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経済・財務省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランス大蔵省から転送)
フランスの旗 フランス行政機関
経済・財務省
Ministère de l'Économie et des Finances
経済・財務省庁舎
経済・財務省庁舎
役職
大臣 ブリュノ・ル・メール
概要
所在地 パリ12区ベルシー通り139番地
北緯48度50分25秒 東経2度22分40秒 / 北緯48.84028度 東経2.37778度 / 48.84028; 2.37778座標: 北緯48度50分25秒 東経2度22分40秒 / 北緯48.84028度 東経2.37778度 / 48.84028; 2.37778
定員 12万9199人(2022年度)
年間予算 26億7800万ユーロ(2016年度)
設置 1561年(大蔵卿として)
ウェブサイト
Le portail des ministères économiques et financiers
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経済・財務省(けいざい・ざいむしょう、フランス語: Ministère de l'Économie et des Finances)は、フランスの省の一つ。フランスの経済財政政策を担当する。フランス財務省とも呼ばれる。

概要

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フランスにおける財務大臣の起源は、アンシャン・レジーム期の1561年に初めて設置された大蔵卿surintendant des finances)である。大蔵卿は1661年財務総監contrôleur général des finances)と改称され、フランス革命後の1791年財務大臣ministre des finances)と改称された。

本省の歴史的任務は財政の管理である。1946年国民経済・財務省Ministère de l’Économie nationale et des Finances)の名称で、財政の管理とフランスの経済政策の実施とをともに所管する省が初めて設置された。

なお、本省の名称および具体的な権限は、内閣が交代するたびに変化してきた。

第2次シラク内閣(1986年 - 1988年)においては、本省は経済・財務・民営化省Ministère de l’Économie, des Finances et de la Privatisation)と称された。ジョスパン内閣(1997年 - 2002年)において、初めて産業が本省の所管となり、2012年まで、以後の内閣においても踏襲された(第1次フィヨン内閣(2007年)を除く)。予算は、独立した大臣が所管していたベレゴヴォワ内閣(1992年 - 1993年)、バラデュール内閣(1993年 - 1995年)、ならびに第1次、第2次および第3次フィヨン内閣(2007年 - 2012年)を除いて、本省の所管である。第1次および第2次フィヨン内閣(2007年 - 2010年)においては、雇用も本省が所管していた。同様に、第1次エロー内閣(2012年)においては貿易も本省が所管していたが、第2次エロー内閣(2012年 - 2014年)においては貿易省として分離された。貿易省が設置されるのは、1990年代半ば以来例のないことである[1]

ヴァルス内閣(2014年 - 2017年)においては、経済・財務省は財務・公会計省Ministère des Finances et des Comptes publics)と経済・生産再建・デジタル省Ministère de l'Économie, du Redressement productif et du Numérique)に分割された。

第1次フィリップ内閣ブリュノ・ル・メールが経済・財務大臣を務め、第2次フィリップ内閣では、経済・財務省Ministre de l’Économie et des Finance)と公共行動・公会計省(Ministère de l’Action et des Comptes publics)に分割された。

任務

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2012年以来、経済・財務大臣は、経済財政消費および不正防止に関する政府の政策を立案し、実施することを任務としている。また同大臣は、社会的・連帯経済の促進および発展を担当し、予算および租税に関する政府の政策を立案、実施するほか、公会計全体および公会計に関する長期的戦略について責任を負う[2]

組織

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経済・財務省の組織は以下の通りである[2][3]

大臣

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ブリュノ・ル・メール経済・財務大臣

大臣は中央行政機関に加えて、担当大臣、官房および報道官をその権限の下に置いている。担当大臣もまた同様に官房を有している。

現在、第2次フィリップ内閣では、ブリュノ・ル・メールが経済・財務大臣、ジェラルド・ダルマナンが行動・公会計大臣を務めている[4]

歴代財務大臣

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第五共和政

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氏名 職名 内閣 就任日 退任日 所属政党
1 アントワーヌ・ピネー
Antoine Pinay
財務・経済問題大臣 ドブレ内閣 1959年1月8日 1960年1月13日 全国独立農民センター
2 ウィルフリッド・ボームガルトネル
Wilfrid Baumgartner
1960年1月13日 1962年1月18日 無所属
3 ヴァレリー・ジスカール・デスタン
Valéry Giscard d'Estaing
1962年1月18日 1962年4月14日 全国独立農民センター
独立共和派
第1次ポンピドゥー内閣 1962年4月15日 1962年11月28日
第2次ポンピドゥー内閣 1962年12月6日 1966年1月8日
4 ミシェル・ドブレ
Michel Debré
経済・財務大臣 第3次ポンピドゥー内閣 1966年1月8日 1967年4月1日 共和国民主連合
第4次ポンピドゥー内閣 1967年4月7日 1968年5月31日
5 モーリス・クーヴ・ド・ミュルヴィル
Maurice Couve de Murville
1968年5月31日 1968年7月10日 共和国民主連合
6 フランソワ=グザヴィエ・オルトリ
François-Xavier Ortoli
クーヴ・ド・ミュルヴィル内閣 1968年7月12日 1969年6月20日 共和国防衛連合
7 ヴァレリー・ジスカール・デスタン
Valéry Giscard d'Estaing
シャバン=デルマス内閣 1969年6月22日 1972年7月5日 独立共和派
第1次メスメル内閣 1972年7月6日 1973年3月28日
第2次メスメル内閣 1973年4月5日 1974年2月27日
国務大臣
経済・財務大臣
第3次メスメル内閣 1974年3月1日 1974年5月27日
8 ジャン=ピエール・フルカド
Jean-Pierre Fourcade
経済・財務大臣 第1次シラク内閣 1974年5月28日 1976年8月25日 独立共和派
9 レーモン・バール
Raymond Barre
首相
経済・財務大臣
第1次バール内閣 1976年8月27日 1977年3月29日 無所属
第2次バール内閣 1977年3月30日 1978年3月31日
10 ルネ・モノリー
René Monory
経済大臣 第3次バール内閣 1978年4月5日 1981年5月13日 フランス民主連合
社会民主中道派
11 ジャック・ドロール
Jacques Delors
経済・財務大臣 第1次モーロワ内閣 1981年5月22日 1981年6月22日 社会党
第2次モーロワ内閣 1981年6月23日 1983年3月22日
経済・財務・予算大臣 第3次モーロワ内閣 1983年3月22日 1984年7月17日
12 ピエール・ベレゴヴォワ
Pierre Bérégovoy
ファビウス内閣 1984年7月19日 1986年3月20日 社会党
13 エドゥアール・バラデュール
Édouard Balladur
国務大臣
経済・財務・民営化大臣
第2次シラク内閣 1986年3月20日 1988年5月10日 共和国連合
14 ピエール・ベレゴヴォワ
Pierre Bérégovoy
国務大臣
経済・財務・予算大臣
第1次ロカール内閣 1988年5月12日 1988年6月22日 社会党
第2次ロカール内閣 1988年6月28日 1991年5月15日
国務大臣
経済・財務・予算・貿易大臣
クレッソン内閣 1991年5月16日 1992年4月2日
15 ミシェル・サパン
Michel Sapin
経済・財務大臣 ベレゴヴォワ内閣 1992年4月2日 1993年3月29日 社会党
16 エドモン・アルファンデリー
Edmond Alphandéry
経済大臣 バラデュール内閣 1993年3月30日 1995年5月11日 フランス民主連合
社会民主中道派
17 アラン・マドラン
Alain Madelin
経済・財務大臣 第1次ジュペ内閣 1995年5月18日 1995年8月26日 フランス民主連合
共和党
18 ジャン・アルテュイ
Jean Arthuis
経済・財務・計画大臣 1995年8月26日 1995年11月7日 フランス民主連合
社会民主中道派
経済・財務大臣 第2次ジュペ内閣 1995年11月7日 1997年6月2日
19 ドミニク・ストロス=カーン
Dominique Strauss-Kahn
経済・財務・産業大臣 ジョスパン内閣 1997年6月4日 1999年11月2日 社会党
20 クリスチャン・ソテール
Christian Sautter
1999年11月2日 2000年3月27日 社会党
21 ローラン・ファビウス
Laurent Fabius
2000年3月27日 2002年5月6日 社会党
22 フランシス・メール
Francis Mer
第1次ラファラン内閣 2002年5月7日 2002年6月17日 無所属
第2次ラファラン内閣 2002年6月17日 2004年3月30日
23 ニコラ・サルコジ
Nicolas Sarkozy
国務大臣
経済・財務・産業大臣
第3次ラファラン内閣 2004年3月31日 2004年11月29日 国民運動連合
24 エルヴェ・ゲマール
Hervé Gaymard
経済・財務・産業大臣 2004年11月29日 2005年2月25日 国民運動連合
25 ティエリー・ブルトン
Thierry Breton
2005年2月25日 2005年5月31日 右翼諸派
ド・ヴィルパン内閣 2005年6月2日 2007年5月15日
26 ジャン=ルイ・ボルロー
Jean-Louis Borloo
経済・財務・雇用大臣 第1次フィヨン内閣 2007年5月18日 2007年6月18日 急進党
27 クリスティーヌ・ラガルド
Christine Lagarde
第2次フィヨン内閣 2007年6月19日 2008年3月18日 国民運動連合
経済・産業・雇用大臣 2008年3月18日 2010年11月13日
経済・財務・産業大臣 第3次フィヨン内閣 2010年11月14日 2011年6月29日
28 フランソワ・バロワン
François Baroin
2011年6月29日 2012年5月10日 国民運動連合
29 ピエール・モスコヴィシ
Pierre Moscovici
経済・財務・貿易大臣 第1次エロー内閣 2012年5月16日 2012年6月18日 社会党
経済・財務大臣 第2次エロー内閣 2012年6月21日 2014年3月31日
30 ミシェル・サパン
Michel Sapin
財務・公会計大臣 第1次ヴァルス内閣 2014年4月2日 2014年8月26日 社会党
第2次ヴァルス内閣 2014年8月26日 2017年5月17日
31 ブリュノ・ル・メール
Bruno Le Maire
経済・財務大臣 第1次フィリップ内閣 2017年5月17日 現職 共和国前進

庁舎

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財務・公会計省庁舎はパリ12区のベルシー地区にあるベルシー橋の袂に所在する。現庁舎はポール・シュメトフおよびボルハ・ユイドブロの設計により、1988年に竣工したもので、23万平方メートルの敷地に、それぞれ「ネッケル」「ヴォーバン」「コルベール」「シュリー」「テュルゴー」と名付けられた5棟のビルが建っている。

1871年から1988年まで、本省の中央行政機関はルーヴル宮殿のリシュリュー翼に所在していたが、フランソワ・ミッテラン政権下で決定された「大ルーヴル計画(Grand Louvre)」に伴う工事のため、現在地に移転することになった。

なお、本省の現在の所在地であるベルシー通り139番地には、1983年までは退役軍人省の2つの部局(恩給局および従軍兵士・戦没者規定局)が入居し、現在は財務・公会計省庁舎の一部となっている古い建物が実際には所在する。

一方、一部の部局は既に、セーヌ=サン=ドニ県ノワジー=ル=グランおよびモントルイユセーヌ=エ=マルヌ県ノワジエル、ならびにヴァル=ド=マルヌ県ヴァンセンヌに移転している。

脚注

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出典

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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