フーゴー・リーマン
フーゴー・リーマン Hugo Riemann | |
---|---|
基本情報 | |
生誕 |
1849年1月18日 シュヴァルツブルク=ゾンダースハウゼン侯国 グロースメールラ |
死没 |
1919年7月10日(70歳没) ドイツ国、ライプツィヒ |
職業 | 音楽理論家、作曲家 |
カール・ヴィルヘルム・ユリウス・フーゴー・リーマン(Karl Wilhelm Julius Hugo Riemann, 1849年1月18日 - 1919年7月10日)は、ドイツの音楽理論家、作曲家。アゴーギクを造語した[1]。
生涯
[編集]シュヴァルツブルク=ゾンダースハウゼン侯国のグロースメールラに生まれたリーマンは、理論をハインリヒ・フランケンベルガーに、ピアノをアウグスト・バルテル(August Barthel)とテオドール・ラッツェンベルガーに師事した。ベルリンとテュービンゲンで法学を学び、さらには哲学と歴史を学んだ。普仏戦争への出征後、彼は自分の人生を音楽に捧げることを決意し、そのためライプツィヒ音楽院で学んだ。その後ビーレフェルトに赴いた彼はその地で数年間教師と指揮者として働き、1878年にライプツィヒに戻ってからは大学で私講師となった。
音楽院での教員としての任用を強く望んでいたものの実現せず、リーマンは1880年にブィドゴシュチュへ移った。しかし1881年から1890年までは、ハンブルク音楽院でピアノと音楽理論を教えることになる。彼はゾンデルスハウゼン音楽院で短期間教えた後、ヴィースバーデンの音楽院でポストを得るが(1890年 - 1895年)、最終的には1895年にライプツィヒ大学に講師として戻ることになった。1901年には教授になっている。
1902年3月16日にライプツィヒのグラッシ博物館で開催された日本音楽実演 (Vorführung japanischer Musik) でリーマンは日本音楽についての講演を行った。ベルリン留学中の幸田幸(安藤幸)が箏とヴァイオリンの演奏家として迎えられ、箏による『東獅子』、『六段』、『松竹梅』の3曲、ヴァイオリンとピアノによる五音音階の中国音楽4曲と短調(七音階)の新日本民謡2曲、ピアノ独奏による日本民謡4曲(ルドルフ・ディットリヒによる編曲)が演奏された[2]。
執筆活動
[編集]教員、講師、教育的作品の作曲家としての仕事に加え、リーマンは音楽に関する執筆活動によって世界的な名声を得ていた。彼の最も知られる著作は、音楽と音楽家に関する完全な辞書である「音楽事典 Musik-Lexikon」(1882年、第5版 1899年、英訳 1893年 - 1896年)、和声学に関する研究である「和声学の手引き Handbuch der Harmonielehre」、対位法に関する同様の書籍「対位法の教本 Lehrbuch des Contrapunkts」であり、これら全ては英訳されている。彼の発明の一つにTonnetzがあるが、これは現代のピッチ空間の考え方の先駆を成すもので、現在ネオリーマン理論(neo-Riemannian theory)の分野において基本的な解析ツールとなっている。
彼は様々音楽分派で多くの作品を創始した。彼の門弟にはドイツの作曲家、ピアニスト、オルガニスト、指揮者のマックス・レーガーや音楽学者で作曲家のワルター・ニーマンがいる[3]。ただし、リーマンはレーガーの作風についていけず、後に激しく攻撃するようになった。
作曲活動
[編集]リーマンは多くのピアノ曲、歌曲、ピアノソナタ1曲、ソナチナ6曲、ヴァイオリンソナタ1曲、弦楽四重奏曲1曲を作曲している。
脚注
[編集]- ^ “アゴーギク”. コトバンク. 大辞林 第三版. 2020年1月17日閲覧。
- ^ 平澤博子「ヨアヒムに師事した安藤幸」『ルドルフ・ディットリヒ物語』論創社、2019年、79-81頁。ISBN 9784846018603。
- ^ Pfitzinger, Scott (2017). “Riemann, Hugo”. Composer Genealogies: A Compendium of Composers, Their Teachers, and Their Students. Lanham, Maryland: Rowman & Littlefield. p. 449. ISBN 978-1442272248
参考文献
[編集]- Alexander Rehding: Hugo Riemann and the birth of modern musical thought. Cambridge: Cambridge University Press, 2003. ISBN 0-521-82073-1
- Gilman, D. C.; Peck, H. T.; Colby, F. M., eds. (1905). . New International Encyclopedia (英語) (1st ed.). New York: Dodd, Mead.