ブレビアテア綱
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(ブレビアテアから転送)
ブレビアテア綱 | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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学名 | ||||||||||||
Breviatea Cavalier-Smith, 2004[1] | ||||||||||||
属 | ||||||||||||
ブレビアテア綱(class Breviatea)は、鞭毛を持つアメーバ様生物数種が含まれる分類群である。真核生物の起源からオピストコンタに至るまでの、系統的に深いところから分岐する生物群の1つである。
特徴
[編集]細胞が移動する方向へ1本の鞭毛を伸ばしている。糸状仮足を伸ばして這いながら、バクテリアを捕食して生活している。生息環境は微好気的もしくは嫌気的で、典型的なミトコンドリアを持たないが、大きなミトコンドリア様オルガネラがある。
分類
[編集]21世紀になってから認識された新しい分類群である。もともとマスチゴアメーバの1種だとされていた培養株(ATCC 50338)[注釈 1]が、分子系統解析でマスチゴアメーバ科やそれに近縁なペロミクサ科とは離れた位置で環境DNA由来の配列と単系統群をつくることから認識された。当初はアメーボゾアの中で最も基部に近い分類群として設立されたが[1]、その後アメーボゾアよりもオピストコンタの方に近縁であることが示されており、オバゾアというクレードに所属させられている[2]。ブレビアチダ目(order Breviatida)ブレビアータ科(family Breviatidae)のみからなり、以下の4属4種が記載されている。
- Breviata Walker et al., 2006[3]
- ブレビアテア綱が設立された後に、ATCC 50338を新属新種Breviata anathemaとして命名した。元は汽水湖から単離されている。
- Lenisia Hamann et al., 2016[4]
- Pygsuia Brown et al., 2013[2]
- 前鞭毛と後鞭毛の2本を持つ。河口汽水域のごく浅い底泥から単離され、3番目の新属新種Pygsuia biformaとして命名された。
- Subulatomonas Katz et al., 2011[5]
- 細胞が鞭毛に沿って前方に伸びている。近海の底泥から見出され、2番目の新属新種Subulatomonas tetrasporaとして命名された。
脚注
[編集]- ^ ATCC 50338株は“Mastigamoeba invertans”だとされていたが、形態的にも若干一致しないところがあり、誤同定であったと見なされている。
出典
[編集]- ^ a b Cavalier-Smith et al. (2004). “Molecular phylogeny of the Amoebozoa and evolutionary significance of the unikont Phalansterium”. Eur. J. Protistol. 40: 21–48. doi:10.1016/j.ejop.2003.10.001.
- ^ a b Brown et al. (2013). “Phylogenomics demonstrates that breviate flagellates are related to opisthokonts and apusomonads”. Proc. R. Soc. B 280: 20131755. doi:10.1098/rspb.2013.1755.
- ^ Walker et al. (2006). “Ultrastructural Description of Breviata anathema, N. Gen., N. Sp., the Organism Previously Studied as “Mastigamoeba invertens””. J. Eukaryot. Microbiol. 53 (2): 65-78. doi:10.1111/j.1550-7408.2005.00087.x.
- ^ a b Hamann et al. (2016). “Environmental Breviatea harbour mutualistic Arcobacter epibionts”. Nature 534: 254-258. doi:10.1038/nature18297.
- ^ Katz et al. (2011). Subulatomonas tetraspora nov. gen. nov. sp. is a Member of a Previously Unrecognized Major Clade of Eukaryotes. 162. pp. 762-773. doi:10.1016/j.protis.2011.05.002.