デジタル放送
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(フルセグメント放送から転送)
デジタル放送(デジタルほうそう、digital broadcasting)とは放送局により行われるデジタル方式の放送のことである。通常のアナログ放送と同様の電波帯域を使い、アナログデータの代わりにデジタルデータを伝送する放送である。
日本においては、狭義には「デジタル方式の無線局により行われる放送」を言う(電波法施行規則第二条第一項第二十八の十六号)。広義には、デジタル方式により行われる放送全般、すなわち1990年代以降の、アナログ放送と同様に音声・映像などのマルチメディアデータを一定の規格に基づき放送するサービスを意味する。
最広義にはIPを利用したインターネット放送(インターネットテレビ、インターネットラジオ、IP放送)まで含まれうるが、本項では除外する。
概要
[編集]各方式・各国のデジタル放送の一覧、概括的比較は、デジタル放送の一覧を参照
従来のアナログ放送よりも電波障害に強く、高音質な音声や多チャンネル放送・データ放送・双方向性機能があることが大きな特徴である。
文字多重放送では、少量のテキストデータを狭い帯域で伝送する。このようなデータ放送では必要帯域が少ないため、1980年代から実用化された。テレビでの動画は情報の冗長性が大きくそのまま放送するには適さないため、データ圧縮が行なわれる。このデータ圧縮に関する情報理論の研究が進み、またコンピュータの処理性能も高まったため一般的な放送としての実用化が行なえるようになった。
特徴
[編集]アナログ放送に比べ、次のような特徴がある。
利点
[編集]- 冗長情報の付加と誤り訂正により伝送中にある程度のノイズが混入しても情報劣化が無く、元の情報が復元できる
- データのフォーマットを比較的容易に変更できる
- チャンネル構成を柔軟に運用できる
- 通信のような他のメディアとの親和性が高い
- 著作権保護(コピーガード)
- 副次的なデータの併送が容易である
欠点
[編集]- 大きなノイズでは情報劣化が大きくなる。データ圧縮を使っている場合は、復号がまったくできなくなる。通信と異なり再送要求ができないため、この問題は放送において深刻である
- データ圧縮・伸張に時間がかかる(特にテレビジョン放送は、データ量が膨大であることから避けられない)。そのため、チャンネル変更などの応答が悪くなる場合がある。また緊急地震速報、時報、生中継などのリアルタイム性が低下する
歴史
[編集]世界
[編集]- 1998年
- 1999年4月 - スウェーデンで地上デジタル放送への移行開始(2007年10月15日完了)。
- 2000年5月 - スペインで地上デジタル放送への移行開始(2010年4月3日完了)。
- 2001年
- 2002年
- 2003年
- 2004年
- 2005年
- 2006年
- 2007年
- 2008年
- 2009年
- 2013年1月 - ブラジルで地上デジタル放送への移行開始(2018年11月25日完了)。
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日本
[編集]- 1985年11月 - 東京・大阪のNHK総合テレビにて、文字多重放送開始。
- 1992年6月 - CS-PCM音声放送開始。
- 1995年4月 - St.GIGAにより、任天堂のスーパーファミコン周辺機器、サテラビューを受信端末とし放送衛星を使用した衛星データ放送、「スーパーファミコンアワー」(任天堂の撤退により、1999年6月に「セント・ギガ衛星データ放送」に改称)開始。
- 1996年9月 - 日本デジタル放送サービス(現:スカパーJSAT)により、DVB-S方式によるCSデジタル放送「パーフェクTV!」(現:スカパー!プレミアムサービス)開始。
- 1998年
- 2000年
- 6月 - 衛星データ放送「セント・ギガ衛星データ放送」終了。
- 12月 - BSデジタルテレビ放送・BSデジタル音声放送(ISDB-S方式)放送開始。
- 2001年6月 - 電波法の改正により、地上デジタル放送への移行完了期限を2011年7月24日に決定。
- 2002年7月 - ISDB-S方式によるCSデジタルテレビ放送「スカイパーフェクTV!2」・「プラット・ワン」(現 スカパー!)開始。サーバ型放送(蓄積放送)機能を持つCSデジタルテレビ放送「ep」(ISDB-S方式)開始。
- 2003年
- 10月 - 東京・大阪地区にて地上デジタル音声放送(ISDB-TSB方式)実用化試験開始。
- 12月 - 東京・名古屋・大阪の3大都市圏にて地上デジタルテレビ放送(ISDB-T方式)放送開始。
- 2004年4月 - 「ep」が蓄積放送を終了。
- 2006年
- 4月 - ワンセグ放送を開始。
- 12月 - 全都道府県で地上デジタル放送を開始。
- 2010年7月 - 大阪地区の地上デジタル音声放送実用化試験を終了。
- 2011年
- 3月 - 東京地区の地上デジタル音声放送実用化試験を終了。
- 7月 - 岩手・宮城・福島3県の地域を除くCS-PCM音声放送ならびに地上・BSアナログテレビ放送を終了。
- 2012年
- 3月 - 岩手・宮城・福島3県の地域のCS-PCM音声放送ならびに地上アナログテレビ放送を終了(日本全国で完全地上デジタル化完了)。
- 4月 - 携帯端末向けマルチメディア放送のNOTTV開始。
- 2016年
- 6月 - NOTTVサービス終了[2]。
- 8月 - 4K・8K実験放送を開始。
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参考文献
[編集]- 『「完全デジタル化最終行動計画」及び「完全デジタル化に向けた最終国民運動」の公表』(プレスリリース)総務省・地上デジタル推進全国会議、2011年1月24日 。2011年2月15日閲覧。
脚注
[編集]- ^ “地上デジタル放送懇談会 報告書 〜新デジタル地上放送システムの形成〜”. 総務省 (1998年10月26日). 2023年11月20日閲覧。
- ^ “スマホ向け放送「NOTTV」、2016年6月末で終了”. 2023年11月20日閲覧。
関連項目
[編集]- デジタルテレビ放送
- デジタルラジオ
- BSデジタル音声放送(BSデジタルラジオ)
- 地上デジタル音声放送(地上デジタルラジオ)
- その他のデジタル放送
- デジタル放送の一覧
- 日本の放送送信所一覧
- ローカルニュース動画配信実施局一覧