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マツヨイセンノウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒロハノマンテマから転送)
マツヨイセンノウ
マツヨイセンノウ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: マンテマ属(シレネ属)Silene
: マツヨイセンノウ S. alba
学名
Silene alba (Mill.) E.H.L. Krause
シノニム

Melandrium album
Silene latifolia ssp. alba

和名
マツヨイセンノウ
ヒロハノマンテマ
英名
White Campion

マツヨイセンノウ(待宵仙翁、学名 Silene alba)、別名ヒロハノマンテマナデシコ科マンテマ属の多年性草本植物。学名シノニムの属名を取ってメランドリウムと呼ぶこともある。

原産地はヨーロッパから西アジア。日本には明治時代に観賞用として移入され、逸出したものが帰化植物として定着した。日本での分布は北海道および本州であり、北陸・四国・九州地方ではまれである。多年草であるが、寒冷地では冬場に枯死して一年草となる。道路脇などに自生し、30-60cm程度の高さになる。芳香がある直径2cm程度の白い花をつけ、夕方から夜間に開花する。日本での開花期は6-7月である。

雌雄異株であり、哺乳類ショウジョウバエのように雄株ではXY、雌株でXXの性染色体を持つ。その性決定機構を持つこと、マンテマ属の近縁植物種では違った性表現・性決定がなされることから、植物における性決定の研究材料として用いられている。

ヒロハノマンテマのオスがもつY染色体には「雄しべを発達させる遺伝子」と「雌しべを抑制する遺伝子」の2つの性決定遺伝子が存在する。

参考文献

[編集]
  • 清水建美編『日本の帰化植物』平凡社、2003年、ISBN 978-4582535082。「マンテマ属」58-59ページ。
  • 朝日新聞社編『朝日百科植物の世界』第7巻「種子植物」、朝日新聞社、1997年。「マンテマ」239ページ。
  • 松永幸大(2000年)「高等植物の性決定機構」『蛋白質核酸酵素』第45巻、共立出版社、1704-1712ページ。2009-04-27閲覧。
  • Yusuke Kazama, Moe Kitoh, Taiki Kobayashi, Kotaro Ishii, Marc Krasovec, Yasuo Yasui, Tomoko Abe, Shigeyuki Kawano, Dmitry A Filatov. 2022. A CLAVATA3-like Gene Acts as a Gynoecium Suppression Function in White Campion. Mol Biol Evol 39(10):msac195
  • Yusuke Kazama, Kotaro Ishii, Wataru Aonuma, Tokihiro Ikeda, Hiroki Kawamoto, Ayako Koizumi, Dmitry A Filatov, Margarita Chibalina, Roberta Bergero, Deborah Charlesworth, Tomoko Abe, Shigeyuki Kawano. 2016. A new physical mapping approach refines the sex-determining gene positions on the Silene latifolia Y-chromosome. Sci Rep 18917