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フェラーリ・F430

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェラーリ F430から転送)
フェラーリ・F430
フロント
リア
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2004年 - 2009年
デザイン フランク・ステファンソンピニンファリーナ所属)
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドア クーペ / スパイダー
エンジン位置 ミッドシップ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン Tipo F136E型 4,308 cc V型8気筒DOHC
最高出力 360 kW (489 PS)/8,500 rpm
最大トルク 465 N⋅m (47.4 kgf⋅m)/5,250 rpm
変速機 6速MT
6速セミAT(F1マチック)
サスペンション
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,600 mm
全長 4,515 mm
全幅 1,923 mm
全高 1,215 mm
車両重量 1,450 kg
系譜
先代 フェラーリ・360モデナ
後継 フェラーリ・458イタリア
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フェラーリ・F430Ferrari F430 )は、イタリア自動車メーカーフェラーリが製造、販売していたミッドシップスポーツカー

解説

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2004年、販売に成功した360モデナの後継モデルとしてモンディアル・ド・ロトモビルでデビュー。同年欧州モデルを発売、翌年の2005年に右ハンドル仕様、アメリカ仕様が発売された。

シャシーは360を基本に設計されV8エンジンは4.3Lとなり、フェラーリ・F355と360に採用されていた1気筒5バルブは廃され4バルブとなる。360と比べて出力は90PS、トルクは9.4kgf·m高められ、490PSと47.4kgf·mを発生する。

トランスミッションはMTF1マチック(パドルシフトを備えたセミAT)から選ぶことができ、いずれも6速である。左/右ハンドルが選べる。

モデル名の「F430」はFerrariの4.3Lエンジン車であることによる。F355の後継である360モデナではフェラーリであることを表す「F」がなくなっていたが、F430では再び復活した。

日本での価格はクーペのMTが2,400万円、F1マチックが2,547万円。スパイダーのMTが2,600万円、F1マチックが2,755万円であった(2009年5月時点)。

スタイリング

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ボディデザインはピニンファリーナのチーフデザイナー、フランク・ステファンソンが手掛け、基本的に先代360を踏襲したかたちになっているが、ボディはより煮詰められ空力特性が向上している。空気抵抗値は360と変わらないが、360のネックだったダウンフォースが大幅に高められている。特徴的なフロントノーズ回りは1961年F1を制した156F1、および1961年ル・マン24時間レース優勝車250TR61シャークノーズと呼ばれるデザインをモチーフとし、ライトは1つのプロジェクターランプでハイ/ロービームを切り替えるバイキセノンヘッドライトが採用された。フェラーリ・テスタロッサを思わせるサイドミラーには『F430』の文字が刻まれている。

テール部分はフェラーリ・エンツォフェラーリと同じく尾灯上面が露出した造形となっており、意匠的に新しく生まれ変わっている。

リアエンド下部には大型のディフューザーが装着され、走行時のダウンフォース発生に大きく寄与している。

また、タイヤも、490PSの大出力に対応するため360モデナよりもサイズアップされ、フロント225/35ZR19、リア285/35ZR19となっている。

メカニズム

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F430で新しく取り入れられた技術として以下のものがある。いずれもF1参戦で培われた技術をフィードバックしたものである。

  • Launchcontrol
ローンチコントロールの採用。CSTを解除しLCボタンで設定、左足でブレーキを踏み回転数を上げた所でブレーキを離すとクラッチが繋がり発進するシステム。
  • E-Diff
エレクトリック・ディファレンシャルの略で、電子制御の差動装置。従来の差動装置に比べると、駆動力の損失が少ないと謳われている。

この他にも、(すでにフェラーリ・360チャレンジ・ストラダーレ、エンツォ・フェラーリで採用済みの)カーボンブレーキも採用されている。このブレーキは、冷間時の制動性は甘いが耐フェード性が高く、スポーツ走行に適している。

バリエーション

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F430スパイダー

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F430のコンバーチブルバージョン。2005年のジュネーブモーターショーで発表され、フェラーリの21番目のコンバーチブルになった。この車は、F1カーに使用される空力シミュレーションプログラムを使用してピニンファリーナによって設計された。コンバーチブルトップのシステムは基本的に先代の360スパイダーと共通のものであり、ドイツのCTS社によって製造される。クローズドトップからオープンエアコンバーチブルへの変換は、2段階の折りたたみアクションであり、ルーフパネルはエンジンベイの上のスペース内で自動的に折りたたまれ、スパイダーの内部と性能はクーペのそれと同じだが、重量が増加し、最高速度が5km/h減少している。

430スクーデリア

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2007年フランクフルトモーターショーで発表された軽量モデル。360チャレンジストラダーレの後継として、F430をベースによりスポーツドライビングを好むオーナーのために製作され、発表会にはミハエル・シューマッハも同席した。スクーデリアは「厩舎」を意味し、フェラーリのモーターレーシングチームの名称としても使用されている。

4.3 L V型8気筒エンジンは吸気および排気系に改良が加えられたほか、イオン検知ノック検出システムによって圧縮比を向上させ、最高出力375kW(510PS)/8,500rpm、最大トルク471N⋅m(347lb⋅ft)/5,250rpmを発生、パワーウェイトレシオはF430の2.96 kg / hpから2.5kg / hpに向上した。車重はF430より約200kg軽い1,250kgで、0-100km/h加速は3.6秒以下、最高速度は320km/h以上。

6速セミATのトランスミッションは、高圧の油圧アクチュエーターが組み込まれた第2世代「スーパーファスト2」に進化し、シフトタイムは0.06秒と公表されている。スタビリティコントロールには、F430の「E-Diff」と、599の「F1-Trac」を組み合わせた新システム「E-Diff2」が装備される。

F430とのエクステリアの違いとしては、フロントノーズ左右に設けられたエアインテーク開口部の形状のほか、リアエキゾーストはF430ではテール下部で4本出しであったものが430スクーデリアではナンバープレートの高さまで持ち上げられ、上方配置2本出しとなっている点などが異なる。ボディの中央には2本のグレーのストライプが入る。

2008年5月、日本で発売された。新車価格は3,026万円。

スクーデリア・スパイダー16M

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フォーミュラ1においてスクーデリア・フェラーリコンストラクターズタイトル(自動車製造者部門)を史上最多の16回獲得した記念モデルである。430スクーデリアベースのオープンモデルで、世界で499台のみ製造され、日本には50台前後が正規輸入された。車名に430は付かない。430スクーデリアのシルエットを踏襲したオープンモデルであるが、外見の違いに、ボディ中心にブラックとそれを縁取るようにシルバーの細いラインが4本(標準)が入っている、また車体のラインをイタリアの国旗を現す緑・白・赤のライン(トリコロール)に変更することやラインを抜くことも可能である(新車オーダー時)、他には左右のフェラーリ・エンブレムの下に“16M SCUDERIA”のエンブレム、テールには“F1 CONSTRUCTORS 16 2008 WORLD CHAMPIONSHIPS”のエンブレム、またセンターコンソールの上部には“16M SCUDERIA SPIDER LIMITED 499”と499台の限定生産を表すエンブレムが付く。

最高出力380kW(510hp)/8,500rpm、車重は1,340kg、パワーウェイトレシオは2.6kg/PS、0-100km/h加速は3.7秒以下、最高速度は315km/h以上、スクーデリア・スパイダー16Mは最短60msでのシフトチェンジを可能にしたF1スーパーファースト2ギアボックスを採用することにより、フィオラノサーキットにて1995年同社より発表されたフェラーリF50のサーキットタイムを上回った史上最速のフェラーリのオープンスポーツであると発表された。

F430Bio Fuel

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F430Bio Fuelは2008年、北米国際オートショーで発表されたバイオエタノール車である。燃料はE85というエタノール85%、ガソリン15%の混合燃料を使用する。

SP1

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名古屋市在住のフェラーリコレクター、平松潤一郎のオーダーにより50年ぶりにフェラーリ社内で製作されたワンオフモデル。デザイナーはレオナルド・フィオラバンティ

モータースポーツへの参戦

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レース仕様の「F430GT」がル・マン24時間レースなどに参戦するために作られている(なお、この場合レギュレーションの関係で排気量は4,000cc弱となる)。360の事実上の後継車のため、ワンメイクレースのベースカーもこの車にバトンタッチした。名称は「F430チャレンジ」。また、SUPER GTでは2008年度第5戦から参戦予定だったが[注釈 1]、実際に開始するのは次年度初戦からとなった[注釈 2]

注釈

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  1. ^ ただし360改のF430は初戦から参戦していた。
  2. ^ この時はジムゲイナーが自社開発のJAF-GT規定のF430、チームダイシンがFIA-GT2仕様のF430で参戦していたが、2011年現在はJIMゲイナー、LMPモータースポーツ、チームタイサンの3チームにより、後者のみが参戦している。

出典

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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