東京三世社
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-10-1 |
設立 | 1968年(昭和43年)9月3日 |
業種 | 出版業 |
代表者 | 中村勝郎(代表取締役社長) |
資本金 | 4,500万円 |
売上高 | 40億円 |
従業員数 | 40名 |
外部リンク | 公式ページ |
株式会社東京三世社(とうきょうさんせいしゃ)は、1952年から2010年まで存在した成人向け出版中心の日本の出版社。三世社、三世新社を前身とする。
概要
[編集]成人向け雑誌の出版を中心に一般書も手掛けていた。成人向け雑誌では辰巳出版や新樹書房と並ぶ老舗。成人向け出版社の源流の1つであり、同社出身者が立ち上げた成人向け出版社にはサン出版、司書房、三和出版などがある[1][2]。1964年に東京都で青少年保護育成条例が施行されて以降、各都道府県で出版物が有害図書と指定されることが多かった[1][3]。
成年コミックでは「DO COMICS(ドゥ・コミックス)」「LE・COMICS(ル・コミックス)」の2レーベルを展開した。グループ会社には、株式会社フロム出版、株式会社ブックスレディがあった[4]。
ビデオやゲームのネット配信も手がけた。
沿革
[編集]ゾッキ本屋の一三堂で財を成した石坂幸男[2][5]により三世社が設立され、1952年から『読切倶楽部』を創刊した[1][2][5][6]。この頃、作家の吉行淳之介が『読切倶楽部』の編集者として在籍。俳優の中村メイ子も吉行の知人だったことから、同誌の座談会やインタビュー記事の担当者として在籍した。
その後、三世新社となり、1968年9月に東京三世社が設立[4]。
1970年創刊の『SMセレクト』でSM雑誌の創刊ブームを巻き起こすなど[5]、1970年代初期のポルノブームに乗りアダルト雑誌を手がけ[7]、アダルト誌出版社が乱立し休刊する中で着実に業績を伸ばし、売り上げランキング上位に入るアダルト雑誌を多数出版した。
1978年からは、編集プロダクションスタジオIWAOに外注したSF漫画雑誌『少年少女SFマンガ競作大全集』を刊行[8]。誌名を『SFマンガ競作大全集』『SFマンガ大全集』『月刊WHAT(ワット)』と変更しながら1985年にかけて刊行された。この雑誌に作品を掲載した山田ミネコ、佐々木淳子、樹村みのりなどの著名少女漫画作家の作品や、高橋留美子、新田たつお、ひさうちみちお、星野之宣、福山庸治といった少年漫画作家の作品も多数出版した。
2000年代には主にアダルト系の雑誌・ムック本のほか、雑誌ではパズル関連、ムック本では自動車・パソコン関係などを取り扱っていた。
2005年に45億円の売上高でピークを迎えたが、2006年から赤字になる[9]。2007年5月に社長が山岡真一郎から中村勝郎に交代し、山岡は代表権を持つ会長に就任[10]。4年連続赤字の事態を受け、2010年9月末に営業を停止した。以後、返品処理など任意整理の上、会社を清算した[9]。
事業
[編集]書籍
[編集]- 『多湖輝の頭のショック療法』ISBN 978-4-8126-2442-5
- 『アロマ健康マッサージ』ISBN 978-4812624302
雑誌
[編集]- 読切倶楽部(1951年3月 - 1970年7月)
- 実話雑誌(1952年2月 - 1971年)
- 週刊モダン日本(1952年 - 1959年8月)※前身は1930年10月に創刊
- 映画エロチカ封切館PINKY(1970年 - 1974年4月))
- SMセレクト(1971年1月 - 1990年6月)
- MEN[11](1973年12月)
- 漫画エロチスト(1977年11月 - 1982年5月)
- 漫画ダンディOFダンディ(1978年8月)
- 少年少女SFマンガ競作大全集PART1 - 20(1979年7月 - 1983年)
- 漫画バンプ(1979年11月 - 2003年4月)
- 漫画ビッグエロブン[3](1979年12月 - 1980年7月)
- オレンジ通信〔AV情報誌](1981年12月 - 2009年4月)
- 月刊WHAT(1985年11月 - 1986年10月)
- 月刊MOGA(1986年5月 - 1986年11月)
- COMICロリタッチ(1986年9月 - 1991年04月)
- コットンクラブ(1989年 - 1990年9月)
- 台風クラブ(1989年5月号 - 1993年12月号)
- 熱写ボーイ〔素人投稿誌](1990年9月 - 2010年11月)
- COMIC BABE(1990年9月 - 1991年8月)
- コットンコミック(1990年11月 - 2003年10月)
- COMIC Beat(1991年05月 - 1999年01月)
- 月刊コミック・シェイク(1991年09月 - 1996年03月)
- コミック・ショコラ(1992年 - 1993年2月)
- コミック パフェ(1992年12月 - 1993年1月)
- 漫画Pop's(1997年4 - 1998年7月)
- まんが愛!姫(1998年8 - 2003年7月)
- Comic Site(1999年2月 - 2002年4月)
- COMIC華乱(1999年5月 - 2000年9月)
- コミックとろろ(2000年12月 - 2001年4月)
- 千人斬り(2001年 - 2006年)
- コミックミニモン(2002年6月 - 2006年8月)
- まんが哀姫(2003年10月 - 2006年9月)
- コミックメガドリーム(2004年9月 - 2004年12月)
- COMICりとぴぃ(2004年11月 - 2005年4月)
- CHOギャオス(2005年12月 - 2009年9月)
- ラブスポ〔スポーツ美少女〕(2005年 - 2008年6月)
- コミックフェロモン〔成年コミック誌〕(2006年10月 - 2007年01月)
- デカメロン(2006年 - 2007年)
- 耽美小説(2006年3月 - 2009年07月)
- チョベリグ (2006年11月)
- AV裏DVD特選速報(2006年4 - 2010年10月)
- チョベコミ!〔ギャル/キャバ嬢〕(2007年3月 - 2010年11月)
- どんだけGirls Splash!!(2008年 - 2010年1月)
成年コミックアンソロジー
[編集]- リリパット(1987年7月 - 1988年11月)
- ラブピアス(1989年1月 - 1991年3月)
- リトルピアス(1996年01月 - 2006年1月)
- ピアスクラブ(1994年 - 1997年4月)
- ピアスクラブEX(1997年5月 - 1998年10月)
- 任務失敗(2005年10月 - 2006年7月)
直営店
[編集]- DO! BOOKS - 秋葉原に出店。男性向け美少女コミック中心の品揃えで、自社のみならず他社の出版物も扱った。2007年に閉店。
脚注
[編集]- ^ a b c 永江朗「アダルト系出版社のルーツを探せ!」『別冊宝島240 性メディアの50年 欲望の戦後史ここに御開帳!』宝島社、1995年、pp.10-22
- ^ a b c 「懐かし昭和の『エロス雑誌』大全 手さぐりで鉱脈を探してきた 『サン出版』会長M氏83歳」『週刊ポスト』2010年10月15日号、p.158。NEWSポストセブンでは「雑誌『SMセレクト』『さぶ』発行者(83歳・エロ歴60年)の告白」のタイトルで掲載
- ^ a b 「東京三世社のエロ本の受難 非優良図書指定から発禁へ 取次サイドも部数減で対抗」『噂の眞相』1982年2月号、p.15
- ^ a b 会社概要 東京三世社公式サイト内
- ^ a b c 吉野三太郎「団鬼六と『SMセレクト』の時代」『新潮45』2011年7月号、pp.140、143
- ^ 峯島正行『ナンセンスに賭ける』青蛙房、1992年、p.88
- ^ 「『性の自由』シリーズのすべて」『活字秘宝 この本は怪しい!!!』洋泉社、1997年、p.45
- ^ 長谷邦夫『ニッポン漫画雑誌名鑑』データハウス、1995年、pp.299-300
- ^ a b 東京三世社、9月末に任意整理 新文化 2010年8月3日 2010年8月3日閲覧
- ^ 【人事】東京三世社 新文化 2007年5月7日
- ^ 米沢嘉博『戦後エロマンガ史』青林工藝舎、2010年、pp.167-168