ソロモン共和国」(または「ブーゲンビル共和国」)を国名とする分離独立運動が起きる。この背景にはブーゲンビル島パングナ英語版にある世界最大級の銅山、パングナ鉱山英語版を巡る事情が絡んでいる。当時の銅山は「ブーゲンビル銅鉱会社英語版(Bougainville Copper Limited)」という形でオーストラリアの実質的な支配下にあり、ブーゲンビル島の住民が補償を求めて抗議運動を起こし、それが引き金となったのである。

1988年、州の分離独立を求めるブーゲンビル革命軍(BRA)は銅山妨害の運動を開始し、翌年に銅山は暴動を受けて閉鎖に追い込まれる(ブーゲンビル銅鉱会社は現在、リオ・ティント・グループが保有しており、パプアニューギニア政府と操業再開の交渉を行っている)。BRAは地理的に近いソロモン諸島の支持も受けてパプアニューギニア政府との内戦英語版を展開するが、1998年、オーストラリアとニュージーランドの仲介の下、政府と停戦に合意。2000年に締結された和平協定では軍縮、自治政府の設立、将来独立かどうかを問う住民投票の実施が定められた[5]

2005年6月15日に初の自治政府が設立され[6]ジョセフ・カブイ英語版(Joseph Kabui)が大統領に就任する。同年7月25日には、分離独立運動のリーダー、フランシス・オナ英語版(Francis Ona)が病死した。またカブイ大統領は2008年6月7日心臓発作のため亡くなった(54歳)。

上述の和平協定で規定されていた独立を問う住民投票は2019年11月23日から12月7日まで実施され[7]、投票終了後の同月11日に開票結果が発表された。投票者の98%に当たる17万6928人が賛成票を投じ、パプアニューギニア残留に票を投じたのは3043人にとどまった。ただしこの投票に法的拘束力はなく独立や自治権の拡大はパプアニューギニア政府との調整に委ねられている[8][9][10]。2021年5月18日より東ニューブリテン州で中央政府との政府間協議が始まった[11]。2021年12月13日に中央政府と自治州政府の政府間で合意がなされ、2025年から2027年の間に政治的解決または独立を達成することが確認された。本合意は来年の1月31日までに両政府の内閣に提出され、どちらも承認した場合は2か月後に効力を発揮する[12]

政治

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2005年に設立されたブーゲンビル自治政府英語版(ABG)が治める。独立国家ではないため、パプアニューギニア憲法および法令に反した法律や諸外国との独自の外交関係をつくることは出来ない[13]

元首かつ行政府の長は大統領英語版で、現職はイシュマエル・トロアマ英語版(第4代)。任期は5年、再選は1回。2020年2月に議会へ提出された憲法改正法案では、再選回数を2回へ増やすことが盛り込まれていたが否決されている[14][15]

立法は一院制で、ブーゲンビル議会英語版(代議院)が担う。議席は41。大統領と議員は2005年以降5年ごとに総選挙という形で選出される(2008年のカブイ大統領死去に伴う大統領選挙を除く)。直近の選挙は2020年8月から9月まで英語版実施された。

代表なき国家民族機構(UNPO)に1991年8月6日から2008年3月1日まで参加していた[16]

地理

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行政区画

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ブーゲンビルの行政区画

3つの地区(District)と12の地方自治体(Local Level Government, LLG)に区分される[17]

地区 District 首府 面積 (km2) 人口 (2011)
中央ブーゲンビル地区英語版 Central Bougainville District アラワおよびキエタ 3,005 58,660
北ブーゲンビル地区英語版 North Bougainville District ブカ 2,793 109,023
南ブーゲンビル地区英語版 South Bougainville District ブイン 3,602 81,675
地方自治体 LLG 面積 (km2) 人口 (2011) 所属地区 所在する島嶼
アトルス英語版 Atolls Rural LLG 18 2,900 北ブーゲンビル カータレット諸島、ヌクマヌ環礁、ヌグリア環礁、
マルヌ環礁、タウー環礁
ブカ英語版 Buka Rural LLG 612 53,986 ブカ島
ニッサン英語版 Nissan Rural LLG 37 6,810 ニッサン島
クヌア英語版 Kunua Rural LLG 1,052 13,525 ブーゲンビル島
セラウ=シュア英語版 Selau-Suir Rural LLG 443 15,141
チンプズ英語版 Tinputz Rural LLG 631 16,661
アラワ英語版 Arawa Rural LLG 1,846 44,865 中央ブーゲンビル
ワクナイ英語版 Wakunai Rural LLG 1,159 13,795
バナ英語版 Bana Rural LLG 461 22,457 南ブーゲンビル
ブイン英語版 Buin Rural LLG 1,440 35,327
シワイ英語版 Siwai Rural LLG 731 17,624
トロキナ英語版 Torokina Rural LLG 970 6,267

関連項目

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脚注

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  1. ^ Bougainville Flag, Emblem and Anthem (Protection) Bill 2018” (pdf). 2019年11月24日閲覧。
  2. ^ Bougainville/Quick Facts”. ブーゲンビル自治政府. 2019年11月24日閲覧。
  3. ^ Papua New Guinea/Bougainville Island”. Worldstatemen. 2020年9月28日閲覧。
  4. ^ Provinces of Papua New Guinea”. Statoids.com (2015年6月30日). 2020年9月28日閲覧。
  5. ^ Papua New Guinea government obtains shaky weapons disposal pact in Bougainville”. World Socialist Web Site (2001年5月23日). 2019年12月12日閲覧。
  6. ^ パプアニューギニア 感染・スポット・危険情報”. 外務省. 2013年8月16日閲覧。
  7. ^ “新国家誕生なるか? パプアニューギニア・ブーゲンビル自治州で住民投票開始”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年11月23日). https://www.afpbb.com/articles/-/3256285 2019年11月25日閲覧。 
  8. ^ 住民投票、独立支持98% 悲願へ大きな一歩―パプア自治州ブーゲンビル”. 時事通信 (2019年12月11日). 2019年12月12日閲覧。
  9. ^ パプアニューギニアのブーゲンビル自治州、住民投票で独立支持97.7%”. ジェトロ. 2020年1月10日閲覧。
  10. ^ “パプア・ブーゲンビル自治州、住民投票で独立支持98% 新国家誕生へ前進”. AFPBB News. (2019年12月11日). https://www.afpbb.com/articles/-/3259073 2020年1月5日閲覧。 
  11. ^ Bougainville's independence referendum on the agenda”. ラジオ・ニュージーランド (2021年5月18日). 2021年5月19日閲覧。
  12. ^ PNG and Bougainville make some progress in referendum talks”. ラジオ・ニュージーランド (2021年12月13日). 2021年12月15日閲覧。
  13. ^ How ABG Works”. ブーゲンビル自治政府. 2020年9月28日閲覧。
  14. ^ Bougainville proposing constitution amendments, rejects ‘process’ claim”. Asia Pacific Report (2020年2月19日). 2020年9月28日閲覧。
  15. ^ Bougainville MPs say no to third term for president”. ラジオ・ニュージーランド (2020年2月24日). 2020年9月28日閲覧。
  16. ^ UNPO/Bougainville”. 代表なき国家民族機構 (2018年6月6日). 2020年9月28日閲覧。
  17. ^ PAPUA NEW GUINEA: Administrative Division”. Citypopulation.de (2019年9月21日). 2019年11月24日閲覧。

外部リンク

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座標: 南緯6度0分0秒 東経155度0分0秒 / 南緯6.00000度 東経155.00000度 / -6.00000; 155.00000